魔斬
深淵なる江戸の闇には、怨霊や妖魔の類が巣食い、昼と対なす穢土があった。
その魔を斬り払う闇の稼業、魔斬。
坊主や神主の手に負えぬ退魔を金銭で請け負う江戸の元締は関東長吏頭・浅草弾左衛門。忌むべき身分を統べる弾左衛門が最後に頼るのが、武家で唯一の魔斬人・山田浅右衛門である。昼は罪人の首を斬り、夜は怨霊を斬る因果の男。
幕末。
深い闇の奥に、今日もあやかしを斬る男がいる。
2023年オール讀物中間発表止まりの作品。その先の連作を含めて、いよいよ御開帳。
その魔を斬り払う闇の稼業、魔斬。
坊主や神主の手に負えぬ退魔を金銭で請け負う江戸の元締は関東長吏頭・浅草弾左衛門。忌むべき身分を統べる弾左衛門が最後に頼るのが、武家で唯一の魔斬人・山田浅右衛門である。昼は罪人の首を斬り、夜は怨霊を斬る因果の男。
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笹目先生
ほんとうに短い再会ではございますが、オムニバスが数珠のように、前作、前前作にリンクするのが、このシリーズの面倒くさい処です。「三味奇譚」の時代、指折り数えれば、あと5年もしないで徳川の世が終わるんですよね。こののちの新しい世の中に、魔斬は残されるのでしょうか……皆様のご想像でお楽しみ下さい。
いつもありがとうございます。
恐れ入ります。
原型は、廃嫡の話など別にありますが、二期で鑑賞に堪えられる一篇のみを公開しました。一期にも未公開があります。この作品が些かでも人様に触れることのできたことが何よりですし、原典となった「安政奇譚」からの派生として皆様からのコメントを賜れましたことを嬉しく思います。
いつもありがとうございます。
すかいふらわぁ様
この当時、江戸グルメにはまっていた時期の賜物です。仕置など、我慢してたら辛い仕事ですから、これくらいの娯楽は記録の外になったと思います。史実では首切りの夜は宴席で騒がないと恐くて寝られなかったという記述も残る山田浅右衛門。
新年最初の感想です。
いつもありがとうございます。
深川奇譚、大晦日の完結編堪能いたしました!
孕女奇譚も舶来奇譚も、この深川奇譚も面白いですねぇ。やみつきでございます。
富坂小五郎の最期の台詞が格好いいこと(怨念籠もってますが)。
年末に刑場巡りをする浅右衛門の姿も、凄惨なのに趣きがあり。
おまけに毎回江戸の美食の描写がパワーアップしているような。美味しそうなものばかり…
浅右衛門と弾左衛門、バディのような味わいのある関係も素敵です。
新年も続けてくださるとのこと、嬉しい限りです!
次回も楽しみにお待ちしております♪♪
笹目いく子様
恐れ入ります。
総てを蔵から引っ張り出している訳ではないので、飛び飛びで時系列も微妙に変わっておりますが、現在の掲載分は1期として構想していたものです。新年早々、1期後半作になりますが、あるキャラクターは退場して頂くことになります。2期目の構想も途中頓挫で数作のみの尻切れという状況ですが、正直、勿体ない作品です。いつかどなたかが漫画の素材に生かしてくれるなら、有難い処でございます。
だれが、欠けてしまうのか……好きなキャラクターでしたら、今のうちに謝っておきます('◇')ゞ。
いつもありがとうございます。
よいお年をお迎えください。
笹目いく子様
さりげなく時代の人物を出すのは、構想当時の20年前ほどに影響を受けた睦月影郎先生(官能です!)の時代官能というジャンルの手法。従来官能と異なる、当時は新しい切り口でした。窓口を開いてくれたイラストレーターとやまみーや氏には感謝しております。
あらためてお蔵から作品を引っ張り出すと、当時の想いが塩漬けになっていることが分かり、技よりも情熱だけで突っ走っているのが作品の勢いになっているのだろうと感じております。
冷静な洞察。
こののち幾人かの常連人物が欠けていくのも切ないのですが……。
いつもありがとうございます。
楽しみに拝見しております♪
超能力や悪霊払いがテーマとは、夢酔様はいったいどう料理なさるのか…!?と興味深々で拝読していますが、
幕末の不穏な江戸の、さらに暗部を生きる浅右衛門のキャラクターが大変説得力があり、まったく違和感なくストーリーを楽しんでおります。
江戸情緒漂う描写も味わい深く、読み応えがありますね。
山田浅左衛門の裏稼業が魔斬りであるとか、浅草弾左衛門が魔斬の元締めであるといった、設定のディテールに驚かされます。まさかそう来るとは!いう自由な発想に脱帽です。
今度は密教の退魔集団が大挙して押し寄せるとは…何が起こるのか、ドキドキしつつ待っております!
笹目いく子様
さっそくのメッセージありがとうございます。次回登場の組織は、20世紀のおわりには「裏高野」と仮設定していました。同じ名称が漫画「孔雀王」にあることや、実在の真言宗の知己の方々にも失礼ということで、最後までネーミングに苦慮しました。作品の完成よりも遅かった部分です。
元々「安政奇譚」は歴史読本が健在だった頃の歴史文学大賞1次までしがみついた作品。これをアレンジしてオール讀物新人賞にチャレンジしたものです。連作はそれでは描き切れなかった世界観や脇役にもスポットを当てていくと同時に、「江戸」という存在に向き合って発掘することも試みました。全部とはいきませんが、数作、この場で皆様のご意見を賜れましたら何よりです。
笹目いく子先生の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
いつもありがとうございます。
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