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第八章
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顔に出てしまった「リンドウ序列二位」の内なる失念を、勇者組が苦笑で誤魔化し合っていると、見透かしたゴゼンが「ニィヒヒ」とイタズラっぽく笑いながら、
「リンドウちゅぁんてば、元は天世で「尼僧」だったんよぉ♪ 今は「こんなん」だけどぉお♪」
『『『『『『『に、にぃそうぉ?!!!』』』』』』』
更なる驚きを隠せない勇者組を横目に、
『「こんなん」ってぇ、どう言う意味しぃ! って言うかぁ「アーシが元尼僧」でぇ何でそんなに驚くのしぃ!』
心外そうなリンドウではあったが、彼女の今の容姿は、派手目なメイクに、派手目な服。
どう見ても、
(((((((ギャル……)))))))
同人誌で幾度となく目にした「イケイケ」、「アゲアゲ」、「パリピな女子」にしか見えず、尼僧とは対極の豹変ぶりに、
(((((((クロウぅしたんだぁ……)))))))
勇者組は目頭を、手でそっと押さえて涙した。
『どう言う意味の涙しぃ!』
納得いかない様子のリンドウ。
『弱いままの見た目だと上位には行けないのしぃ! 上位になれば百人の天世人をぉ、元老院をぉ、天世の世界をぉ、変えられると思ったのしぃ!』
努力を重ねた理由を、のし上がった原動力を、勢い任せで少し照れ臭そうに熱く語った。
しかし、
「でも……」
「「「「「「「?」」」」」」」
急にトーンを下げ、
「そんなアーシを上回る異端が、百人の天世人にはもう居たのしぃ……」
(((((((!)))))))
察した様子を見せた勇者組に、
「そうしぃ」
彼女は静かに頷き、
「アーシが百人の天世人に指名されるより遥か前、長く空座だった一席に、異例の「中世人の身」で就てぇ、天世の民衆の「停滞していた生活改善」に尽力してぇ、圧倒的支持を集めて一位に登り詰めたのが、ラミウムなのしぃ」
当時を懐かしみ、虚空を見つめて語るリンドウ。
その眼に浮かんで見えたのは「羨望」であったが、そんな彼女を、
『でも彼女は失敗したわ』
現実に引きずり戻したのはヒレン。
「…………」
反論無く視線を落とすリンドウと、
『『『『『『『しっぱい?!』』』』』』』
どよめく勇者組に、ヒレンは「何を今さら」とでも言いたげに、
「次代の魔王を誕生させたからよ」
(((((((プエラリア!)))))))
動じる七人にゴゼンは追い打ちを掛けるが如く、
「いやぁ~流石にアレはぁマズかったョねぇ~♪」
同じ「百人の天世人の身」でありながら連帯責任を感じさせない、まるで他人事のように笑いながら、
「元老院や民衆から「ヤッパリかぁよ」って、手の平返しされちゃったよねぇ~♪」
「「「「「「「や、やっぱりぃ?!」」」」」」」
話の筋が読めていない顔を見せると、
『アレぇアレぇ~知ぃらないのぉ~♪』
彼はおどけて見せながら、
「もしかぁ本人から聴かされてぇナイとかぁ~♪ ラミウムが、どぅして天世で嫌われていたのかぁおぉ♪」
「ラミィが、元は「中世人だったから」じゃないの?!」
以前に聴いた話をラディッシュ口にすると、彼は得意げに「ニヒィ」と笑って、
「あぁ~残念♪ 半分正解ぃ半分不正解ぃ♪ それだけじゃナイんだョねぇ~♪」
(((((((…………)))))))
勿体ぶった物言いに、少々イラッと来る勇者組。
事情を知る筈のリンドウとヒレンでさえ苛立ちを覚えた顔をしたが、彼は気にする風も無く、変わらぬ軽薄で以て、
「彼女(ラミウム)が受け継いだチカラはぁ、初代魔王ちゃんのチカラだからだぁョん♪」
(((((((え???!)))))))
ラディッシュたち勇者組は、大いに混乱した。
「リンドウちゅぁんてば、元は天世で「尼僧」だったんよぉ♪ 今は「こんなん」だけどぉお♪」
『『『『『『『に、にぃそうぉ?!!!』』』』』』』
更なる驚きを隠せない勇者組を横目に、
『「こんなん」ってぇ、どう言う意味しぃ! って言うかぁ「アーシが元尼僧」でぇ何でそんなに驚くのしぃ!』
心外そうなリンドウではあったが、彼女の今の容姿は、派手目なメイクに、派手目な服。
どう見ても、
(((((((ギャル……)))))))
同人誌で幾度となく目にした「イケイケ」、「アゲアゲ」、「パリピな女子」にしか見えず、尼僧とは対極の豹変ぶりに、
(((((((クロウぅしたんだぁ……)))))))
勇者組は目頭を、手でそっと押さえて涙した。
『どう言う意味の涙しぃ!』
納得いかない様子のリンドウ。
『弱いままの見た目だと上位には行けないのしぃ! 上位になれば百人の天世人をぉ、元老院をぉ、天世の世界をぉ、変えられると思ったのしぃ!』
努力を重ねた理由を、のし上がった原動力を、勢い任せで少し照れ臭そうに熱く語った。
しかし、
「でも……」
「「「「「「「?」」」」」」」
急にトーンを下げ、
「そんなアーシを上回る異端が、百人の天世人にはもう居たのしぃ……」
(((((((!)))))))
察した様子を見せた勇者組に、
「そうしぃ」
彼女は静かに頷き、
「アーシが百人の天世人に指名されるより遥か前、長く空座だった一席に、異例の「中世人の身」で就てぇ、天世の民衆の「停滞していた生活改善」に尽力してぇ、圧倒的支持を集めて一位に登り詰めたのが、ラミウムなのしぃ」
当時を懐かしみ、虚空を見つめて語るリンドウ。
その眼に浮かんで見えたのは「羨望」であったが、そんな彼女を、
『でも彼女は失敗したわ』
現実に引きずり戻したのはヒレン。
「…………」
反論無く視線を落とすリンドウと、
『『『『『『『しっぱい?!』』』』』』』
どよめく勇者組に、ヒレンは「何を今さら」とでも言いたげに、
「次代の魔王を誕生させたからよ」
(((((((プエラリア!)))))))
動じる七人にゴゼンは追い打ちを掛けるが如く、
「いやぁ~流石にアレはぁマズかったョねぇ~♪」
同じ「百人の天世人の身」でありながら連帯責任を感じさせない、まるで他人事のように笑いながら、
「元老院や民衆から「ヤッパリかぁよ」って、手の平返しされちゃったよねぇ~♪」
「「「「「「「や、やっぱりぃ?!」」」」」」」
話の筋が読めていない顔を見せると、
『アレぇアレぇ~知ぃらないのぉ~♪』
彼はおどけて見せながら、
「もしかぁ本人から聴かされてぇナイとかぁ~♪ ラミウムが、どぅして天世で嫌われていたのかぁおぉ♪」
「ラミィが、元は「中世人だったから」じゃないの?!」
以前に聴いた話をラディッシュ口にすると、彼は得意げに「ニヒィ」と笑って、
「あぁ~残念♪ 半分正解ぃ半分不正解ぃ♪ それだけじゃナイんだョねぇ~♪」
(((((((…………)))))))
勿体ぶった物言いに、少々イラッと来る勇者組。
事情を知る筈のリンドウとヒレンでさえ苛立ちを覚えた顔をしたが、彼は気にする風も無く、変わらぬ軽薄で以て、
「彼女(ラミウム)が受け継いだチカラはぁ、初代魔王ちゃんのチカラだからだぁョん♪」
(((((((え???!)))))))
ラディッシュたち勇者組は、大いに混乱した。
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