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出会い
第6話
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駅から歩くこと約10分。
歩道と車道が一体化したような道を歩いているとやがて家が見えてくる。
念のため持っていた鍵はあるが試しにドアノブに手をかけ少し力を入れ下げてみる。
ドアノブは手の動きと共に下がった。
ミステリーやサスペンスなら鍵が開いてる?そう思い恐る恐る入ると…。そんな展開だろうが
ただただ母の声が聞こえてくる。
「あ、おかえりぃ~」
少し遠くから少し大きめの声が聞こえる。
恐らくリビングのソファーでテレビを見ているのであろう。
玄関に入り靴を脱いでいると後ろでドアの閉まる音が聞こえる。
脱いだ靴を手に取りシューズクローゼットにしまった。
玄関からリビングに行くまでの廊下を左に曲がると洗面所がある。
洗面所に入り手を洗いうがいをする。洗面所の大きな鏡の左側の棚を開き
家族毎に分けられているタオルがあり自分用のタオルを手に取る。
口周りを拭き手を拭う。そのまま洗濯用の篭にそのタオルを放る。
そしてリビングの扉を開けると案の定ソファーに座っていた母が振り返り
「お昼なににする?」
と言ってきた。
「鍵必要なかったじゃん」
質問に答えるより先にそう言った。
「たしかによく考えたらこの時間あんま出掛けないわ。
まぁでも出掛けてるかもしれないからね?念のためよ念のため」
と自己完結した母が
「それよりお昼なににする?って」
と立て続けに再び聞いてくる。
「んん~なにがある?」
「ラーメンとかオムライス、炒飯。あ、パスタもできるよ」
「じゃあラーメンでお願いします」
「味は?」
「味噌で」
「了解しました」
母はそう言うとソファーから立ち上がりキッチンへ向かう。
僕は母と入れ替わるようにソファーへ向かい、腰を下ろす。
ソファーとテレビの間にあるローテーブルの上に置いてあるリモコンを手に取り
テレビをつける。報道番組が映る。画面の左上に表示された時刻はもうそろそろ12時。
番組表を開いても報道番組が連なっている。
中には報道番組とバラエティーが掛け合わさったような番組もやっている。
番組表を開いているとき音声で悲しいニュースが聞こえてきた。
もちろんニュースを見て世の中を知るのも重要なのはわかってはいるが
昼ご飯までの間や昼ご飯を食べているときは
その場の雰囲気や空間その後の話題のためにも明るくあってほしいため
録画された番組でも見ようかと思い、録画された番組の一覧を開く。
するとニュースの音声もピタリと止んだ。
ドラマやバラエティー、映画など様々なタイトルがズラリと並んでいる。
うちの家族も世の中でも好きな人が多い芸人さん
百舌鳥さんの出ている番組がちらほらある。
テレビ百舌鳥や百舌鳥はないたち、お酒のアテになる話などがある。
テレビ百舌鳥は下ネタ多いからなぁ~。
母親の前で見るのは…。お酒のアテになる話でいいか。などと思い再生ボタンを押す。
この回では豪華な俳優さんや声優さん
バラエティーで活躍する女性タレントさんなどが出演していた。
これは若者特有のものなのだろうか。
20歳の僕がまだ若者に入っているかはわからないが
ただテレビを見ているだけだとなぜか手が寂しく感じるのだ。
なにかを触っていたいと思った僕は
ソファーの左端に置いた鞄からサティスフィーを取り出し電源をつける。
電車の中でプレイしていたスプラタウンの画面が映し出される。
もちろんスプラタウンは面白いゲームだが
「なにかをしながら」には向いていないゲームなためセーブをし、ホーム画面へ。
ホーム画面にはこれまでプレイしたことのあるゲームタイトルがズラリと並んでいる。
様々なタイトルが並ぶ中、僕はあつまれせいぶつの森をすることにした。
このあつまれせいぶつの森は無「人」島の島を自分の力で開拓し
島を飾ったり、「せいぶつの」住民と交流をしたり
季節ごとのイベントを楽しんだりしながら、無「人」島の住民として
日常とは違う生活を満喫するのんびりとマイペースにできる癒しゲーなので
テレビを見ながらに適している。そう思いアプリを起動し自分の島へ降り立った。
そんなことをしているうちに再生された番組がコマーシャルへ入った。
録画なのでボタン1つでコマーシャルを飛ばすことができるのだが
あつまれせいぶつの森の自分の島の島民たちに挨拶したりと日課をこなすため
あえてコマーシャルを飛ばさず、島での生活を始めようと
「あつまれせいぶつの森」と大きく出ているタイトル画面で僕はAボタンを押した。
そんなことをしている最中も僕の後ろではビニールを破る音
お湯を沸かすためIHキッチンのボタンを押す音、まな板で野菜を切る音などが響いている。
そんな背後の音に気を取られていると手元で独特の喋り声が聞こえてくる。
あつまれせいぶつの森のマドンナ的存在のキャラクターの声だ。
そのキャラクターは1日の始まりにアナウンスをしてくれるのである。
今日の夜は流星群が見れるらしいということを教えてくれた。
そう教えてくれたそのキャラクターは少し首を傾げたあと最後にニコリと微笑んだ。
画面が暗くなりロード画面に入る。
しばらくすると自分の分身であるキャラクターが家の扉を開けて外に出てくる。
ふと思う。
スプラタウンでもあつまれせいぶつの森でも他のゲームでもそうなのだが
自分の分身のキャラクターのはずだがどう考えても似ても似つかないくらい可愛いのだ。
まぁ可愛い世界に可愛くないのが入ったら世界観が粉々に壊れてしまうのだろう。
それに可愛いキャラクターのほうが人気が出るだろうと
自分から出た疑問に自分が答えて自分で納得するという1人2役をしていると
テレビのコマーシャルが終わりタイトルコールが聞こえてきた。
サティスフィーをいじっていた手を止めテレビを見始める。
しばらくすると鼻に味噌ラーメンの香りが訪れた。
香りに気がつくと途端に空腹を感じる。
僕は料理の経過が気になり手に持っているサティスフィーを
ソファーの自分の座っている自分のお尻の右側に置き、立ち上がりキッチンへ向かう。
食器棚から自分のコップを取り出す道中で料理の進み具合をチラッっと確認する。
もうそろそろだ。そう思った瞬間。
「もうできるからね」
母がそう言った。エスパーか?そう思ってしまっても仕方ないくらいのタイミングだった。
「ん」と返事のように鼻を鳴らし、自分のコップを手に取り
冷蔵庫を開けてなにを飲むか眺める。右から牛乳、四ツ葉サイダー、ソラオーラ
心の紅茶、通称ココティーのストレートティーが置いてある。
ほんの一瞬考え、四ツ葉サイダーを手に取る。
手に取った四ツ葉サイダーをキッチンの縁に置き
冷蔵庫の下からニ番目の左側の氷が自動生成される所を開き
ガラス製のグラスに氷を3つ入れる。
カンカラコロン。涼しい良い音が鳴る。
キッチンの縁に置いた四ツ葉サイダーの隣にグラスを置き
四ツ葉サイダーをキッチンの縁から持ち上げることなくフタをひねる。
炭酸が漏れる音がする。フタを右手に持ったまま四ツ葉サイダーを持ち上げ
グラスに四ツ葉サイダーを注ぐ。
炭酸の弾ける音と四ツ葉サイダーの注がれる勢いで氷同士がぶつかる音
氷とグラスがぶつかる音がする。
炭酸飲料の夏のコマーシャルのようにその場の空間が美しかった。
僕は四ツ葉サイダーを冷蔵庫の元の位置に戻し
四ツ葉サイダーと氷の入ったグラスをソファーに持っていく。
ほんの少しの移動距離だがその間にも
氷同士がぶつかる音、氷とグラスがぶつかる音が聞こえる。
ソファーに腰をかけそのまま四ツ葉サイダーを一口飲む。
昨日開けたばかりでまだ残りがラベルの上まであった
四ツ葉サイダーであったため炭酸が活き活きとしている。炭酸が元気だ。
元気な炭酸が口の中で弾け踊り、喉を刺激しながら通過していった。
そしてソファーの前のローテーブルにグラスを置く。カタン。
木製のローテーブルとガラス製のグラス同士でしか再現できないであろう
なんとも表現し難い音が鳴る。
テレビでは各々の好きな映画の話をしていた。
好きな映画の話といってもその映画の内容についての話ではなく
本当に好きな映画は違うのに
カッコつけて違う映画のタイトルを言ってしまう。そんな話をしていた。
別に芸能人の方を神聖視しているわけではないのだが
芸能人の方でも見栄を張ったりカッコつけたりするんだなと少し身近に感じ
同じ人間なんだなとその話に僕も共感していた。
自分のお尻の右側に置いたサティスフィーを右手で取り
ログインポイントを貰いに役所に行ったり今日はなに売ってるかなと商店を覗いたりと
のんびりとそんなことをしていた。
そんなのんびりとゆったりとした時間を島で過ごしていると
「お待たせぇ~」
と母の声が背後からした。
歩道と車道が一体化したような道を歩いているとやがて家が見えてくる。
念のため持っていた鍵はあるが試しにドアノブに手をかけ少し力を入れ下げてみる。
ドアノブは手の動きと共に下がった。
ミステリーやサスペンスなら鍵が開いてる?そう思い恐る恐る入ると…。そんな展開だろうが
ただただ母の声が聞こえてくる。
「あ、おかえりぃ~」
少し遠くから少し大きめの声が聞こえる。
恐らくリビングのソファーでテレビを見ているのであろう。
玄関に入り靴を脱いでいると後ろでドアの閉まる音が聞こえる。
脱いだ靴を手に取りシューズクローゼットにしまった。
玄関からリビングに行くまでの廊下を左に曲がると洗面所がある。
洗面所に入り手を洗いうがいをする。洗面所の大きな鏡の左側の棚を開き
家族毎に分けられているタオルがあり自分用のタオルを手に取る。
口周りを拭き手を拭う。そのまま洗濯用の篭にそのタオルを放る。
そしてリビングの扉を開けると案の定ソファーに座っていた母が振り返り
「お昼なににする?」
と言ってきた。
「鍵必要なかったじゃん」
質問に答えるより先にそう言った。
「たしかによく考えたらこの時間あんま出掛けないわ。
まぁでも出掛けてるかもしれないからね?念のためよ念のため」
と自己完結した母が
「それよりお昼なににする?って」
と立て続けに再び聞いてくる。
「んん~なにがある?」
「ラーメンとかオムライス、炒飯。あ、パスタもできるよ」
「じゃあラーメンでお願いします」
「味は?」
「味噌で」
「了解しました」
母はそう言うとソファーから立ち上がりキッチンへ向かう。
僕は母と入れ替わるようにソファーへ向かい、腰を下ろす。
ソファーとテレビの間にあるローテーブルの上に置いてあるリモコンを手に取り
テレビをつける。報道番組が映る。画面の左上に表示された時刻はもうそろそろ12時。
番組表を開いても報道番組が連なっている。
中には報道番組とバラエティーが掛け合わさったような番組もやっている。
番組表を開いているとき音声で悲しいニュースが聞こえてきた。
もちろんニュースを見て世の中を知るのも重要なのはわかってはいるが
昼ご飯までの間や昼ご飯を食べているときは
その場の雰囲気や空間その後の話題のためにも明るくあってほしいため
録画された番組でも見ようかと思い、録画された番組の一覧を開く。
するとニュースの音声もピタリと止んだ。
ドラマやバラエティー、映画など様々なタイトルがズラリと並んでいる。
うちの家族も世の中でも好きな人が多い芸人さん
百舌鳥さんの出ている番組がちらほらある。
テレビ百舌鳥や百舌鳥はないたち、お酒のアテになる話などがある。
テレビ百舌鳥は下ネタ多いからなぁ~。
母親の前で見るのは…。お酒のアテになる話でいいか。などと思い再生ボタンを押す。
この回では豪華な俳優さんや声優さん
バラエティーで活躍する女性タレントさんなどが出演していた。
これは若者特有のものなのだろうか。
20歳の僕がまだ若者に入っているかはわからないが
ただテレビを見ているだけだとなぜか手が寂しく感じるのだ。
なにかを触っていたいと思った僕は
ソファーの左端に置いた鞄からサティスフィーを取り出し電源をつける。
電車の中でプレイしていたスプラタウンの画面が映し出される。
もちろんスプラタウンは面白いゲームだが
「なにかをしながら」には向いていないゲームなためセーブをし、ホーム画面へ。
ホーム画面にはこれまでプレイしたことのあるゲームタイトルがズラリと並んでいる。
様々なタイトルが並ぶ中、僕はあつまれせいぶつの森をすることにした。
このあつまれせいぶつの森は無「人」島の島を自分の力で開拓し
島を飾ったり、「せいぶつの」住民と交流をしたり
季節ごとのイベントを楽しんだりしながら、無「人」島の住民として
日常とは違う生活を満喫するのんびりとマイペースにできる癒しゲーなので
テレビを見ながらに適している。そう思いアプリを起動し自分の島へ降り立った。
そんなことをしているうちに再生された番組がコマーシャルへ入った。
録画なのでボタン1つでコマーシャルを飛ばすことができるのだが
あつまれせいぶつの森の自分の島の島民たちに挨拶したりと日課をこなすため
あえてコマーシャルを飛ばさず、島での生活を始めようと
「あつまれせいぶつの森」と大きく出ているタイトル画面で僕はAボタンを押した。
そんなことをしている最中も僕の後ろではビニールを破る音
お湯を沸かすためIHキッチンのボタンを押す音、まな板で野菜を切る音などが響いている。
そんな背後の音に気を取られていると手元で独特の喋り声が聞こえてくる。
あつまれせいぶつの森のマドンナ的存在のキャラクターの声だ。
そのキャラクターは1日の始まりにアナウンスをしてくれるのである。
今日の夜は流星群が見れるらしいということを教えてくれた。
そう教えてくれたそのキャラクターは少し首を傾げたあと最後にニコリと微笑んだ。
画面が暗くなりロード画面に入る。
しばらくすると自分の分身であるキャラクターが家の扉を開けて外に出てくる。
ふと思う。
スプラタウンでもあつまれせいぶつの森でも他のゲームでもそうなのだが
自分の分身のキャラクターのはずだがどう考えても似ても似つかないくらい可愛いのだ。
まぁ可愛い世界に可愛くないのが入ったら世界観が粉々に壊れてしまうのだろう。
それに可愛いキャラクターのほうが人気が出るだろうと
自分から出た疑問に自分が答えて自分で納得するという1人2役をしていると
テレビのコマーシャルが終わりタイトルコールが聞こえてきた。
サティスフィーをいじっていた手を止めテレビを見始める。
しばらくすると鼻に味噌ラーメンの香りが訪れた。
香りに気がつくと途端に空腹を感じる。
僕は料理の経過が気になり手に持っているサティスフィーを
ソファーの自分の座っている自分のお尻の右側に置き、立ち上がりキッチンへ向かう。
食器棚から自分のコップを取り出す道中で料理の進み具合をチラッっと確認する。
もうそろそろだ。そう思った瞬間。
「もうできるからね」
母がそう言った。エスパーか?そう思ってしまっても仕方ないくらいのタイミングだった。
「ん」と返事のように鼻を鳴らし、自分のコップを手に取り
冷蔵庫を開けてなにを飲むか眺める。右から牛乳、四ツ葉サイダー、ソラオーラ
心の紅茶、通称ココティーのストレートティーが置いてある。
ほんの一瞬考え、四ツ葉サイダーを手に取る。
手に取った四ツ葉サイダーをキッチンの縁に置き
冷蔵庫の下からニ番目の左側の氷が自動生成される所を開き
ガラス製のグラスに氷を3つ入れる。
カンカラコロン。涼しい良い音が鳴る。
キッチンの縁に置いた四ツ葉サイダーの隣にグラスを置き
四ツ葉サイダーをキッチンの縁から持ち上げることなくフタをひねる。
炭酸が漏れる音がする。フタを右手に持ったまま四ツ葉サイダーを持ち上げ
グラスに四ツ葉サイダーを注ぐ。
炭酸の弾ける音と四ツ葉サイダーの注がれる勢いで氷同士がぶつかる音
氷とグラスがぶつかる音がする。
炭酸飲料の夏のコマーシャルのようにその場の空間が美しかった。
僕は四ツ葉サイダーを冷蔵庫の元の位置に戻し
四ツ葉サイダーと氷の入ったグラスをソファーに持っていく。
ほんの少しの移動距離だがその間にも
氷同士がぶつかる音、氷とグラスがぶつかる音が聞こえる。
ソファーに腰をかけそのまま四ツ葉サイダーを一口飲む。
昨日開けたばかりでまだ残りがラベルの上まであった
四ツ葉サイダーであったため炭酸が活き活きとしている。炭酸が元気だ。
元気な炭酸が口の中で弾け踊り、喉を刺激しながら通過していった。
そしてソファーの前のローテーブルにグラスを置く。カタン。
木製のローテーブルとガラス製のグラス同士でしか再現できないであろう
なんとも表現し難い音が鳴る。
テレビでは各々の好きな映画の話をしていた。
好きな映画の話といってもその映画の内容についての話ではなく
本当に好きな映画は違うのに
カッコつけて違う映画のタイトルを言ってしまう。そんな話をしていた。
別に芸能人の方を神聖視しているわけではないのだが
芸能人の方でも見栄を張ったりカッコつけたりするんだなと少し身近に感じ
同じ人間なんだなとその話に僕も共感していた。
自分のお尻の右側に置いたサティスフィーを右手で取り
ログインポイントを貰いに役所に行ったり今日はなに売ってるかなと商店を覗いたりと
のんびりとそんなことをしていた。
そんなのんびりとゆったりとした時間を島で過ごしていると
「お待たせぇ~」
と母の声が背後からした。
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