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第十章
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女帝フルールからの「同盟諸国を会議に参加させたくない理由」の重ねての問いが、裏の意味での援護射撃であると理解しているニプルウォートではあったが、カルニヴァとエルブ両王の立場とプライドを考慮に気付いていないフリをしつつ、天技に長けたフルール国の二人が密かに抱く懸念を代弁するが如く、
「天技の活用において他の同盟諸国が、主要四国と同じ水準の防衛力を持っているとは思えないからさ」
しかし、
「「…………」」
ピンと来ていない様子を窺わせるカルニヴァ王とエルブ王。
武(ぶ)を尊び得意とする「武勇の両国」に「天技の危うさを察しろ」とは、些か乱暴な物言いであったかも知れない。
山しか知らぬ山育ちの少年に「海の広さを説明せよ」と言うようなもの。
(言葉が足りなかったさぁ~)
ニプルウォートは内心で自嘲しつつ、二王のプライドも気遣った「砕けた笑顔」でニカッと笑い、
「兵士たちに守られてる「肉体の方」ならともかく、精神体だけのような「無防備な存在」になってる今のウチ等が、天技や地技の攻撃に晒されたらどうなると思うさ♪」
『『!』』
「ウチが仮想会議を狙う犯罪者なら「天技の防衛が強固な四大」からじゃなく、拙い国を足掛かりに侵入を謀って攻撃を仕掛けるさ♪ ウチは肉体を残して死にたくないからさぁ♪」
「「…………」」
彼女の懸念は現代地球のネット社会と共通する、脆弱な部分を踏み台にした攻撃を懸念しての事であった。
平たく言えば、格安セキュリティ対策ソフトを導入している子会社に、重要情報が詰まった本社サーバーへ容易に接続させて平気なのかと。
彼女なりに嚙み砕いて説明し、不安を分かり易く告げたつもりであったが、あまりに明け透けない物言いにリブロンは、
(言い方ぁ言い方ぁあぁ!!!)
凛たる表情の下で冷や汗が止まらなかったが、それは中世の諸国を巡って「外交と言うモノ」を経験から学んだスパイダマグも同様。
(こっ、怖いもの知らずなのです……)
諸王を前にした彼女の図太さに舌を巻いたが、会議自体が破綻ともなれば女帝フルールはホスト国として恥を世間に晒すことになり兼ねず、アドバイザーの身としても、これから本格化するであろう「地世との戦い」を前に連携を強めなければならない時宜からしても、
(それだけは何としても避けなければ!)
一枚布で隠した素顔で冷や冷やしながら、それとなくの恐る恐るで、
(りっ、立腹などされていないでしょうか……?)
二王の顔色をそっと窺い見た。
するとリブロンとスパイダマグの心配をよそに、
((!?))
二人の王様は愉快げに大笑い。
自身の「至らぬ点」を素直に認め、受け入れられる度量の広さこそ、大国の王たる証(あかし)か、器(うつわ)の表れか、ニプルウォートの着飾らず、ざっくばらんな物言いに気を良くした様子で、
『確かにヌシの言う通りじゃわい♪』
『流石はフルールの元騎士、見事な腹の据わりだな♪』
裏返せば国政における駆け引きや、腹の探り合いに辟易してか。
故に、国の政(まつりごと)に携わる女帝フルールや最側近のリブロンが同じ指摘をしていたら、どのような結果を迎えたか微妙な所ではある。
同じ立場に立つ者同士は同盟関係と言えどライバル関係のような側面があり、しかもそれを配下の者に、真っ向正論で諭されたとあっては王の面目は丸潰れ。
体面と言うモノもあり、笑って素直に受け止められていたか。
そして若干の不安要素を内包しつつ、試験運用の意味合いも含めた第一回目の「仮想空間における会議」は無事に終了の時を迎えた。
意思疎通において、文字や言葉だけでは伝わらない事も、仮の姿(アバター)とは言え表情があると伝わるものだと好感触を残し。
ただし運用面における問題点とは異なる、国同士、人間同士の体面ならではの危うさは匂わせ。
直接対面では時間を要する会議も天技を用いた仮想空間で重ねる事でスピード感を以て方針を固められ、四大大国を中心に同盟国はかつてない速さで連携を広げ、深めていく。
まかり「直接対面で会議を行う」ともなれば、どの国が仕切るか、どの国で行うか、どの場所で行うか、警備体制はどうするか、移動費宿泊費の負担はどうするのか、格式、警備、費用など、かつては些細な話し合いにも莫大な労力が必要とされたのである。
一言で言えば、時間と金の無駄。
しかし王が倒れるとは「国が倒れる」に同意。
自国の王の安全が確保されなければ、易々と対面会議など行えなかったのである。
それが今や「対面会議を開こう」と思い立ったら、スイッチ一つで仮想空間にフルダイブ。
当然、それぞれが国王と言う立場であるが故に「互いのスケジュール調整」こそ必要とされたが、かつての対面会議に要した労力と比較すれば雲泥の差の苦労である。
言うまでも無く、四大大国以外の国々はサーバーへのアクセスを許可されていないままであり、従来通りの「天技を用いた通信」で連絡していたが、それでも決め事の結果が生まれる速度は段違いとなった。
「天技の活用において他の同盟諸国が、主要四国と同じ水準の防衛力を持っているとは思えないからさ」
しかし、
「「…………」」
ピンと来ていない様子を窺わせるカルニヴァ王とエルブ王。
武(ぶ)を尊び得意とする「武勇の両国」に「天技の危うさを察しろ」とは、些か乱暴な物言いであったかも知れない。
山しか知らぬ山育ちの少年に「海の広さを説明せよ」と言うようなもの。
(言葉が足りなかったさぁ~)
ニプルウォートは内心で自嘲しつつ、二王のプライドも気遣った「砕けた笑顔」でニカッと笑い、
「兵士たちに守られてる「肉体の方」ならともかく、精神体だけのような「無防備な存在」になってる今のウチ等が、天技や地技の攻撃に晒されたらどうなると思うさ♪」
『『!』』
「ウチが仮想会議を狙う犯罪者なら「天技の防衛が強固な四大」からじゃなく、拙い国を足掛かりに侵入を謀って攻撃を仕掛けるさ♪ ウチは肉体を残して死にたくないからさぁ♪」
「「…………」」
彼女の懸念は現代地球のネット社会と共通する、脆弱な部分を踏み台にした攻撃を懸念しての事であった。
平たく言えば、格安セキュリティ対策ソフトを導入している子会社に、重要情報が詰まった本社サーバーへ容易に接続させて平気なのかと。
彼女なりに嚙み砕いて説明し、不安を分かり易く告げたつもりであったが、あまりに明け透けない物言いにリブロンは、
(言い方ぁ言い方ぁあぁ!!!)
凛たる表情の下で冷や汗が止まらなかったが、それは中世の諸国を巡って「外交と言うモノ」を経験から学んだスパイダマグも同様。
(こっ、怖いもの知らずなのです……)
諸王を前にした彼女の図太さに舌を巻いたが、会議自体が破綻ともなれば女帝フルールはホスト国として恥を世間に晒すことになり兼ねず、アドバイザーの身としても、これから本格化するであろう「地世との戦い」を前に連携を強めなければならない時宜からしても、
(それだけは何としても避けなければ!)
一枚布で隠した素顔で冷や冷やしながら、それとなくの恐る恐るで、
(りっ、立腹などされていないでしょうか……?)
二王の顔色をそっと窺い見た。
するとリブロンとスパイダマグの心配をよそに、
((!?))
二人の王様は愉快げに大笑い。
自身の「至らぬ点」を素直に認め、受け入れられる度量の広さこそ、大国の王たる証(あかし)か、器(うつわ)の表れか、ニプルウォートの着飾らず、ざっくばらんな物言いに気を良くした様子で、
『確かにヌシの言う通りじゃわい♪』
『流石はフルールの元騎士、見事な腹の据わりだな♪』
裏返せば国政における駆け引きや、腹の探り合いに辟易してか。
故に、国の政(まつりごと)に携わる女帝フルールや最側近のリブロンが同じ指摘をしていたら、どのような結果を迎えたか微妙な所ではある。
同じ立場に立つ者同士は同盟関係と言えどライバル関係のような側面があり、しかもそれを配下の者に、真っ向正論で諭されたとあっては王の面目は丸潰れ。
体面と言うモノもあり、笑って素直に受け止められていたか。
そして若干の不安要素を内包しつつ、試験運用の意味合いも含めた第一回目の「仮想空間における会議」は無事に終了の時を迎えた。
意思疎通において、文字や言葉だけでは伝わらない事も、仮の姿(アバター)とは言え表情があると伝わるものだと好感触を残し。
ただし運用面における問題点とは異なる、国同士、人間同士の体面ならではの危うさは匂わせ。
直接対面では時間を要する会議も天技を用いた仮想空間で重ねる事でスピード感を以て方針を固められ、四大大国を中心に同盟国はかつてない速さで連携を広げ、深めていく。
まかり「直接対面で会議を行う」ともなれば、どの国が仕切るか、どの国で行うか、どの場所で行うか、警備体制はどうするか、移動費宿泊費の負担はどうするのか、格式、警備、費用など、かつては些細な話し合いにも莫大な労力が必要とされたのである。
一言で言えば、時間と金の無駄。
しかし王が倒れるとは「国が倒れる」に同意。
自国の王の安全が確保されなければ、易々と対面会議など行えなかったのである。
それが今や「対面会議を開こう」と思い立ったら、スイッチ一つで仮想空間にフルダイブ。
当然、それぞれが国王と言う立場であるが故に「互いのスケジュール調整」こそ必要とされたが、かつての対面会議に要した労力と比較すれば雲泥の差の苦労である。
言うまでも無く、四大大国以外の国々はサーバーへのアクセスを許可されていないままであり、従来通りの「天技を用いた通信」で連絡していたが、それでも決め事の結果が生まれる速度は段違いとなった。
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