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3.旅立ちの章-16
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ヤマトが連れて来られたのは、ブリッジ階下にある「ブリーフィングルーム」。
すでに艦長をはじめ、ソフィアやブリッジクルー達、各班の班長達が集まっていた。
その中にはジゼの姿も。
部屋に入って来たヤマトをジッと見るなり目が合うと、不機嫌にプイッと前を向いた。
(あははは……まだ怒ってらっしゃる……)
勝手に調査班へ入った事を、未だ根に持っている様である。
「なになに? ケンカぁ?」
妙に嬉しそうなダニエルに、ヤマトは若干イラっとしつつも、
「別に」
平静を装い着席し、
(真意は、言葉でちゃんと話さないと伝わらないかぁ……)
小さくため息を吐いた。
天上灯が消され、大型モニタの灯りのみとなった薄暗い室内。
おもむろに壇上に立つソフィアは、
「今回、ダイバーズの管理者、アドミスターから直々の依頼がありましたので、皆さんには、その概要と作戦内容を確認していただきます」
大きくざわつく室内。
通常、作戦目的と実行手順が示されるブリーフィングの会議において、聞き漏らしの無い様、ざわつく事など皆無であるが、彼らが所属するダイバーズの頂点に立つ、アドミスターから直々のご指名とあっては、流石のガルシアクルー達も動揺を隠せずにいたのである。
そんな中、ブレイクが手を上げ、
「ちょっとイイかい副長」
「何でしょうか、ブレイク隊長」
「依頼は顧客からの御指名か、ダイバーズ掲示板の早い者勝ちってのが通例だろ? アドミスターがウチに御指名って……かなりヤバイ山なんじゃないのかい?」
薄明りの中、ギラリと光る三白眼。
隊員の命を預かる長として、例え相手が雇い主(アドミスター)でも、容易に首を縦に振る訳にはいかない。
「流石ですねブレイク隊長……依頼内容は、ダイバーズ賛同者の中でも特に多額の寄付をしている富豪の一人絡みです」
「お、おい副長……それってまさか台湾の……本気か!? 最近もダイバーズの何チームかが依頼失敗を口実に、金を巻き上げられたばかりだろぉ!」
驚くと同時に、不愉快極まりない顔するブレイクとガルシアクルー達。
すでに艦長をはじめ、ソフィアやブリッジクルー達、各班の班長達が集まっていた。
その中にはジゼの姿も。
部屋に入って来たヤマトをジッと見るなり目が合うと、不機嫌にプイッと前を向いた。
(あははは……まだ怒ってらっしゃる……)
勝手に調査班へ入った事を、未だ根に持っている様である。
「なになに? ケンカぁ?」
妙に嬉しそうなダニエルに、ヤマトは若干イラっとしつつも、
「別に」
平静を装い着席し、
(真意は、言葉でちゃんと話さないと伝わらないかぁ……)
小さくため息を吐いた。
天上灯が消され、大型モニタの灯りのみとなった薄暗い室内。
おもむろに壇上に立つソフィアは、
「今回、ダイバーズの管理者、アドミスターから直々の依頼がありましたので、皆さんには、その概要と作戦内容を確認していただきます」
大きくざわつく室内。
通常、作戦目的と実行手順が示されるブリーフィングの会議において、聞き漏らしの無い様、ざわつく事など皆無であるが、彼らが所属するダイバーズの頂点に立つ、アドミスターから直々のご指名とあっては、流石のガルシアクルー達も動揺を隠せずにいたのである。
そんな中、ブレイクが手を上げ、
「ちょっとイイかい副長」
「何でしょうか、ブレイク隊長」
「依頼は顧客からの御指名か、ダイバーズ掲示板の早い者勝ちってのが通例だろ? アドミスターがウチに御指名って……かなりヤバイ山なんじゃないのかい?」
薄明りの中、ギラリと光る三白眼。
隊員の命を預かる長として、例え相手が雇い主(アドミスター)でも、容易に首を縦に振る訳にはいかない。
「流石ですねブレイク隊長……依頼内容は、ダイバーズ賛同者の中でも特に多額の寄付をしている富豪の一人絡みです」
「お、おい副長……それってまさか台湾の……本気か!? 最近もダイバーズの何チームかが依頼失敗を口実に、金を巻き上げられたばかりだろぉ!」
驚くと同時に、不愉快極まりない顔するブレイクとガルシアクルー達。
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