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出会い
第4話
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講義を締めにかかる講師の話をボーっと聞く。
聞くといってもボーっとなため話の大半は右から左だ。
じきに周囲の生徒たちが自分たちの荷物をまとめ始める。
「今日の講義はここまでです。次回はビデオを見ながら講義をするので
いつもと違う教室になりますのでしっかりとスマホで確認しておくように。
では以上です。お疲れ様でした」
そう講師が言った途端、教室にいた生徒の大半が即座に立ち上がり教室を出ようとする。
そんなに早くこの場を去りたいのだろうか?
もし「講義が終わった瞬間教室から出る」という競技があれば白熱することだろう。
中にはしっかりと講師に言われたことをノートに書いている人たちや
教室に残って友達と話す人たちもいる。僕は隣でスヤスヤ眠っている友人を起こす。
「お客さん、終点ですよ。お客さん」
そう言いながら鹿島の肩を揺する。
「えっ、あっ、すいません。今降ります」
そう寝ぼけた声色で言いながら立ち上がりかけてこちらを見る。
一瞬固まり、僕の顔を認識して
「なんだよ、その顔」
してやられたという顔をし鹿島がそう僕に言ってきた。
「いやぁ~お客さん今日は飲み過ぎちゃいましたか?」
僕はにやにやしながら小芝居を続けた。
「はいはい。終わり終わり。ふあぁ~ふぁ。いやぁ~寝たわ」
鹿島は大きな口を開けてあくびをした。
「怜ちゃんは講義ちゃんと聞いて…るわけないか。なにしてたの?寝てた?」
「決めつけるな。まぁ聞いてないけどな」
「ほらぁ~」
「スプラタウン2やってた」
「お、マジ?今レベルいくつだっけ?」
「この講義で78になった」
「マジ!?1から78!?」
「な訳あるか。77から78な」
と笑いながら言う。
「あのぉ~ちなみに鹿島さんは?」
「わたくし?わたくしは99よ」
「さすがです」
そんなスプラタウンの話で盛り上がっていると
「あれ?なんだっけ?なんか思い出して怜ちゃんに言おうとしてたんだよなぁ~」
「なに?新作のゲーム買って一緒にやろうとか?」
「いや違う。いやそれもあるけど、そうじゃない」
「やっぱりお客さん飲み過ぎたんじゃ…」
その先を遮るように
「それ!お客さん!」
「は?お客さん?」
「いやそこじゃないんだけどさ。あれよあれ。
なんか今日の夜サークルの新入生歓迎会するんだって」
「あぁ、「飲み過ぎ」で思い出したのか」
「そうそう。怜ちゃんも来るっしょ?」
そうあたかも行くのが至極当たり前のように問いかけてきた。
「それ「来るっしょ?」じゃなくて「来てよ」に聞こえるぞ」
「ま、そうとも言う」
と整った顔をくしゃくしゃにして笑う。
カッコいい顔をくしゃくしゃにしたらなぜだか不細工にはならず可愛い顔になる。
こんな笑顔を向けられたら断れない。天然の魔性の男だ。僕はそう思った。
「何時集合とかいくら必要かとか聞いてる?」
イエスともノーとも言わず行く気を示す。
「まだ聞いてない。オレも先輩からあるからよろしくねとだけしか聞いてないからな」
「んま、どうせ午後も講義あるだろ?そんとき教えて」
そう僕が言うと
「まぁ、オレが午後の講義にいればね?」
そう苦笑いを浮かべ言う。
「はぁ!?」
「いや、ね?オレも今日怜ちゃんと同じでさ?
この講義のあと3コマ空いて午後1コマ講義なのよ?
オレ一回家帰って寝るから起きれるかなぁ~って」
そう言い、また苦笑いを浮かべた。
「スマホ貸せ」
そういう僕に鹿島は素直にスマホを渡した。
スマホを手に取った僕は鹿島にロックの解除を促し
鹿島はスマホに顔をかざす。顔認証でロックは開き、ホーム画面へ。
そして自分のスマホになにされるのだろうと覗き込む鹿島を横目に
恐らくこのスマホの初期アプリであろう時計アプリを起動しアラームの設定画面へ行く。
「うえぇ~マジっスか」
うげぇ~とした顔をした鹿島を見るもやることは変わらない。
5コマ目の講義が4時40分からなので逆算してアラームを5分おきに20回設定した。
「これでさすがに起きるだろ」
そう言い鹿島にスマホを返す。
「鬼ぃ~鬼めぇ~」
と目を細めムッっとした顔をする。
「じゃ、オレ帰るけど?」
「はいはい。帰りますか」
そう言い僕と鹿島は自分たちの鞄を手に取り教室をあとにした。
鹿島お得意のゲームの話をしながら大学の敷地内を出た。
鹿島も電車で大学に通っているため駅までは一緒の道である。
しかし鹿島とは反対方面の電車に乗るため駅のホームでお別れだ。
「オレのほうのが早く来るわ」
鹿島はホームの天井にぶら下がっている電光掲示板を見てそう言った。
やがてアナウンスが鳴り鹿島が乗る電車がホームに入ってきた。
「んじゃ、たぶんまたあとで」
「たぶんじゃねぇ。またあとでな」
そんな会話をし鹿島は電車に乗り込む。
鹿島は乗り込んで右へ折れ開いた扉とは反対のシートの真ん中より少し左に座った。
鹿島が慣れた手つきで鞄からサティスフィーを取り出す。
口を開けばほとんどゲームの話だし暇があればなんなら暇がなくてもゲームをする。
鹿島はほんとゲームバカだな。そんなことを思っているとアナウンスが聞こえる。
僕が乗る電車が来る。鹿島が乗っている電車に背を向け電車が来るほうを見る。
数秒もしないうちにそこそこの風を引き連れ電車がホームに入ってきた。
風で目元に来た髪を少し整える。扉が開くタイミングでアナウンスが流れた。
鹿島の乗る電車の扉が閉まるアナウンスだ。
僕はそのまま扉が開くのを待つ。そして扉が開き電車を降りる数人を待ち電車へ乗り込んだ。
扉から入り僕も鹿島と同様、右側へ行った。開いた扉側の真ん中より右のシートに座る。
僕が座るまでには鹿島の乗る電車は動き始めていた。
僕も鹿島と同様、鞄からサティスフィーを取り出し、イヤホンを挿し
耳に直接音が聞こえるようにした。
電源を入れると講義中にした最後の試合。負けた試合の画面が映し出された。
聞くといってもボーっとなため話の大半は右から左だ。
じきに周囲の生徒たちが自分たちの荷物をまとめ始める。
「今日の講義はここまでです。次回はビデオを見ながら講義をするので
いつもと違う教室になりますのでしっかりとスマホで確認しておくように。
では以上です。お疲れ様でした」
そう講師が言った途端、教室にいた生徒の大半が即座に立ち上がり教室を出ようとする。
そんなに早くこの場を去りたいのだろうか?
もし「講義が終わった瞬間教室から出る」という競技があれば白熱することだろう。
中にはしっかりと講師に言われたことをノートに書いている人たちや
教室に残って友達と話す人たちもいる。僕は隣でスヤスヤ眠っている友人を起こす。
「お客さん、終点ですよ。お客さん」
そう言いながら鹿島の肩を揺する。
「えっ、あっ、すいません。今降ります」
そう寝ぼけた声色で言いながら立ち上がりかけてこちらを見る。
一瞬固まり、僕の顔を認識して
「なんだよ、その顔」
してやられたという顔をし鹿島がそう僕に言ってきた。
「いやぁ~お客さん今日は飲み過ぎちゃいましたか?」
僕はにやにやしながら小芝居を続けた。
「はいはい。終わり終わり。ふあぁ~ふぁ。いやぁ~寝たわ」
鹿島は大きな口を開けてあくびをした。
「怜ちゃんは講義ちゃんと聞いて…るわけないか。なにしてたの?寝てた?」
「決めつけるな。まぁ聞いてないけどな」
「ほらぁ~」
「スプラタウン2やってた」
「お、マジ?今レベルいくつだっけ?」
「この講義で78になった」
「マジ!?1から78!?」
「な訳あるか。77から78な」
と笑いながら言う。
「あのぉ~ちなみに鹿島さんは?」
「わたくし?わたくしは99よ」
「さすがです」
そんなスプラタウンの話で盛り上がっていると
「あれ?なんだっけ?なんか思い出して怜ちゃんに言おうとしてたんだよなぁ~」
「なに?新作のゲーム買って一緒にやろうとか?」
「いや違う。いやそれもあるけど、そうじゃない」
「やっぱりお客さん飲み過ぎたんじゃ…」
その先を遮るように
「それ!お客さん!」
「は?お客さん?」
「いやそこじゃないんだけどさ。あれよあれ。
なんか今日の夜サークルの新入生歓迎会するんだって」
「あぁ、「飲み過ぎ」で思い出したのか」
「そうそう。怜ちゃんも来るっしょ?」
そうあたかも行くのが至極当たり前のように問いかけてきた。
「それ「来るっしょ?」じゃなくて「来てよ」に聞こえるぞ」
「ま、そうとも言う」
と整った顔をくしゃくしゃにして笑う。
カッコいい顔をくしゃくしゃにしたらなぜだか不細工にはならず可愛い顔になる。
こんな笑顔を向けられたら断れない。天然の魔性の男だ。僕はそう思った。
「何時集合とかいくら必要かとか聞いてる?」
イエスともノーとも言わず行く気を示す。
「まだ聞いてない。オレも先輩からあるからよろしくねとだけしか聞いてないからな」
「んま、どうせ午後も講義あるだろ?そんとき教えて」
そう僕が言うと
「まぁ、オレが午後の講義にいればね?」
そう苦笑いを浮かべ言う。
「はぁ!?」
「いや、ね?オレも今日怜ちゃんと同じでさ?
この講義のあと3コマ空いて午後1コマ講義なのよ?
オレ一回家帰って寝るから起きれるかなぁ~って」
そう言い、また苦笑いを浮かべた。
「スマホ貸せ」
そういう僕に鹿島は素直にスマホを渡した。
スマホを手に取った僕は鹿島にロックの解除を促し
鹿島はスマホに顔をかざす。顔認証でロックは開き、ホーム画面へ。
そして自分のスマホになにされるのだろうと覗き込む鹿島を横目に
恐らくこのスマホの初期アプリであろう時計アプリを起動しアラームの設定画面へ行く。
「うえぇ~マジっスか」
うげぇ~とした顔をした鹿島を見るもやることは変わらない。
5コマ目の講義が4時40分からなので逆算してアラームを5分おきに20回設定した。
「これでさすがに起きるだろ」
そう言い鹿島にスマホを返す。
「鬼ぃ~鬼めぇ~」
と目を細めムッっとした顔をする。
「じゃ、オレ帰るけど?」
「はいはい。帰りますか」
そう言い僕と鹿島は自分たちの鞄を手に取り教室をあとにした。
鹿島お得意のゲームの話をしながら大学の敷地内を出た。
鹿島も電車で大学に通っているため駅までは一緒の道である。
しかし鹿島とは反対方面の電車に乗るため駅のホームでお別れだ。
「オレのほうのが早く来るわ」
鹿島はホームの天井にぶら下がっている電光掲示板を見てそう言った。
やがてアナウンスが鳴り鹿島が乗る電車がホームに入ってきた。
「んじゃ、たぶんまたあとで」
「たぶんじゃねぇ。またあとでな」
そんな会話をし鹿島は電車に乗り込む。
鹿島は乗り込んで右へ折れ開いた扉とは反対のシートの真ん中より少し左に座った。
鹿島が慣れた手つきで鞄からサティスフィーを取り出す。
口を開けばほとんどゲームの話だし暇があればなんなら暇がなくてもゲームをする。
鹿島はほんとゲームバカだな。そんなことを思っているとアナウンスが聞こえる。
僕が乗る電車が来る。鹿島が乗っている電車に背を向け電車が来るほうを見る。
数秒もしないうちにそこそこの風を引き連れ電車がホームに入ってきた。
風で目元に来た髪を少し整える。扉が開くタイミングでアナウンスが流れた。
鹿島の乗る電車の扉が閉まるアナウンスだ。
僕はそのまま扉が開くのを待つ。そして扉が開き電車を降りる数人を待ち電車へ乗り込んだ。
扉から入り僕も鹿島と同様、右側へ行った。開いた扉側の真ん中より右のシートに座る。
僕が座るまでには鹿島の乗る電車は動き始めていた。
僕も鹿島と同様、鞄からサティスフィーを取り出し、イヤホンを挿し
耳に直接音が聞こえるようにした。
電源を入れると講義中にした最後の試合。負けた試合の画面が映し出された。
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