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出会い
第40話
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根津姉妹の最寄り駅に着いたとき、一度自分の家までのルートを確認した。
結局家に着いたのは2時24分だった。
少し涼しい夜に結構な時間歩いたためか酔いはほとんど覚めていた。
僕は玄関の扉の前でバッグから鍵を取り出し
鍵穴に鍵を差しゆっくりと極力音を立てないように鍵を開けた。
スマホの画面の明かりを頼りにして、これまた音を立てないように
扉を開けて音を立てないように扉を閉め、これまた音を立てないように鍵を閉めた。
うちは違うがチェーンキーのような一番上のガッチャンという鍵も閉めた。
当たり前だが家族みんな寝ているらしく
スマホの画面の明かりで照らされている僕の周り以外闇に包まれていた。
その闇をスマホの画面の明かりで照らしながら進み
僕はとりあえず洗面所に行き、洗面所の電気を点け
あまり音を立てないように手を洗いうがいをした。
手と口元をタオルで拭いたあと電気を消し
またスマホの画面の明かりを頼りにリビングへ進む。キッチンに入り
食器棚を照らし、自分のグラスを取り出す。そして冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の扉を開けた途端、周りが冷蔵庫の明かりに包まれる。
僕はドリンクホルダーに入っている飲み物を一通り見た後、心の紅茶を取り出し
グラスに半分ほど注ぎ、元に戻し、冷蔵庫を閉める。
そしてまたスマホの画面の明かりを頼りに、製氷機の部分を開けてグラスに氷を入れる。
氷同士がぶつかる音、氷とグラスがぶつかる音
その涼しげな音がスマホの画面の明かりで照らされた僕の周り以外
闇で包まれた静かなリビングに響く。
僕はココティーと氷の入ったグラスを片手、反対の手でスマホを持ち
スマホの明かりを頼りに廊下を戻り、あまり音を立てないように階段を登る。
両親の部屋と妹の部屋の前を通り過ぎ、自分の部屋のドアノブに手をかけ
極力音を立てないようにドアを開け、ドアを閉めた。
そしてドアのすぐ側にあるスイッチを押し、部屋の電気を点けた。
少しだけ眩しく感じ眉間に皺が寄る。
ほとんどそこで勉強したことのないテーブルにバッグを置き
少し前傾姿勢になり、ローテーブルにグラスを置き、ベッドに腰を下ろす。
そのまま壁にもたれかかり、出窓の凹みに首を預ける。
そしてポケットに手を入れスマホを取り出す。
顔の前にスマホを掲げ、電源を点ける。
先程までは最低限の明かりを確保するために電源を点けていたため気づかなかったが
LIMEの通知が来ていた。妃馬さんからだった。
僕は体を起こし、膝に肘をついた前傾姿勢でLIMEのトークの一覧の画面を開いた。
一番上に妃馬さんからの通知が3件。その下に匠からの通知が3件。
僕は妃馬さんの名前をタップした。
「今日はありがとうございました。
きっかけは姫冬の心配で参加したテニスサークルの歓迎会でしたけど
怜夢さんや皆さん、とても良い方たちで安心しました。
皆さんと飲めてとても楽しかったです。
それとわざわざ送っていただき、ありがとうございました。
怜夢さんは無事帰れたでしょうか?」
「一緒にやるゲームってなんて名前でしたっけ?おやすみなさい」
その後に猫が布団に入っているイラストの「おやすみ」のスタンプが送られていた。
僕は画面から視線を外し、扉のほうを見ていた。
扉を見ていたけど扉は見ておらず、なにも考えてないけどなにかを考えていた。
僕の口角は自然と上がりこんな夜遅くに失礼かな?とも思ったが
既読をつけてしまったしと思い返事を返した。
僕も3つ返事をして最後の3つ目は妃馬さんと同じように「おやすみ」のスタンプを返した。
そしてついでと言っては失礼だが姫冬ちゃんと俊くんにも
「今日はありがとう。楽しかった」という旨のメッセージを送った。
スマホをベッドに置きローテーブルのグラスに、手を伸ばすと、グラスが汗をかき
水滴がテーブルに溜まっていた。グラスを持ち、氷の浮かぶココティーを口に流し込む。
氷が少し溶けて上のほうは水だった。
口に入ってきたのは4割水。6割ほどがココティーだった。
僕はグラスをローテーブルに置き
ローテーブルの端に置いていた、テレビのリモコンを手に取り
左にあるテレビに向かいテレビのリモコンの赤く丸い電源ボタンを押す。
テレビの画面が点くと割と大きめなボリュームのテレビの音が部屋に響き
少し驚き、即座に消音ボタンを押す。部屋に静けさが戻る。
体を1つも動かさず、視線だけをキョロキョロ動かし、辺りの物音に意識を集中する。
今のテレビの音で家族が起きてしまったかもしれない。
そう思ってなぜかジッっとしてしたが、静けさは静けさのまま変わらなかったので
消音にしたままボリュームを下げ、消音を解いた。
音を小さくして安心し、今テレビに映っている番組を少しだけ見た。
なにやら知らない深夜ドラマだった。そのドラマを流しながら僕は部屋着に着替えた。
前面にロゴマークのある白のパーカーに、グレーのスウェットパンツ。
前髪が邪魔だったのでパッチンというタイプのヘアピンで左側に髪を寄せ留める。
髪を留めているときに耳元で揺れる感覚に気づき
揺れる星のチャームがついたピアスを鏡を見ず手先の感覚で外し、ピアスケースに戻す。
ファーストピアスを手に取り、これまた鏡を見ず手先の感覚でピアスホールにはめる。
楽な格好になりベッドに寝転がる。
今まで1話も見たこともなければ名前も聞いたこともないドラマが流れている。
スマホを手に取り電源を点ける。通知はなし。きっと寝たのだろう。
どこか妃馬さんからの返事を期待していたところがあり
少しがっかりしたような気持ちになったが一瞬でそれを振り払った。
ロックを解除し、LIMEのトーク一覧の画面を見る。
匠、3件。意を決してトーク画面を開く。すると居酒屋で返信した内容に
「でしょ!?でしょ!?」や「ほら見たことか」と言いたげな内容のメッセージだった。
そこそこ長文なメッセージを読み、またそれに対する返信を送った。
スマホを枕元に置き、テレビのリモコンを手に取り、チャンネルをザッピングした。
アニメ、情報番組、男性アイドルグループのバラエティ番組、ドラマ。
特に見たいものはなく、パスタイム スポット 4の
コントローラーのホームボタンを押し電源をつけ
テレビの入力切り替えボタンを押し、パスタイム スポット 4で
nyAmaZon(ニャマゾン)primeを起動し、百舌鳥さんの同席酒場を再生した。
ローテーブルにテレビのリモコンを置き
置いたテレビのリモコンの隣に置いていた部屋で電気のリモコンを
ローテーブルに置いたままの状態で「OFF」ボタンを押し部屋の電気を消す。
部屋がまるで小さな貸し切り映画館になる。スクリーンは小さいが。
寝転がって笑って見ているとスマホの画面が点く。
スマホと手に取り確認すると匠からだった。
僕は通知を確認するとスマホの電源を落とす。
すぐには返事をせず、少し時間を置いてから返信した。
また長文が送られてきて少し返事を考え返信し、スマホを枕元に置き
たまにあくびをし、笑って百舌鳥さんの同席酒場を見ていた。
結局家に着いたのは2時24分だった。
少し涼しい夜に結構な時間歩いたためか酔いはほとんど覚めていた。
僕は玄関の扉の前でバッグから鍵を取り出し
鍵穴に鍵を差しゆっくりと極力音を立てないように鍵を開けた。
スマホの画面の明かりを頼りにして、これまた音を立てないように
扉を開けて音を立てないように扉を閉め、これまた音を立てないように鍵を閉めた。
うちは違うがチェーンキーのような一番上のガッチャンという鍵も閉めた。
当たり前だが家族みんな寝ているらしく
スマホの画面の明かりで照らされている僕の周り以外闇に包まれていた。
その闇をスマホの画面の明かりで照らしながら進み
僕はとりあえず洗面所に行き、洗面所の電気を点け
あまり音を立てないように手を洗いうがいをした。
手と口元をタオルで拭いたあと電気を消し
またスマホの画面の明かりを頼りにリビングへ進む。キッチンに入り
食器棚を照らし、自分のグラスを取り出す。そして冷蔵庫を開ける。
冷蔵庫の扉を開けた途端、周りが冷蔵庫の明かりに包まれる。
僕はドリンクホルダーに入っている飲み物を一通り見た後、心の紅茶を取り出し
グラスに半分ほど注ぎ、元に戻し、冷蔵庫を閉める。
そしてまたスマホの画面の明かりを頼りに、製氷機の部分を開けてグラスに氷を入れる。
氷同士がぶつかる音、氷とグラスがぶつかる音
その涼しげな音がスマホの画面の明かりで照らされた僕の周り以外
闇で包まれた静かなリビングに響く。
僕はココティーと氷の入ったグラスを片手、反対の手でスマホを持ち
スマホの明かりを頼りに廊下を戻り、あまり音を立てないように階段を登る。
両親の部屋と妹の部屋の前を通り過ぎ、自分の部屋のドアノブに手をかけ
極力音を立てないようにドアを開け、ドアを閉めた。
そしてドアのすぐ側にあるスイッチを押し、部屋の電気を点けた。
少しだけ眩しく感じ眉間に皺が寄る。
ほとんどそこで勉強したことのないテーブルにバッグを置き
少し前傾姿勢になり、ローテーブルにグラスを置き、ベッドに腰を下ろす。
そのまま壁にもたれかかり、出窓の凹みに首を預ける。
そしてポケットに手を入れスマホを取り出す。
顔の前にスマホを掲げ、電源を点ける。
先程までは最低限の明かりを確保するために電源を点けていたため気づかなかったが
LIMEの通知が来ていた。妃馬さんからだった。
僕は体を起こし、膝に肘をついた前傾姿勢でLIMEのトークの一覧の画面を開いた。
一番上に妃馬さんからの通知が3件。その下に匠からの通知が3件。
僕は妃馬さんの名前をタップした。
「今日はありがとうございました。
きっかけは姫冬の心配で参加したテニスサークルの歓迎会でしたけど
怜夢さんや皆さん、とても良い方たちで安心しました。
皆さんと飲めてとても楽しかったです。
それとわざわざ送っていただき、ありがとうございました。
怜夢さんは無事帰れたでしょうか?」
「一緒にやるゲームってなんて名前でしたっけ?おやすみなさい」
その後に猫が布団に入っているイラストの「おやすみ」のスタンプが送られていた。
僕は画面から視線を外し、扉のほうを見ていた。
扉を見ていたけど扉は見ておらず、なにも考えてないけどなにかを考えていた。
僕の口角は自然と上がりこんな夜遅くに失礼かな?とも思ったが
既読をつけてしまったしと思い返事を返した。
僕も3つ返事をして最後の3つ目は妃馬さんと同じように「おやすみ」のスタンプを返した。
そしてついでと言っては失礼だが姫冬ちゃんと俊くんにも
「今日はありがとう。楽しかった」という旨のメッセージを送った。
スマホをベッドに置きローテーブルのグラスに、手を伸ばすと、グラスが汗をかき
水滴がテーブルに溜まっていた。グラスを持ち、氷の浮かぶココティーを口に流し込む。
氷が少し溶けて上のほうは水だった。
口に入ってきたのは4割水。6割ほどがココティーだった。
僕はグラスをローテーブルに置き
ローテーブルの端に置いていた、テレビのリモコンを手に取り
左にあるテレビに向かいテレビのリモコンの赤く丸い電源ボタンを押す。
テレビの画面が点くと割と大きめなボリュームのテレビの音が部屋に響き
少し驚き、即座に消音ボタンを押す。部屋に静けさが戻る。
体を1つも動かさず、視線だけをキョロキョロ動かし、辺りの物音に意識を集中する。
今のテレビの音で家族が起きてしまったかもしれない。
そう思ってなぜかジッっとしてしたが、静けさは静けさのまま変わらなかったので
消音にしたままボリュームを下げ、消音を解いた。
音を小さくして安心し、今テレビに映っている番組を少しだけ見た。
なにやら知らない深夜ドラマだった。そのドラマを流しながら僕は部屋着に着替えた。
前面にロゴマークのある白のパーカーに、グレーのスウェットパンツ。
前髪が邪魔だったのでパッチンというタイプのヘアピンで左側に髪を寄せ留める。
髪を留めているときに耳元で揺れる感覚に気づき
揺れる星のチャームがついたピアスを鏡を見ず手先の感覚で外し、ピアスケースに戻す。
ファーストピアスを手に取り、これまた鏡を見ず手先の感覚でピアスホールにはめる。
楽な格好になりベッドに寝転がる。
今まで1話も見たこともなければ名前も聞いたこともないドラマが流れている。
スマホを手に取り電源を点ける。通知はなし。きっと寝たのだろう。
どこか妃馬さんからの返事を期待していたところがあり
少しがっかりしたような気持ちになったが一瞬でそれを振り払った。
ロックを解除し、LIMEのトーク一覧の画面を見る。
匠、3件。意を決してトーク画面を開く。すると居酒屋で返信した内容に
「でしょ!?でしょ!?」や「ほら見たことか」と言いたげな内容のメッセージだった。
そこそこ長文なメッセージを読み、またそれに対する返信を送った。
スマホを枕元に置き、テレビのリモコンを手に取り、チャンネルをザッピングした。
アニメ、情報番組、男性アイドルグループのバラエティ番組、ドラマ。
特に見たいものはなく、パスタイム スポット 4の
コントローラーのホームボタンを押し電源をつけ
テレビの入力切り替えボタンを押し、パスタイム スポット 4で
nyAmaZon(ニャマゾン)primeを起動し、百舌鳥さんの同席酒場を再生した。
ローテーブルにテレビのリモコンを置き
置いたテレビのリモコンの隣に置いていた部屋で電気のリモコンを
ローテーブルに置いたままの状態で「OFF」ボタンを押し部屋の電気を消す。
部屋がまるで小さな貸し切り映画館になる。スクリーンは小さいが。
寝転がって笑って見ているとスマホの画面が点く。
スマホと手に取り確認すると匠からだった。
僕は通知を確認するとスマホの電源を落とす。
すぐには返事をせず、少し時間を置いてから返信した。
また長文が送られてきて少し返事を考え返信し、スマホを枕元に置き
たまにあくびをし、笑って百舌鳥さんの同席酒場を見ていた。
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