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6.聞知と修練の章-2
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店主と別れ、温和な笑みを薄っすら浮かべて町を歩くコーギー。
人当たりの良さそうな笑顔の下、
(残念だけどオジサン、この国はじき戦火にまみえて滅びますよ。国を想う「本当の王」を、自らの手で切って捨て報い……敵ながら、ママムナムクアには同情しますよ)
潜伏場所に戻る為、人目を避ける様にビルの谷間の薄暗い脇道へ入ると、
「貴方達は、何ですのぉ!」
若い女性のキンキン金切り声がし、同時に、
「へっへっへっ、「何ですの」だってよぉ」
「道を尋ねるから、教えてやってるだけじゃねぇかぁ~」
「ついでに、ちょ~っと「付き合え」って言ってるだけだろぉ~」
「こ、この様な暗がりに何があると言いますですのぉ!」
「「「へっへっへっへっ」」」
シルエットしか見えないが、場違いなヒラヒラロングドレスを纏った世間知らず風お嬢様が、ならず者数人に取り囲まれていたのである。
古典的状況下、
「…………」
コーギーは何事もなかったかの様に来た道を戻ると、ならず者の一人が気付き、
「待てや、コラァ!」
ため息交じりに立ち止まり、
「何ですかぁ」
ダルそうな嘆息を漏らすと、
「人を呼ぶ気だろ!」
「呼びませんよ。面倒臭い」
呆れ顔で振り返った。
振り返ったその顔に、ならず者たちは色めき立ち、
「ヒュ~~~。可愛いじゃん……てか、オマエ、男か? 女か?」
コーギーは少々ムッとしつつ、
「答える義理はありませんし、人を呼ぶつもりもありません。では」
立ち去ろうとすると、
「ちょ、ちょっとお待ちなさいですわ、そこの貴方ぁ! 可憐な少女が襲われようとしておりますですのよ! 助けようとは思いませんですのぉ!」
「どうして?」
作り笑顔のまま振り返るコーギー。
「か、可愛そうと思いませんのぉ!?」
「なんで?」
「なんでてって……」
唖然とする少女。
ゲラゲラ笑い出す「ならず者」達を前に、コーギーは平然と、
「そもそも「こんな連中」にノコノコ付いて行くって、君、バカなんじゃないですか? その時点で自業自得でしょ? 僕が労力を費やさなければならない道理がどこにあるんです?」
バッサリ切って落とすと、「こんな連中」呼ばわりされた事が癇に障ったのか、ならず者たちは折り畳みナイフを取り出し身構え、
「オイ、男の娘(おとこのこ)! ちょっと調子に乗ってんじゃねぇのかぁ!」
(はぁ……反応も、ベタベタですねぇ……)
ため息交じりの呆れ顔でうつむくいた次の瞬間、ならず者の一人が数メートル離れた足下まで吹っ飛んで来てヘッドスライディング、そのまま気を失った。
「!?」
「「「!」」」
「訂正なさぁいぃぃぃ!」
集まる視線の先、薄暗いビルの谷間で蹴り飛ばした格好のまま、
「ダァレェが、おバカですってぇ!」
漏れ陽をスポットライトの様に浴び姿を露わにしたのは、怒りの形相を見せるナムクス、マリアの妹であった。
不愉快そうに、ダンと地面を踏み鳴らす。
しかし動じた様子も見せず、作り笑顔で対峙するコーギー。
人当たりの良さそうな笑顔の下、
(残念だけどオジサン、この国はじき戦火にまみえて滅びますよ。国を想う「本当の王」を、自らの手で切って捨て報い……敵ながら、ママムナムクアには同情しますよ)
潜伏場所に戻る為、人目を避ける様にビルの谷間の薄暗い脇道へ入ると、
「貴方達は、何ですのぉ!」
若い女性のキンキン金切り声がし、同時に、
「へっへっへっ、「何ですの」だってよぉ」
「道を尋ねるから、教えてやってるだけじゃねぇかぁ~」
「ついでに、ちょ~っと「付き合え」って言ってるだけだろぉ~」
「こ、この様な暗がりに何があると言いますですのぉ!」
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古典的状況下、
「…………」
コーギーは何事もなかったかの様に来た道を戻ると、ならず者の一人が気付き、
「待てや、コラァ!」
ため息交じりに立ち止まり、
「何ですかぁ」
ダルそうな嘆息を漏らすと、
「人を呼ぶ気だろ!」
「呼びませんよ。面倒臭い」
呆れ顔で振り返った。
振り返ったその顔に、ならず者たちは色めき立ち、
「ヒュ~~~。可愛いじゃん……てか、オマエ、男か? 女か?」
コーギーは少々ムッとしつつ、
「答える義理はありませんし、人を呼ぶつもりもありません。では」
立ち去ろうとすると、
「ちょ、ちょっとお待ちなさいですわ、そこの貴方ぁ! 可憐な少女が襲われようとしておりますですのよ! 助けようとは思いませんですのぉ!」
「どうして?」
作り笑顔のまま振り返るコーギー。
「か、可愛そうと思いませんのぉ!?」
「なんで?」
「なんでてって……」
唖然とする少女。
ゲラゲラ笑い出す「ならず者」達を前に、コーギーは平然と、
「そもそも「こんな連中」にノコノコ付いて行くって、君、バカなんじゃないですか? その時点で自業自得でしょ? 僕が労力を費やさなければならない道理がどこにあるんです?」
バッサリ切って落とすと、「こんな連中」呼ばわりされた事が癇に障ったのか、ならず者たちは折り畳みナイフを取り出し身構え、
「オイ、男の娘(おとこのこ)! ちょっと調子に乗ってんじゃねぇのかぁ!」
(はぁ……反応も、ベタベタですねぇ……)
ため息交じりの呆れ顔でうつむくいた次の瞬間、ならず者の一人が数メートル離れた足下まで吹っ飛んで来てヘッドスライディング、そのまま気を失った。
「!?」
「「「!」」」
「訂正なさぁいぃぃぃ!」
集まる視線の先、薄暗いビルの谷間で蹴り飛ばした格好のまま、
「ダァレェが、おバカですってぇ!」
漏れ陽をスポットライトの様に浴び姿を露わにしたのは、怒りの形相を見せるナムクス、マリアの妹であった。
不愉快そうに、ダンと地面を踏み鳴らす。
しかし動じた様子も見せず、作り笑顔で対峙するコーギー。
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