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4.偽りの新天地の章-27
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左腕を降ろして開始指示をしようとした刹那、取り囲むパワードスーツの一機の上半身が突如大破。
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
一拍遅れて空気を切り裂く「音と衝撃波」が駆け抜けた。
「レールカノンだとぉ! しかもこの向き、艦砲射撃かァ!」
驚き、海側を映すモニタを見るウィリアム。
しかし機影も無ければ、艦影も無く、センサーにも反応が無い。
「バカなァ! ステルスで隠れていても、この国の衛星、電波、サーマル、各種センサーから合成して作られた軍用クラウドサーバーの映像だぞ! 何故何も映らん!」
肘掛けを殴るウィリアムの脳裏に、信じ難い答えが浮かんだ。
「ま、まさか……国の軍用サーバーをハッキングだとぉ……!?」
続けざま二機、三機と大破し、うろたえるだけのパワードスーツ部隊に怒りを露わ、
「馬鹿共が! 射的の的になりてぇーのか! 独自判断で、とっとと散開しねぇかァ!」
混乱はヤマト達も同様であった。
「ちょっとヤマト! 何が起きてるの!?」
「俺にも分かんねぇよ!」
「んなモンどうで良いだろが! 敵は混乱してんだ! 俺を抱えてさっさと逃げろや!」
「お馬鹿をお言いではありませんわ、ジャック! 状況が分からない中、うかつに動くのはリスクが高過ぎですわぁ!」
スリ鉢の底のど真ん中で身動き取れないでいると、逃げ出す候補の一つであった海側の裂け目から、バズーカーを、小銃を、パワードスーツに乱射しながら、数台のワゴンが雪崩込んで来た。
「ヒャッホォーーーイッ! 祭りだ祭りだァーーーッ!」
「血祭りだァーーーッ!」
ヤマトとジゼに聞き覚えのある奇声。
姿の見えない砲撃と、謎の車両部隊の乱入により、場は混乱の度を深めた。
「クソッ! 次から次へとォ!」
怒れるウィリアムは無線の周波数を調整し、
「ガーディアンのウィリアムだ! アンバーレイ空軍基地! スクランブル要請だぁ!」
「こちらアンバーレイ空軍基地。敵影は認められず、要請には応えられない」
「すっこめ下っ端がァ!」
通信員と思われる若い男の声に苛立ちをぶちまけると、別の兵士が無線に出た。
「私は当基地司令のイーサン・ホワイトだ」
「おぅ! 何でもイイ! さっさとしねぇかァ!」
「ガーディアン隊長ウィリアム、はっきり言ってやろう! あの様な「ニセ陛下」の下に就いていた「チンピラ兵士」の貴様の言葉など、もはや誰が聞くものかァ!」
「なァ!?」
「本当に敵がいるのなら己の「虎の子部隊」で排除してみせるのだな!」
通信は一方的に切られ、
「け、ケツでイスを磨くだけのクソがァ!」
通信用ヘッドセットを怒り任せに耳から外し、床へ投げつけた。
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
一拍遅れて空気を切り裂く「音と衝撃波」が駆け抜けた。
「レールカノンだとぉ! しかもこの向き、艦砲射撃かァ!」
驚き、海側を映すモニタを見るウィリアム。
しかし機影も無ければ、艦影も無く、センサーにも反応が無い。
「バカなァ! ステルスで隠れていても、この国の衛星、電波、サーマル、各種センサーから合成して作られた軍用クラウドサーバーの映像だぞ! 何故何も映らん!」
肘掛けを殴るウィリアムの脳裏に、信じ難い答えが浮かんだ。
「ま、まさか……国の軍用サーバーをハッキングだとぉ……!?」
続けざま二機、三機と大破し、うろたえるだけのパワードスーツ部隊に怒りを露わ、
「馬鹿共が! 射的の的になりてぇーのか! 独自判断で、とっとと散開しねぇかァ!」
混乱はヤマト達も同様であった。
「ちょっとヤマト! 何が起きてるの!?」
「俺にも分かんねぇよ!」
「んなモンどうで良いだろが! 敵は混乱してんだ! 俺を抱えてさっさと逃げろや!」
「お馬鹿をお言いではありませんわ、ジャック! 状況が分からない中、うかつに動くのはリスクが高過ぎですわぁ!」
スリ鉢の底のど真ん中で身動き取れないでいると、逃げ出す候補の一つであった海側の裂け目から、バズーカーを、小銃を、パワードスーツに乱射しながら、数台のワゴンが雪崩込んで来た。
「ヒャッホォーーーイッ! 祭りだ祭りだァーーーッ!」
「血祭りだァーーーッ!」
ヤマトとジゼに聞き覚えのある奇声。
姿の見えない砲撃と、謎の車両部隊の乱入により、場は混乱の度を深めた。
「クソッ! 次から次へとォ!」
怒れるウィリアムは無線の周波数を調整し、
「ガーディアンのウィリアムだ! アンバーレイ空軍基地! スクランブル要請だぁ!」
「こちらアンバーレイ空軍基地。敵影は認められず、要請には応えられない」
「すっこめ下っ端がァ!」
通信員と思われる若い男の声に苛立ちをぶちまけると、別の兵士が無線に出た。
「私は当基地司令のイーサン・ホワイトだ」
「おぅ! 何でもイイ! さっさとしねぇかァ!」
「ガーディアン隊長ウィリアム、はっきり言ってやろう! あの様な「ニセ陛下」の下に就いていた「チンピラ兵士」の貴様の言葉など、もはや誰が聞くものかァ!」
「なァ!?」
「本当に敵がいるのなら己の「虎の子部隊」で排除してみせるのだな!」
通信は一方的に切られ、
「け、ケツでイスを磨くだけのクソがァ!」
通信用ヘッドセットを怒り任せに耳から外し、床へ投げつけた。
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