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15_宿縁の章_10
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その足で応接室に通された三人は、南極へ向かう為に飛行機を必要としている事を伝えた。
「な、南極に……飛行機で、でございますかぁ……」
驚いた顔を見せる司令官。しかし実際には「南極行き」の情報は取得済みで、
(聞いた通りだ)
顔には出さずほくそ笑み、
(それにしても移動手段に飛行機とは……)
新たに得る事が出来た情報から、とある邪な発想が浮かんだ。
(ここで更なる情報を聞き出せば、私の手柄になるんじゃないのか?)
一計をめぐらせ、
「ご旅行か何かですかな?」
腹黒い目を、アナスは見逃さなかった。かつて幾度となく見た、不快感を抱かせる眼。
その眼に、感情をチリつかせ、
「余計な詮索は無用でござる!」
「ヒィ!」
「黙って飛行機と操縦者を用意すれば良いでござる!」
「お、お言葉ですが、かの地の滑走路は使用されなくなって、はや十年。過酷な環境でもありますので、着陸出来る状態では、」
「「降りてたもれ」とは言うて無いでありんすぇ」
すかさず捕捉を付け足すアナクスであったが、
「は?」
司令官は話が見えずキョトン顔。
(使えぬ男でござるなァ……)
苛立ちを堪えつつ、
「上空を通過するだけで良いでござる」
「??? ど、どの様に降りるおつもり、」
再びの問いに、アナスが鋭い視線を向け、
「ヒヒィ!」
短い悲鳴を上げてイスから飛び上がり、
「スグに準備致しますぅ!」
部屋から飛び出して行った。
閉じた扉を、苛立ち露わに睨むアナス。
その様子に、アナクスが妖艶な笑みを浮かべ、
「たかだか「普通の人間」の戯れ事でありんしょう。ヘソを曲げ程の話でもありんせんぇ」
からかう様な口調で諭すと、
「腹が立つのでござるよ……」
「何にでありんす?」
「拙者どもに戦(いくさ)を強いていた「あの者ども」と同じ、欲望に濁り切ったあの眼がァ……」
「…………」
しばし黙って横顔を見つめるアナクスはおもむろに、
「今の輩に当とぅたところで、過去は変わりぃしぃせんぇ」
「斯様な事……分かってござる……分かっては……」
過去を思い起こしてか、アナスの眉間には深いシワが寄せられた。
「な、南極に……飛行機で、でございますかぁ……」
驚いた顔を見せる司令官。しかし実際には「南極行き」の情報は取得済みで、
(聞いた通りだ)
顔には出さずほくそ笑み、
(それにしても移動手段に飛行機とは……)
新たに得る事が出来た情報から、とある邪な発想が浮かんだ。
(ここで更なる情報を聞き出せば、私の手柄になるんじゃないのか?)
一計をめぐらせ、
「ご旅行か何かですかな?」
腹黒い目を、アナスは見逃さなかった。かつて幾度となく見た、不快感を抱かせる眼。
その眼に、感情をチリつかせ、
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「ヒィ!」
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すかさず捕捉を付け足すアナクスであったが、
「は?」
司令官は話が見えずキョトン顔。
(使えぬ男でござるなァ……)
苛立ちを堪えつつ、
「上空を通過するだけで良いでござる」
「??? ど、どの様に降りるおつもり、」
再びの問いに、アナスが鋭い視線を向け、
「ヒヒィ!」
短い悲鳴を上げてイスから飛び上がり、
「スグに準備致しますぅ!」
部屋から飛び出して行った。
閉じた扉を、苛立ち露わに睨むアナス。
その様子に、アナクスが妖艶な笑みを浮かべ、
「たかだか「普通の人間」の戯れ事でありんしょう。ヘソを曲げ程の話でもありんせんぇ」
からかう様な口調で諭すと、
「腹が立つのでござるよ……」
「何にでありんす?」
「拙者どもに戦(いくさ)を強いていた「あの者ども」と同じ、欲望に濁り切ったあの眼がァ……」
「…………」
しばし黙って横顔を見つめるアナクスはおもむろに、
「今の輩に当とぅたところで、過去は変わりぃしぃせんぇ」
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過去を思い起こしてか、アナスの眉間には深いシワが寄せられた。
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