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12.胎動の章_22
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国の将来を見据え、国民一人一人の成長を促す為にも、断腸の思いで身を引く決意をしたマリア。そこには「旧世界の人間が現代に口を挟むべきではなかった」との自省も含まれてはいたが。
その想いが、苦悩が、国民に伝わったか現時点で定かでないが、この国を愛すればこそ、身を引く決断をしたマリアが見せる精一杯の笑顔に、胸にグッと込み上げる物を感じるヤマト、ジゼ、ジャック。
しかし情緒と無縁の者が一人。余韻など、どこ吹く風で、
「放送、は終了」
ある意味容赦なくパソコンのキーボードを弾き、放送を強制終了させたのはナクア。清々しいほど淡泊な、彼女らしい長所とも言えなくもないが、
(((躊躇ねぇ~))))
思わず苦笑いのヤマト、ジゼ、ジャック。
そんな中、当のマリアは肩の荷を下ろしたような、安堵の息を吐いていた。傍らに歩み寄るヤマトとジゼ。
「お疲れ様。マリアらしくて良かったんじゃないか」
「だよね。すっごく、その……マリアらしかったぁ!」
二人の笑顔に、
「何ですのぉ「わたくしらしかった」ってぇ。何か素直に喜べないですわぁ~」
腑に落ちなさを滲ませつつも笑みを返し、無言で佇むジャックに、
「素直に称賛して下さって結構ですわよぉ? 何か言う事はありませんのぉ?」
からかいに、
「うっせぇ、くだんねぇ事ぬかしてねぇで撤収すんぞ。こっかの方がヤベェんだ」
不愉快そうに背を向け、相変わらず素直ではないジャックに三人がヤレヤレ顔を見合わせると、向けられたままの背中から、
「まぁ、その……なんだ……良かったんじゃねぇのかぁ……」
呟く様な声が。
「!」
一瞬驚くマリア。しかし、すぐさま企み顔に豹変して、
「何ですのぉ? 何て言いましたのぉ? もう一度ぉ」
隠す照れ顔を覗き込もうとし、
(クッ……)
ジャックは咄嗟にプイッと顔を背けたが、背けた先にいたナクアがジャックを指差し、
「ツンデレぇ」
「ツンデレ言うんじゃねぇ!」
照れ臭そうな赤面顔で憤慨。
「とっとと行くぞォ!」
扉に向かってズンズン歩き出したが、気になる相手の困った顔を見るのが大好物であるマリアの悪癖は止まらず、
「何て言いましたのぉ!? もぅ一度言って下さらなぁい?」
「だぁウッセェ! 言うかボケぇ! 黙れぇ死神ぃ! 捨ててくぞ!」
煙たそうに追い払おうとするジャックと、そんな漫才夫婦の背中を笑いながら追うヤマトとジゼ、そして無表情のナクア。
その想いが、苦悩が、国民に伝わったか現時点で定かでないが、この国を愛すればこそ、身を引く決断をしたマリアが見せる精一杯の笑顔に、胸にグッと込み上げる物を感じるヤマト、ジゼ、ジャック。
しかし情緒と無縁の者が一人。余韻など、どこ吹く風で、
「放送、は終了」
ある意味容赦なくパソコンのキーボードを弾き、放送を強制終了させたのはナクア。清々しいほど淡泊な、彼女らしい長所とも言えなくもないが、
(((躊躇ねぇ~))))
思わず苦笑いのヤマト、ジゼ、ジャック。
そんな中、当のマリアは肩の荷を下ろしたような、安堵の息を吐いていた。傍らに歩み寄るヤマトとジゼ。
「お疲れ様。マリアらしくて良かったんじゃないか」
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二人の笑顔に、
「何ですのぉ「わたくしらしかった」ってぇ。何か素直に喜べないですわぁ~」
腑に落ちなさを滲ませつつも笑みを返し、無言で佇むジャックに、
「素直に称賛して下さって結構ですわよぉ? 何か言う事はありませんのぉ?」
からかいに、
「うっせぇ、くだんねぇ事ぬかしてねぇで撤収すんぞ。こっかの方がヤベェんだ」
不愉快そうに背を向け、相変わらず素直ではないジャックに三人がヤレヤレ顔を見合わせると、向けられたままの背中から、
「まぁ、その……なんだ……良かったんじゃねぇのかぁ……」
呟く様な声が。
「!」
一瞬驚くマリア。しかし、すぐさま企み顔に豹変して、
「何ですのぉ? 何て言いましたのぉ? もう一度ぉ」
隠す照れ顔を覗き込もうとし、
(クッ……)
ジャックは咄嗟にプイッと顔を背けたが、背けた先にいたナクアがジャックを指差し、
「ツンデレぇ」
「ツンデレ言うんじゃねぇ!」
照れ臭そうな赤面顔で憤慨。
「とっとと行くぞォ!」
扉に向かってズンズン歩き出したが、気になる相手の困った顔を見るのが大好物であるマリアの悪癖は止まらず、
「何て言いましたのぉ!? もぅ一度言って下さらなぁい?」
「だぁウッセェ! 言うかボケぇ! 黙れぇ死神ぃ! 捨ててくぞ!」
煙たそうに追い払おうとするジャックと、そんな漫才夫婦の背中を笑いながら追うヤマトとジゼ、そして無表情のナクア。
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