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第八章
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状況説明を手短に受けた天世の二人は彼女の先走りに、
(何やってんだョリンドウちゅぁん!? 正体をバラす気かぁい!)
(町に居られなくなるわよ!)
迂闊な行為に苛立ちを覚えた次の瞬間、未だもうもうと立ち込める土煙の奥から、
パァアァアアァァァアアァ!
目も眩む白光が全方位に放たれ、町の人々は「謎の眩しさ」に目を覆い、
『『『『『『『『『『何ぃいぃ?!!!』』』』』』』』』』
ラディッシュたち勇者組と天世の二人も眩しさに手をかざしながら、
《これは天法の輝きぃ!》
被災した人々の無事を確信しつつも、
「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」
複雑な心境が表情に現れた。
すると、
パァアァン!
光が全方位に弾けると同時、視界を遮っていた土煙の全てが一瞬にして消し飛び、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
町の人々は開けた視界で目にした物に、
『『『『『『『『『『!!!』』』』』』』』』』
慄いた。
事故の激しさを物語る倒壊した外壁や足場の残骸に紛れ、幾つもの白き輝きが点々と。
その輝きの中には作業員や町の人々の無事な姿があり、自身の身に何が起きたか分からない様子でただただ唖然と、
「「「「「「「「……………」」」」」」」」
包む「白き輝き」を見回していた。
本来であれば町の人々は「同胞の無事」を、手放しで即座に喜ぶところ。
しかし一様に何かを凝視し、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
息を呑んだ。
その視線の先にあったのは、
「…………」
ひと際、白き輝きを放つ、百人の天世人の姿となった序列二位リンドウ。
自身が放つ光の中、幼子を伴った母親を身を挺して守りながら。
そして彼女は茫然自失で固まる人々に向け「喝(かつ)」を発するが如く、
『何をボーッとしてるしぃ!』
激しい口調で尻重(しりおも)を叩き、
「足場から落ちた人達の手当てぉ早くするのしぃ!」
罵声のような怒鳴り声に、
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
町の人々は「ハッ」と我を取り戻し、
《今は彼女(リンドウ)を気にしている場合じゃない!》
慌てて救助に駆け出し、ラディッシュ達も即座に加わった。
ターナップとパストリスは治療にあたり、他の者はガレキの撤去と救助作業に。
町の人達の、彼女の正体に対する「受け止め方」に不安を抱きつつ。
知られてしまったリンドウの正体。
懸念は、懸命な救助作業中でありながら現実に。
リンドウの活躍により死亡者が出なかったにも関わらず、目の色に怪訝を滲ませ、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
チラチラ様子を窺い作業にあたる人々。
疑いの眼差しは、正体を隠したままのゴゼンとヒレンにも向けられ。
ヒレンが「町に居られなく」と感じた通り、この国は未だ天世アレルギーとも言えるトラウマを抱えたままであった。
天世に反旗を翻す為に序列一位のハクサンが国政を陰で操り、国を乗っ取り、ラディッシュ達の活躍が間に合っていなければパラジット共和国の首都パラジクスの二の舞。
下手をすれば国ごと消されていた可能性も否定できず、天世に、百人の天世人に、拒否反応を示すのはやむを得ないと言えた。
しかしリンドウと、百人の天世人と思しき二人(ゴゼンとヒレン)の復興作業にあたる献身は町の人々も認める所であり、悪党は「どこの世界にも居る」との認識もあり、
《ハクサンとは違う!》
頭では理解していた。
理解していてなお、心が、本能が、受け入れるのを躊躇わせていたのであった。
(何やってんだョリンドウちゅぁん!? 正体をバラす気かぁい!)
(町に居られなくなるわよ!)
迂闊な行為に苛立ちを覚えた次の瞬間、未だもうもうと立ち込める土煙の奥から、
パァアァアアァァァアアァ!
目も眩む白光が全方位に放たれ、町の人々は「謎の眩しさ」に目を覆い、
『『『『『『『『『『何ぃいぃ?!!!』』』』』』』』』』
ラディッシュたち勇者組と天世の二人も眩しさに手をかざしながら、
《これは天法の輝きぃ!》
被災した人々の無事を確信しつつも、
「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」
複雑な心境が表情に現れた。
すると、
パァアァン!
光が全方位に弾けると同時、視界を遮っていた土煙の全てが一瞬にして消し飛び、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
町の人々は開けた視界で目にした物に、
『『『『『『『『『『!!!』』』』』』』』』』
慄いた。
事故の激しさを物語る倒壊した外壁や足場の残骸に紛れ、幾つもの白き輝きが点々と。
その輝きの中には作業員や町の人々の無事な姿があり、自身の身に何が起きたか分からない様子でただただ唖然と、
「「「「「「「「……………」」」」」」」」
包む「白き輝き」を見回していた。
本来であれば町の人々は「同胞の無事」を、手放しで即座に喜ぶところ。
しかし一様に何かを凝視し、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
息を呑んだ。
その視線の先にあったのは、
「…………」
ひと際、白き輝きを放つ、百人の天世人の姿となった序列二位リンドウ。
自身が放つ光の中、幼子を伴った母親を身を挺して守りながら。
そして彼女は茫然自失で固まる人々に向け「喝(かつ)」を発するが如く、
『何をボーッとしてるしぃ!』
激しい口調で尻重(しりおも)を叩き、
「足場から落ちた人達の手当てぉ早くするのしぃ!」
罵声のような怒鳴り声に、
「「「「「「「「「「!」」」」」」」」」」
町の人々は「ハッ」と我を取り戻し、
《今は彼女(リンドウ)を気にしている場合じゃない!》
慌てて救助に駆け出し、ラディッシュ達も即座に加わった。
ターナップとパストリスは治療にあたり、他の者はガレキの撤去と救助作業に。
町の人達の、彼女の正体に対する「受け止め方」に不安を抱きつつ。
知られてしまったリンドウの正体。
懸念は、懸命な救助作業中でありながら現実に。
リンドウの活躍により死亡者が出なかったにも関わらず、目の色に怪訝を滲ませ、
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
チラチラ様子を窺い作業にあたる人々。
疑いの眼差しは、正体を隠したままのゴゼンとヒレンにも向けられ。
ヒレンが「町に居られなく」と感じた通り、この国は未だ天世アレルギーとも言えるトラウマを抱えたままであった。
天世に反旗を翻す為に序列一位のハクサンが国政を陰で操り、国を乗っ取り、ラディッシュ達の活躍が間に合っていなければパラジット共和国の首都パラジクスの二の舞。
下手をすれば国ごと消されていた可能性も否定できず、天世に、百人の天世人に、拒否反応を示すのはやむを得ないと言えた。
しかしリンドウと、百人の天世人と思しき二人(ゴゼンとヒレン)の復興作業にあたる献身は町の人々も認める所であり、悪党は「どこの世界にも居る」との認識もあり、
《ハクサンとは違う!》
頭では理解していた。
理解していてなお、心が、本能が、受け入れるのを躊躇わせていたのであった。
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