魔斬
深淵なる江戸の闇には、怨霊や妖魔の類が巣食い、昼と対なす穢土があった。
その魔を斬り払う闇の稼業、魔斬。
坊主や神主の手に負えぬ退魔を金銭で請け負う江戸の元締は関東長吏頭・浅草弾左衛門。忌むべき身分を統べる弾左衛門が最後に頼るのが、武家で唯一の魔斬人・山田浅右衛門である。昼は罪人の首を斬り、夜は怨霊を斬る因果の男。
幕末。
深い闇の奥に、今日もあやかしを斬る男がいる。
2023年オール讀物中間発表止まりの作品。その先の連作を含めて、いよいよ御開帳。
その魔を斬り払う闇の稼業、魔斬。
坊主や神主の手に負えぬ退魔を金銭で請け負う江戸の元締は関東長吏頭・浅草弾左衛門。忌むべき身分を統べる弾左衛門が最後に頼るのが、武家で唯一の魔斬人・山田浅右衛門である。昼は罪人の首を斬り、夜は怨霊を斬る因果の男。
幕末。
深い闇の奥に、今日もあやかしを斬る男がいる。
2023年オール讀物中間発表止まりの作品。その先の連作を含めて、いよいよ御開帳。
あなたにおすすめの小説
麒麟児の夢
夢酔藤山
歴史・時代
南近江に生まれた少年の出来のよさ、一族は麒麟児と囃し将来を期待した。
その一族・蒲生氏。
六角氏のもとで過ごすなか、天下の流れを機敏に察知していた。やがて織田信長が台頭し、六角氏は逃亡、蒲生氏は信長に降伏する。人質として差し出された麒麟児こと蒲生鶴千代(のちの氏郷)のただならぬ才を見抜いた信長は、これを小姓とし元服させ娘婿とした。信長ほどの国際人はいない。その下で国際感覚を研ぎ澄ませていく氏郷。器量を磨き己の頭の中を理解する氏郷を信長は寵愛した。その壮大なる海の彼方への夢は、本能寺の謀叛で塵と消えた。
天下の後継者・豊臣秀吉は、もっとも信長に似ている氏郷の器量を恐れ、国替や無理を強いた。千利休を中心とした七哲は氏郷の味方となる。彼らは大半がキリシタンであり、氏郷も入信し世界を意識する。
やがて利休切腹、氏郷の容態も危ういものとなる。
氏郷は信長の夢を継げるのか。
鎌倉最後の日
もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!
薙刀姫の純情 富田信高とその妻
もず りょう
歴史・時代
関ヶ原合戦を目前に控えた慶長五年(一六〇〇)八月、伊勢国安濃津城は西軍に包囲され、絶体絶命の状況に追い込まれていた。城主富田信高は「ほうけ者」と仇名されるほどに茫洋として、掴みどころのない若者。いくさの経験もほとんどない。はたして彼はこの窮地をどのようにして切り抜けるのか――。
華々しく活躍する女武者の伝説を主題とし、乱世に取り残された武将、取り残されまいと足掻く武将など多士済々な登場人物が織り成す一大戦国絵巻、ここに開幕!
照と二人の夫
三矢由巳
歴史・時代
江戸時代中期、家老の娘照(てる)は、十も年上の吝嗇な男孫右衛門と祝言を挙げる。だが、実家の事情で離縁せざるを得なくなる。そんな彼女に思いを寄せていたのは幼馴染の清兵衛だった。
ムーンライトノベルズの「『香田角の人々』拾遺」のエピソードを増補改訂したものです。
首切り女とぼんくら男
hiro75
歴史・時代
―― 江戸時代
由比は、岩沼領の剣術指南役である佐伯家の一人娘、容姿端麗でありながら、剣術の腕も男を圧倒する程。
そんな彼女に、他の道場で腕前一と称させる男との縁談話が持ち上がったのだが、彼女が選んだのは、「ぼんくら男」と噂される槇田仁左衛門だった………………
領内の派閥争いに巻き込まれる女と男の、儚くも、美しい恋模様………………
【受賞作】小売り酒屋鬼八 人情お品書き帖
筑前助広
歴史・時代
幸せとちょっぴりの切なさを感じるお品書き帖です――
野州夜須藩の城下・蔵前町に、昼は小売り酒屋、夜は居酒屋を営む鬼八という店がある。父娘二人で切り盛りするその店に、六蔵という料理人が現れ――。
アルファポリス歴史時代小説大賞特別賞「狼の裔」、同最終候補「天暗の星」ともリンクする、「夜須藩もの」人情ストーリー。
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
下級武士の名の残し方 ~江戸時代の自分史 大友興廃記物語~
黒井丸
歴史・時代
~本作は『大友興廃記』という実在の軍記をもとに、書かれた内容をパズルのように史実に組みこんで作者の一生を創作した時代小説です~
武士の親族として伊勢 津藩に仕える杉谷宗重は武士の至上目的である『家名を残す』ために悩んでいた。
大名と違い、身分の不安定な下級武士ではいつ家が消えてもおかしくない。
そのため『平家物語』などの軍記を書く事で家の由緒を残そうとするがうまくいかない。
方と呼ばれる王道を書けば民衆は喜ぶが、虚飾で得た名声は却って名を汚す事になるだろう。
しかし、正しい事を書いても見向きもされない。
そこで、彼の旧主で豊後佐伯の領主だった佐伯權之助は一計を思いつく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
笹目先生
ほんとうに短い再会ではございますが、オムニバスが数珠のように、前作、前前作にリンクするのが、このシリーズの面倒くさい処です。「三味奇譚」の時代、指折り数えれば、あと5年もしないで徳川の世が終わるんですよね。こののちの新しい世の中に、魔斬は残されるのでしょうか……皆様のご想像でお楽しみ下さい。
いつもありがとうございます。
恐れ入ります。
原型は、廃嫡の話など別にありますが、二期で鑑賞に堪えられる一篇のみを公開しました。一期にも未公開があります。この作品が些かでも人様に触れることのできたことが何よりですし、原典となった「安政奇譚」からの派生として皆様からのコメントを賜れましたことを嬉しく思います。
いつもありがとうございます。
すかいふらわぁ様
この当時、江戸グルメにはまっていた時期の賜物です。仕置など、我慢してたら辛い仕事ですから、これくらいの娯楽は記録の外になったと思います。史実では首切りの夜は宴席で騒がないと恐くて寝られなかったという記述も残る山田浅右衛門。
新年最初の感想です。
いつもありがとうございます。
深川奇譚、大晦日の完結編堪能いたしました!
孕女奇譚も舶来奇譚も、この深川奇譚も面白いですねぇ。やみつきでございます。
富坂小五郎の最期の台詞が格好いいこと(怨念籠もってますが)。
年末に刑場巡りをする浅右衛門の姿も、凄惨なのに趣きがあり。
おまけに毎回江戸の美食の描写がパワーアップしているような。美味しそうなものばかり…
浅右衛門と弾左衛門、バディのような味わいのある関係も素敵です。
新年も続けてくださるとのこと、嬉しい限りです!
次回も楽しみにお待ちしております♪♪
笹目いく子様
恐れ入ります。
総てを蔵から引っ張り出している訳ではないので、飛び飛びで時系列も微妙に変わっておりますが、現在の掲載分は1期として構想していたものです。新年早々、1期後半作になりますが、あるキャラクターは退場して頂くことになります。2期目の構想も途中頓挫で数作のみの尻切れという状況ですが、正直、勿体ない作品です。いつかどなたかが漫画の素材に生かしてくれるなら、有難い処でございます。
だれが、欠けてしまうのか……好きなキャラクターでしたら、今のうちに謝っておきます('◇')ゞ。
いつもありがとうございます。
よいお年をお迎えください。
笹目いく子様
さりげなく時代の人物を出すのは、構想当時の20年前ほどに影響を受けた睦月影郎先生(官能です!)の時代官能というジャンルの手法。従来官能と異なる、当時は新しい切り口でした。窓口を開いてくれたイラストレーターとやまみーや氏には感謝しております。
あらためてお蔵から作品を引っ張り出すと、当時の想いが塩漬けになっていることが分かり、技よりも情熱だけで突っ走っているのが作品の勢いになっているのだろうと感じております。
冷静な洞察。
こののち幾人かの常連人物が欠けていくのも切ないのですが……。
いつもありがとうございます。
楽しみに拝見しております♪
超能力や悪霊払いがテーマとは、夢酔様はいったいどう料理なさるのか…!?と興味深々で拝読していますが、
幕末の不穏な江戸の、さらに暗部を生きる浅右衛門のキャラクターが大変説得力があり、まったく違和感なくストーリーを楽しんでおります。
江戸情緒漂う描写も味わい深く、読み応えがありますね。
山田浅左衛門の裏稼業が魔斬りであるとか、浅草弾左衛門が魔斬の元締めであるといった、設定のディテールに驚かされます。まさかそう来るとは!いう自由な発想に脱帽です。
今度は密教の退魔集団が大挙して押し寄せるとは…何が起こるのか、ドキドキしつつ待っております!
笹目いく子様
さっそくのメッセージありがとうございます。次回登場の組織は、20世紀のおわりには「裏高野」と仮設定していました。同じ名称が漫画「孔雀王」にあることや、実在の真言宗の知己の方々にも失礼ということで、最後までネーミングに苦慮しました。作品の完成よりも遅かった部分です。
元々「安政奇譚」は歴史読本が健在だった頃の歴史文学大賞1次までしがみついた作品。これをアレンジしてオール讀物新人賞にチャレンジしたものです。連作はそれでは描き切れなかった世界観や脇役にもスポットを当てていくと同時に、「江戸」という存在に向き合って発掘することも試みました。全部とはいきませんが、数作、この場で皆様のご意見を賜れましたら何よりです。
笹目いく子先生の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
いつもありがとうございます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。