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第十章
10-22
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ちょっとした内輪メモをしている間に男は人通りの少ない裏路地に入り、建物の裏手に回ると、そこには、
(シンポウシャたち、なぉ……)
{{…………}}
数人の黒ローブが。
驚きはしなかった。
三人共に、なんとなく予期はしていたから。
大の大人が「見も知らぬ幼い四つ背」を長々コソコソ付け回すなど普通に考えて異常であり、尋常ならざる行為であったから。
それでも排除しなかったのは、不器用ながらも実直に、失敗を重ねながらも愚直に任務に当たる姿に、僅かばかり好感のような、親近感のような、と言うより父(仮)ラディッシュの姿を重ねていたのである。
しかしそれもここまで。
中世に災いをもたらす地世信奉者たちとの繋がりを目の当たりに、
「なぉぅ……」
落胆を見せる中世の七草チィックウィード。
心優しき彼女の失意はキーメとスプライツに怒りを与えるに十分であり、確かな敵の存在を前に、
{{カリトル(なんぉ・なんのぉ)!}}
自覚無きツンデレが、七草としての務めが、右目を白銀に、左目を漆黒に、戦闘モードに移行。
両袖に隠した暗器を取り出そうとしたが、
(マツなぉ!)
{{?!}}
チィックウィードが二人を制し、
(ようすをミルなぉ)
{{…………}}
何かしらの意図を感じさせる物言いに思いとどまる二人であったが、男と地世信奉者の繋がりは確定し、トロペオラム、オキザリス、フリージアに、いつ危害が及んでもおかしくない現状を前に、
{{見のがすつもり(なんぉ・なんのぉ)?!}}
(みのがす、なんてぇいってナイなぉ)
責め口調にチィックウィードは毅然と、
(ハイジョはいつでもできるなぉ。それよりジョウホウシュウシュウなぉ)
{{三人に何かあってからじゃおそい(なんぉ・なんのぉ)}}
(そのタメにもぉナニをたくらんでるかぁシルひつようがあるなぉ。ホカにもナカマがいたら、どうするなぉ?)
{{うっ……}}
今度は二人が返す言葉を失った。
違う真意が隠れていようとも、彼女の言う事は最もであるように思えたから。
他にも仲間が居て、報復で三人が襲われる可能性が皆無ではなく、
{{分かった(なんぉ・なんのぉ)}}
二人は両眼と戦闘態勢を戻して行動の主導権をチィックウィードに返し、隠密監視行動に移行した。
命の危機にあったなど露知らず、男からの事細かな報告を受けると、
『御苦労でした同志よ』
声から推察して男性と思われる野太い声で労をねぎらい、手の平にちょこんと乗る小袋を差し出す、黒ローブの一人。
すると彼は差し出された小袋が状況とタイミング的に「金銭である」と察した様子で、
『え?! こ、これはぁ?』
戸惑いを露にしたが、信奉者たちは淡々と、
「志を同じくしているからと言って」
「全て自腹で賄えとは理不尽でしょう」
「活動費の足しになさい」
中に入っているのが金銭であるのを改めて窺わせ、本人的には「まさかの臨時収入」であったのか、
『あっ、ありがとうございまぁす!』
手放しで感謝を伝え、信奉者たちはフード部分から僅かに覗く口元に微かな笑みを浮かべて頷くと、
「「「…………」」」
落ちた陽により生じた闇に紛れるように去って行った。
本日の追跡任務を、数々の問題を起こしながらも完了させた男を残し。
一人佇む彼を窺いながら、
(どうするなぉ? シンポウシャをおう、なぉ?)
{{イマはオトコのうごきをカンシする(なんぉ・なんのぉ)}}
問うチィックウィードに、即答の二人。
{{トロペオラムたちはイエにいるし、ケハイからしてサンカイしたシンポウシャをおうのはムイミ(なんぉ・なんのぉ)}}
(なるほどなぉ)
{{それに……}}
(?)
{{男のショウネを知るのがサイユウセン(なんぉ・なんのぉ)}}
(???)
本音は後者なのか、物言いからは若干の私的感情も。
それは平たく言えば「嫉妬」であった。
チィックウィードが何の確証も根拠も無く、手放しで信じる男に対する。
何だかんだと文句を言いつつも二人は、開けっ広げで誰にでも優しい、陽向の香りがする彼女の事が大好きなのである。
残された男を物陰から、
{{…………}}
訝しい想いで見つめるキーメとスプライツ。
(シンポウシャたち、なぉ……)
{{…………}}
数人の黒ローブが。
驚きはしなかった。
三人共に、なんとなく予期はしていたから。
大の大人が「見も知らぬ幼い四つ背」を長々コソコソ付け回すなど普通に考えて異常であり、尋常ならざる行為であったから。
それでも排除しなかったのは、不器用ながらも実直に、失敗を重ねながらも愚直に任務に当たる姿に、僅かばかり好感のような、親近感のような、と言うより父(仮)ラディッシュの姿を重ねていたのである。
しかしそれもここまで。
中世に災いをもたらす地世信奉者たちとの繋がりを目の当たりに、
「なぉぅ……」
落胆を見せる中世の七草チィックウィード。
心優しき彼女の失意はキーメとスプライツに怒りを与えるに十分であり、確かな敵の存在を前に、
{{カリトル(なんぉ・なんのぉ)!}}
自覚無きツンデレが、七草としての務めが、右目を白銀に、左目を漆黒に、戦闘モードに移行。
両袖に隠した暗器を取り出そうとしたが、
(マツなぉ!)
{{?!}}
チィックウィードが二人を制し、
(ようすをミルなぉ)
{{…………}}
何かしらの意図を感じさせる物言いに思いとどまる二人であったが、男と地世信奉者の繋がりは確定し、トロペオラム、オキザリス、フリージアに、いつ危害が及んでもおかしくない現状を前に、
{{見のがすつもり(なんぉ・なんのぉ)?!}}
(みのがす、なんてぇいってナイなぉ)
責め口調にチィックウィードは毅然と、
(ハイジョはいつでもできるなぉ。それよりジョウホウシュウシュウなぉ)
{{三人に何かあってからじゃおそい(なんぉ・なんのぉ)}}
(そのタメにもぉナニをたくらんでるかぁシルひつようがあるなぉ。ホカにもナカマがいたら、どうするなぉ?)
{{うっ……}}
今度は二人が返す言葉を失った。
違う真意が隠れていようとも、彼女の言う事は最もであるように思えたから。
他にも仲間が居て、報復で三人が襲われる可能性が皆無ではなく、
{{分かった(なんぉ・なんのぉ)}}
二人は両眼と戦闘態勢を戻して行動の主導権をチィックウィードに返し、隠密監視行動に移行した。
命の危機にあったなど露知らず、男からの事細かな報告を受けると、
『御苦労でした同志よ』
声から推察して男性と思われる野太い声で労をねぎらい、手の平にちょこんと乗る小袋を差し出す、黒ローブの一人。
すると彼は差し出された小袋が状況とタイミング的に「金銭である」と察した様子で、
『え?! こ、これはぁ?』
戸惑いを露にしたが、信奉者たちは淡々と、
「志を同じくしているからと言って」
「全て自腹で賄えとは理不尽でしょう」
「活動費の足しになさい」
中に入っているのが金銭であるのを改めて窺わせ、本人的には「まさかの臨時収入」であったのか、
『あっ、ありがとうございまぁす!』
手放しで感謝を伝え、信奉者たちはフード部分から僅かに覗く口元に微かな笑みを浮かべて頷くと、
「「「…………」」」
落ちた陽により生じた闇に紛れるように去って行った。
本日の追跡任務を、数々の問題を起こしながらも完了させた男を残し。
一人佇む彼を窺いながら、
(どうするなぉ? シンポウシャをおう、なぉ?)
{{イマはオトコのうごきをカンシする(なんぉ・なんのぉ)}}
問うチィックウィードに、即答の二人。
{{トロペオラムたちはイエにいるし、ケハイからしてサンカイしたシンポウシャをおうのはムイミ(なんぉ・なんのぉ)}}
(なるほどなぉ)
{{それに……}}
(?)
{{男のショウネを知るのがサイユウセン(なんぉ・なんのぉ)}}
(???)
本音は後者なのか、物言いからは若干の私的感情も。
それは平たく言えば「嫉妬」であった。
チィックウィードが何の確証も根拠も無く、手放しで信じる男に対する。
何だかんだと文句を言いつつも二人は、開けっ広げで誰にでも優しい、陽向の香りがする彼女の事が大好きなのである。
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