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5.愁嘆の大地の章-19
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ガルシア改の後部格納庫―――
不敵な笑みを浮かべるブレイクは、調査班の面々を前に腕組みして仁王立ち。
横一列に整列する、ダニエル、ヤマト、マリア、そしてあくび交じりのジャック。
「オマエ達! 今日は銃とライフル、武器の分解整備すんぞぉ! 最近ちぃ~とばっか手ぇ抜いてたからねぇ。命を預ける相棒だぁ。大事にしてやらねぇ~と、実戦でヘソ曲げかねないからねぇ。戦場では相棒を大事に出来ないヤツから死んで逝く。肝に銘じておきな!」
しかし、ナノマシンによる自動修復が行われたり、武器を使用する度に「分解と再構築」して戦っているスティーラーにとっては無意味な作業であり、ジャックは「ケッ」と吐き捨て、
「馬鹿馬鹿しい! 終わったら呼べやぁ。俺は部屋で寝るぜぇ」
背を向けると、
「お待ちなさいですわ、ジャック!」
マリアが制し、
「これは任務ですのよ! それに隊長の仰る事も、」
「っせぇなァ! 人間かぶれしたテメェ等と俺を、一緒にしてんじゃねぇ!」
少し過剰とも思える苛立ちを以て振り返るジャックを、ブレイクはフッと小さく笑い、
「好きにおし」
「「「!?」」」
予想外の言葉に、ヤマト達は驚き、
「隊長、良いんですか!?」
「構わねぇさ。ブッキー(不器用)さんに触られて、大事な装備品が壊されちゃ堪んないからねぇ」
小馬鹿にした様な顔して皮肉るも、
「…………」
「おんやぁ? 今日は突っかかって来ないのかい? 珍しいじゃないかい」
無言のジャックは背を向け立ち去ろうとした。
するとマリアが堪らず、
「一つ一つ任務を誠実にこなして行きます事が、身の証を立てる事にもなりますのよ!」
「あぁ?」
正論過ぎる程の正論に、ジャックが不快感を滲ませ振り返ると、ダニエルが咄嗟に割って入り、
「まぁまぁ、姫様もそんなにヒートアップしないでぇ」
笑ってお茶を濁そうとしたが、ジャックが肩を掴んでグイッとどかして不敵にニヤリ。
平時の彼ならば、面倒臭げに鼻先一つで笑い飛ばして済ませそうなモノであるが、色々な事が重なり、内心余裕の無いジャックは苛立ち交じり、
「なんだぁ、死神ィ。俺に気でもあるのかぁ?」
(ヒィ! 何言っちゃってるんですかぁ、ジャックさぁ~ん! 今その冗談は、マズイですってぇ!)
ダニエルがムンクの叫びの様な顔して青ざめると、
パァン!
「「「!」」」
格納庫内に乾いた音が鳴り響いた。
不敵な笑みを浮かべるブレイクは、調査班の面々を前に腕組みして仁王立ち。
横一列に整列する、ダニエル、ヤマト、マリア、そしてあくび交じりのジャック。
「オマエ達! 今日は銃とライフル、武器の分解整備すんぞぉ! 最近ちぃ~とばっか手ぇ抜いてたからねぇ。命を預ける相棒だぁ。大事にしてやらねぇ~と、実戦でヘソ曲げかねないからねぇ。戦場では相棒を大事に出来ないヤツから死んで逝く。肝に銘じておきな!」
しかし、ナノマシンによる自動修復が行われたり、武器を使用する度に「分解と再構築」して戦っているスティーラーにとっては無意味な作業であり、ジャックは「ケッ」と吐き捨て、
「馬鹿馬鹿しい! 終わったら呼べやぁ。俺は部屋で寝るぜぇ」
背を向けると、
「お待ちなさいですわ、ジャック!」
マリアが制し、
「これは任務ですのよ! それに隊長の仰る事も、」
「っせぇなァ! 人間かぶれしたテメェ等と俺を、一緒にしてんじゃねぇ!」
少し過剰とも思える苛立ちを以て振り返るジャックを、ブレイクはフッと小さく笑い、
「好きにおし」
「「「!?」」」
予想外の言葉に、ヤマト達は驚き、
「隊長、良いんですか!?」
「構わねぇさ。ブッキー(不器用)さんに触られて、大事な装備品が壊されちゃ堪んないからねぇ」
小馬鹿にした様な顔して皮肉るも、
「…………」
「おんやぁ? 今日は突っかかって来ないのかい? 珍しいじゃないかい」
無言のジャックは背を向け立ち去ろうとした。
するとマリアが堪らず、
「一つ一つ任務を誠実にこなして行きます事が、身の証を立てる事にもなりますのよ!」
「あぁ?」
正論過ぎる程の正論に、ジャックが不快感を滲ませ振り返ると、ダニエルが咄嗟に割って入り、
「まぁまぁ、姫様もそんなにヒートアップしないでぇ」
笑ってお茶を濁そうとしたが、ジャックが肩を掴んでグイッとどかして不敵にニヤリ。
平時の彼ならば、面倒臭げに鼻先一つで笑い飛ばして済ませそうなモノであるが、色々な事が重なり、内心余裕の無いジャックは苛立ち交じり、
「なんだぁ、死神ィ。俺に気でもあるのかぁ?」
(ヒィ! 何言っちゃってるんですかぁ、ジャックさぁ~ん! 今その冗談は、マズイですってぇ!)
ダニエルがムンクの叫びの様な顔して青ざめると、
パァン!
「「「!」」」
格納庫内に乾いた音が鳴り響いた。
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