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15_宿縁の章_43
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一方、艦の外では――
東へ向けて悠然と前進するフォースガルシアに降り注ぐ、ミサイルや砲弾の雨あられ。
上空には無数の艦載機が群がり、四方八方からは魚雷群が迫り、爆炎にまみれながらも突き進むさまは、数百機の戦闘機に囲まれ、幾本もの魚雷を受けながらもその足を止める事が無かった、世界大戦で名を馳せた「戦艦大和」を彷彿とさせる。
そんな中、イノウエ艦長の傍らに立つ副長ソフィアが、
「艦長、目標地点に到達いたしました」
手元のタブレットを見せると、
「うむ」
イノウエ艦長は小さく頷き、
「フォースガルシア、高速モードへ移行ォ! 各員に「気密チェック」と「姿勢の保持」を通達!」
「アイサァ! フォースガルシア、高速モードへ移行ォ!」
操舵長ジョシュアがパネルをタッチ操作すると、ガルシアの両舷側から翼が出始め、船首船底からは、折りたたまれていたフラップ(※姿勢制御用の足)が降り始め、通信長のナタリーはヘッドセットを操作し、
「各員に通達っス! フォースガルシアは作戦通り高速モードへ移行っス! 「各部気密チェック」と「姿勢の保持」をよろしくッスぅ!」
艦内乗組員へ、艦長の指示を伝えた。
大型艦とは思えない加速で徐々にスピードを増すガルシアに、
「クソォ! あんな速度について行けるかァ!」
次第に取り残されて行く各国の艦たち。
そんな中、平然と並走する二つの国の船が。
アメリカとオーストラリアである。
スティーラーとの接点を持ち、ロストテクノロジーの一部を自分たちの技術として取り込む事に成功した彼らは、ガルシアと並ぶだけのチカラを手にしていたのであった。
モーターボート並みの速力で海上を疾走する、フォースガルシアと二つの国の艦艇たち。
『ハァーーーハッハッハッ! もはや逃がしはしない!』
『エネルギーが尽きるまで地の果てまで追いかけてやる!』
両国は勝ちを確信し、
『『この地球上に貴様らが隠れる場所があると思うなァ!』』
((残る敵はアイツ等だけだ!))
ガルシアを既に捕えた気になり、相手国に意識を飛ばし合う二国であったが、
『『なにぃいぃぃぃぃぃいっぃぃぃいぃ!?』』
両国軍は非常識な光景に我が目を疑った。
徐々に速度を上げていたガルシアは更に速度を上げ、ついには船首船底の姿勢制御用フラップが海面から離れ、船尾船底まで海面から離れた。
ようするに、全長数百メートルある鉄の塊の船が飛んだのである。
船首船底のフラップを格納し始めるガルシア。
『フォースガルシア、離水を確認!』
レーダー等監視長アイザックが声を上げると、
『操舵長ォ! 成層圏に向けて機関いっぱい両舷全速前進!』
イノウエ艦長は雄叫びを上げ、
『アイサァ! 機関いっぱい両舷全速前進!』
ジョシュアがスロットルパネルを勢いよく弾き、アクセルを一気に踏み込むと、フォースガルシアはまるでミサイルかロケットの様に急加速。唸りを上げて宇宙へ向かって飛び立った。
瞬く間に光の点と化すガルシアに、
『『馬鹿な……』』
呆然と、ただ見上げるしかない両軍。
東へ向けて悠然と前進するフォースガルシアに降り注ぐ、ミサイルや砲弾の雨あられ。
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そんな中、イノウエ艦長の傍らに立つ副長ソフィアが、
「艦長、目標地点に到達いたしました」
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操舵長ジョシュアがパネルをタッチ操作すると、ガルシアの両舷側から翼が出始め、船首船底からは、折りたたまれていたフラップ(※姿勢制御用の足)が降り始め、通信長のナタリーはヘッドセットを操作し、
「各員に通達っス! フォースガルシアは作戦通り高速モードへ移行っス! 「各部気密チェック」と「姿勢の保持」をよろしくッスぅ!」
艦内乗組員へ、艦長の指示を伝えた。
大型艦とは思えない加速で徐々にスピードを増すガルシアに、
「クソォ! あんな速度について行けるかァ!」
次第に取り残されて行く各国の艦たち。
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アメリカとオーストラリアである。
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モーターボート並みの速力で海上を疾走する、フォースガルシアと二つの国の艦艇たち。
『ハァーーーハッハッハッ! もはや逃がしはしない!』
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両国は勝ちを確信し、
『『この地球上に貴様らが隠れる場所があると思うなァ!』』
((残る敵はアイツ等だけだ!))
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『『なにぃいぃぃぃぃぃいっぃぃぃいぃ!?』』
両国軍は非常識な光景に我が目を疑った。
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ようするに、全長数百メートルある鉄の塊の船が飛んだのである。
船首船底のフラップを格納し始めるガルシア。
『フォースガルシア、離水を確認!』
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ジョシュアがスロットルパネルを勢いよく弾き、アクセルを一気に踏み込むと、フォースガルシアはまるでミサイルかロケットの様に急加速。唸りを上げて宇宙へ向かって飛び立った。
瞬く間に光の点と化すガルシアに、
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