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夢 仕事
おまけ
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「お疲れー」
「疲れてないけどお疲れー」
後日また青空(そら)の元に訪れた虹(なな)。
虹(なな)がまたお昼ご飯を2人分買って2人でお昼を食べた。
「そうそう。青空(そら)に報告があったんだ」
「なに?なんか怖いんだけど」
「大丈夫大丈夫。怖くない怖くない」
「子どもに注射するときのお医者さんやめて」
「オレあの後、営業1件行って会社帰った後、上司に高らかに宣言したんよ」
「ほ、ほお?なにを?」
と不安気な顔で聞く青空(そら)。内心
こいつアホだから…変なこと言ってないだろうな…
と思っていた。
「オレね」
虹(なな)は会社に戻り、自身のデスクのイスにバッグを置く。
「お、虹(なな)くん。おかえり」
優しい声をかけてきたのが中年の男性。虹(なな)の上司である。
「あ、ただいま戻りました!」
「うん」
「あ、そうだ」
と言ってつかつかと上司のデスクに向かう。
「ん?どうかした?アポ取れた?」
「あ、いえ。取れませんでした」
「あら。それは残念。で。どうかした?」
「はい。オレギター再開しようと思ってます!
…ブランクありますけど…また上手くなってみせます!」
上司からしたら謎告白である。しかし
「へぇ~虹(なな)くん、ギターやってたんだ?カッコいいね」
とめちゃくちゃ優しい上司であった。
「っていう報告を上司にした」
青空(そら)はホッっと胸を撫で下ろす。
「ん?どうかした?」
明らかに安心している青空(そら)に疑問を抱く虹(なな)。
「いや?優しい上司の方なんだなって」
「うん!めちゃんこ優しい」
そして青空(そら)は気になっていたことをぶつけた。
「あのさ。こないだから気になってたこと聞いていい?」
「スリーサイズはやーよ?」
「あのさ」
「無視!?」
無視して続ける。
「あのさ、ピアス、高校んときに開けたじゃん?で、今もしてんじゃん。職場で大丈夫なん?」
虹(なな)も青空(そら)と同じくピアスが多い。
それは高校生のときに仲が良かったみんなで開けてから
どんどん増えていった。そしてそれは制服姿の当時もスーツ姿に今も変わらない。
「いや、大丈夫なわかないじゃん。仕事のときは外してるよ」
「あ、そうなんだ」
「そりゃそうだろ」
虹(なな)が笑う。
「オレ一応これでも営業マンよ?こんなバッチバチのピアスで行って「これうちの新商品です。
あ、価格抑えられるものもありますので
一応カタログだけでも」なんて言ったら怖いだろ。恐喝だよもう」
「いや、そこまでは言ってないけどさ」
青空(そら)も笑う。
「だからピアスしてんのは
こーゆー職場の人がいないお昼のときとか帰り道とかだけ。あとは外してる」
「なるほどね。スッキリしたわ」
親友がしっかりした社会人をやっていた。
「あ、そうだ。ピアスの話で忘れてたけど
青空(そら)にもう1つ報告しようとしてたことがあったんだ」
「なに?ピアスめっちゃしてますってカミングアウトでもした?」
「違う違う」
青空(そら)がなんだ?と思っていると
「上司にさ」
ギター再開しますと宣言した直後
「あ、そうだ」
「どうしたの?」
「オレ高校んとき親友とバンド組んでて
大学でも2人でメジャーデビューしたいねって話してたんですよ」
「おぉ。いい夢だね」
「ありがとうございます。んでその親友、今も夢追ってるんで
オレもその後押しが少しでもできればって。
ま、もちろんオレがまた夢追いたくなっただけなんですけどね」
上司は優しくうんうん頷きながら聞いている。
「だからその親友2人とメジャーデビューして会社辞めます!」
希望に満ちた目で力強く拳を握った虹(なな)。
「って宣言してきた」
「おま…え…マジか」
さすがにビックリする虹(なな)。しっかりした社会人になったいたと思ったが
あぁ、心ん中はまだバカな高校生のままだ…
と自分のことは棚に置いて思う青空(そら)。
ただどこか当時と変わらない虹(なな)がいることも少し嬉しかったりもした。
「うん。そしたらね」
上司は優しい笑顔浮かべ
「そっか。虹(なな)くん、もちろん僕も好きだし
虹(なな)くんの先輩も後輩もみんな虹(なな)くんのこと好きなくらい良い子だし
真面目だし、辞めるってなったら寂しいけど
でも夢があるってのは素敵なことだから、是非その夢叶えて会社辞めてね。
ライブやるってなったときは教えてね?必ず行くから。
そのときはライブでお世話になった人で僕の名前挙げてよ?楽しみに待ってるからね」
その上司の笑顔が輝いているように見えた。
「って言われた」
まさかの仏のような上司に
不覚にもうるっっとした青空(そら)は虹(なな)の肩に手を置き
「虹(なな)…お前もうその会社に骨埋めろ…」
と言った。すると虹(なな)はビックリして
「え!?なんでよ!?」
と言ったので
「あ、いや、なんでもない。ええ上司の方やな…」
となぜか関西弁になった。
「ん?うん。めっちゃ良い人!上司も先輩も後輩もみんな大好きよ!」
親友の職場環境が思った以上に恵まれていた。
「疲れてないけどお疲れー」
後日また青空(そら)の元に訪れた虹(なな)。
虹(なな)がまたお昼ご飯を2人分買って2人でお昼を食べた。
「そうそう。青空(そら)に報告があったんだ」
「なに?なんか怖いんだけど」
「大丈夫大丈夫。怖くない怖くない」
「子どもに注射するときのお医者さんやめて」
「オレあの後、営業1件行って会社帰った後、上司に高らかに宣言したんよ」
「ほ、ほお?なにを?」
と不安気な顔で聞く青空(そら)。内心
こいつアホだから…変なこと言ってないだろうな…
と思っていた。
「オレね」
虹(なな)は会社に戻り、自身のデスクのイスにバッグを置く。
「お、虹(なな)くん。おかえり」
優しい声をかけてきたのが中年の男性。虹(なな)の上司である。
「あ、ただいま戻りました!」
「うん」
「あ、そうだ」
と言ってつかつかと上司のデスクに向かう。
「ん?どうかした?アポ取れた?」
「あ、いえ。取れませんでした」
「あら。それは残念。で。どうかした?」
「はい。オレギター再開しようと思ってます!
…ブランクありますけど…また上手くなってみせます!」
上司からしたら謎告白である。しかし
「へぇ~虹(なな)くん、ギターやってたんだ?カッコいいね」
とめちゃくちゃ優しい上司であった。
「っていう報告を上司にした」
青空(そら)はホッっと胸を撫で下ろす。
「ん?どうかした?」
明らかに安心している青空(そら)に疑問を抱く虹(なな)。
「いや?優しい上司の方なんだなって」
「うん!めちゃんこ優しい」
そして青空(そら)は気になっていたことをぶつけた。
「あのさ。こないだから気になってたこと聞いていい?」
「スリーサイズはやーよ?」
「あのさ」
「無視!?」
無視して続ける。
「あのさ、ピアス、高校んときに開けたじゃん?で、今もしてんじゃん。職場で大丈夫なん?」
虹(なな)も青空(そら)と同じくピアスが多い。
それは高校生のときに仲が良かったみんなで開けてから
どんどん増えていった。そしてそれは制服姿の当時もスーツ姿に今も変わらない。
「いや、大丈夫なわかないじゃん。仕事のときは外してるよ」
「あ、そうなんだ」
「そりゃそうだろ」
虹(なな)が笑う。
「オレ一応これでも営業マンよ?こんなバッチバチのピアスで行って「これうちの新商品です。
あ、価格抑えられるものもありますので
一応カタログだけでも」なんて言ったら怖いだろ。恐喝だよもう」
「いや、そこまでは言ってないけどさ」
青空(そら)も笑う。
「だからピアスしてんのは
こーゆー職場の人がいないお昼のときとか帰り道とかだけ。あとは外してる」
「なるほどね。スッキリしたわ」
親友がしっかりした社会人をやっていた。
「あ、そうだ。ピアスの話で忘れてたけど
青空(そら)にもう1つ報告しようとしてたことがあったんだ」
「なに?ピアスめっちゃしてますってカミングアウトでもした?」
「違う違う」
青空(そら)がなんだ?と思っていると
「上司にさ」
ギター再開しますと宣言した直後
「あ、そうだ」
「どうしたの?」
「オレ高校んとき親友とバンド組んでて
大学でも2人でメジャーデビューしたいねって話してたんですよ」
「おぉ。いい夢だね」
「ありがとうございます。んでその親友、今も夢追ってるんで
オレもその後押しが少しでもできればって。
ま、もちろんオレがまた夢追いたくなっただけなんですけどね」
上司は優しくうんうん頷きながら聞いている。
「だからその親友2人とメジャーデビューして会社辞めます!」
希望に満ちた目で力強く拳を握った虹(なな)。
「って宣言してきた」
「おま…え…マジか」
さすがにビックリする虹(なな)。しっかりした社会人になったいたと思ったが
あぁ、心ん中はまだバカな高校生のままだ…
と自分のことは棚に置いて思う青空(そら)。
ただどこか当時と変わらない虹(なな)がいることも少し嬉しかったりもした。
「うん。そしたらね」
上司は優しい笑顔浮かべ
「そっか。虹(なな)くん、もちろん僕も好きだし
虹(なな)くんの先輩も後輩もみんな虹(なな)くんのこと好きなくらい良い子だし
真面目だし、辞めるってなったら寂しいけど
でも夢があるってのは素敵なことだから、是非その夢叶えて会社辞めてね。
ライブやるってなったときは教えてね?必ず行くから。
そのときはライブでお世話になった人で僕の名前挙げてよ?楽しみに待ってるからね」
その上司の笑顔が輝いているように見えた。
「って言われた」
まさかの仏のような上司に
不覚にもうるっっとした青空(そら)は虹(なな)の肩に手を置き
「虹(なな)…お前もうその会社に骨埋めろ…」
と言った。すると虹(なな)はビックリして
「え!?なんでよ!?」
と言ったので
「あ、いや、なんでもない。ええ上司の方やな…」
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