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第八章

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 日を改めたオエナンサ邸の中庭にて――

 青空の下、
「「「…………」」」
「「「「「「…………」」」」」」
 円卓会議を催す天世の三人と、勇者組。

 しかしそこにラディッシュの姿は無く、議題は当然の如く「彼の今後」について。

 重苦しい空気の、
「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」
 しばしの沈黙の後にリンドウが、

「ラディは、今どうしてるしぃ?」
「私の勧めで、今日は早くから英霊公園に行っていますわ」

 ドロプウォートの報告に彼女は頷き満を持し、

「ヤッパぁ「このままじゃイケナイ」と、アーシは思うしぃ」
「ですが誰にだって「触れて欲しくない事」の一つや二つや三つや四つ、ありましてですわ」

((((((((いくつ、あるんだよ……))))))))

 話の腰を折らない為に、あえて内心でツッコム仲間たちに気付く様子も無く、

「貴方にも、有るのではなくてぇ?」

 ドロプウォートの返しに、

『そんなモノぁアーシに無いしぃ!!!』

 清々しいほどの断言で切り返すリンドウ。
 同胞であるゴゼンとヒレンは「彼女らしい」と思った様子で苦笑する中、ラディッシュを欠いた勇者組の面々は、

「「「「「「・・・」」」」」」

 思わず絶句したが、ドロプウォートは彼女の「呆れるほどの単純さ」に、
「何故に貴方は、そこまで強気で居られますわの?」
 若干の「羨望」も滲ませながら問うと、リンドウは答えの体裁を整えようとする素振りも無しに即答で、

『アーシはぁ』

 何かしらの逸話を口にしようとした。
 しかし、

『えぇ?!』

 明後日の方から、聞き覚えのある驚き声が唐突に上がり、
(((((((((!?)))))))))
 一斉に振り向く、九人。
 視線の先に居たのは、

《ラディッシュ》

 英霊公園に行った筈の彼であった。
 彼を除いて集まって居た議題に、やましい所がある訳では無かったが、

(((((((((…………)))))))))

 流石に少々気マズイ。
 とは言えそれは、期せずして中庭に立ち入ったラディッシュも同じ。
 自分以外のメンバーが勢揃いしている場面を目の当たりに、
(へ、ヘンな時に戻って来ちゃった……)
 後悔しても、今さら逃げも隠れも、まして引っ込みようも無く、

「わ、忘れ物をしちゃってぇ、さ……♪」

 引きつり笑顔でお茶を濁しながら、

「じゃ、じゃあ、そう言う事でぇ♪」

 即時退散を決め込もうとした。
 すると、

『ちぉょっと待つしぃ!』
「?!」

 制止を促したのはリンドウ。
 気マズイ空気の中、彼に「なんと声を掛ければ良い」か、言い訳が見つけられなかったドロプウォート達の一方で。
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