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青木 森

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8.朋友の章_17

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 からくも刃傷沙汰を回避して帰宅したヴァイオレットとエラ。しかし二人を待っていたのは、鬼のような顔したメラニー婆ちゃんのお説教であった。
「派手な騒ぎを起こすんじゃないと言っただろぉ!」
「「すみませぇん……」」
 返す言葉も無く、ヴァイオレットとエラがイスの上で小さく正座していると、
「何の騒ぎですかぁ?」
 コーギーが何も知らない風を装い、白々しく部屋に入って来た。
 メラニー婆ちゃんは大きなため息を一つ吐き、
「アンタの監督不行き届きだよ」
「あはははは。やっぱり何かやらかしたんですねぇ」
「「やらかした」なんてもんじゃないよ、まったく! 自警団をマフィア呼ばわりなんてねぇ!」
 怒り心頭、うな垂れる二人を見下ろしていると、
 ジィリリリリリリリリン!
 古風な黒電話がうなりを上げ、
「誰だいまったくぅ! こんな時に!」
 不機嫌に受話器を取り、
「何の用だぁい!」
 ぶっきら棒に問いかけると、
「…………何だってぇ!?」
 両目が飛び出るほどの驚きを見せ、
「あ、アタシの知ったこっちゃないねぇ!!」
 怒り任せに受話器を「ガチャリ」と投げ置いた。
「「「?」」」
 何事かと、三人が顔を見合わせる中、
「な……」
「「「な?」」」
「何してんだいアンタ達はぁあぁぁっぁあっぁぁっぁあーーーーッ!」
 メラニー婆ちゃんは、小さくなっていたヴァイオレットとエラに向かって大激怒。
「「へ?」」
「「へ」じゃないよ! アンタ達は、この町を消し炭にしたいのかいぃいぃぃぃぃッ!」
「「あ!」」
 マフィアとの件で、何かしらクレームが入った事を悟ったヴァイオレットとエラは大慌て、
「「アレはマファイが!」」
 ユニゾンで反論しようとしたが、
「アンタ達が藪を突いたせいだろうぅが!」
「それはエラが、」
「酷いですよ、ヴァイオレットォ! ヴァイオレットだってノリノリ、」
『ヤカマシイィーーーーーーッ!』
 責任を押し付け合う二人を、メラニー婆ちゃんは頭の血管が切れそうな怒りで一喝。
 そんな中、騒ぎを大きくした張本人のコーギーは、
(あ、あははは……内緒にしてる心が、少し痛みますねぇ……)
 顔には出さず申し訳なく思っていると、
「コーギィ!」
「!?」
 メラニー婆ちゃんの怒りの矛先はコーギーにも向けられ、
「今度二人が暴走したら家から叩き出すからねぇ!」
「え、えぇ~~~」
 不服そうな顔をしたが、騒ぎの原因の一端は自分にもある為、後ろめたさから、
「わ、分かりましたぁ」
 渋々承諾した。

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