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第七章

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 サロワートは、自身の寂しさは内に秘めつつ、

『じゃぁ「最後の村」を決めるわよ♪』

 例の如く術を発動させる前準備として「背中を向けるよう」に指示し、ラディッシュは仲間たちと、
「「「「「「「…………」」」」」」」
 いつものように促されるまま背を向けたが、

(これが「最後」かぁ……)

 改めて染み染み思い入り、
(そう言えば……術の時に聞こえる「カラン」って音は、結局何なんだろぉ?)
 最後と言われた事で好奇心が否応なし刺激され、

(見てみたぁい!)

 しかし、

{そんなのは「メっ」、なのでぇす!}

 心の中にパストリスの容姿を持った天使が、両手で「×」を描いて登場し、
{約束を破ってぇ術が失敗したらぁ、怒られるダケじゃ済まないのでぇすぅ!}
(そっ、そうだよねぇ……)
 ラディッシュが思い留まろうとすると、

{何を言ってやがるぅのさぁ?!}

 御多分に洩れず、悪魔も登場。
 悪魔は「当人には申し訳なく」も、仲間内の「とある一人」の、ニプ〇ウォー〇の容姿で登場し、
{黙ってチラ見でもすりゃバレやしねぇさぁ♪ コイツでぇ最後なんだぜぇ?! 音の正体を知りたくはないのさぁ~?}
(そ、それは……)
 揺れ動くラディッシュを間に挟んで、

{何を言ってるでぇす! ダメな物はぁダメなのでぇすぅ!}
{ケチケチすんじゃねぇさぁ♪}

 天使と悪魔が、激しくせめぎ合い。
 結果として、

(でも、やっぱりコレが最後だからぁ!)

 好奇心の勝利。
 天使が悔し気に「愛らしい地団駄」を踏み踏み、不敵に笑う悪魔と姿を消し、

(ちょ、ちょっとだけ……そぉ~っと、で……)

 言い訳がましく、慎重に振り返ったラディッシュではあったが、

『えぇっ!?』

 目にした何かに思わず驚きの声を上げ、

『!!!』

 見られてギョッとしたサロワート以上に、

『なんですとぉおぉっ!!!?』

 驚愕の声で藪から飛び出して来たのは、

『『『『『『『『フリンジィ!!!』』』』』』』』

 地世の七草であった。
 彼はいつもと変わらぬ両目を閉じた状態でこそあったが、目にした何かに怒りが収まらない様子で、

『そぉんな「下らない方法」でぇ当方の華麗なる追跡をかわし続けていたですとぉお!!!』

 一方的に憤慨し、サロワートやラディッシュ達に口を挟む隙を与えず、
「地世の「智将」と名高き当方がぁ恥を忍んでの人海戦術で探し出してみればぁあぁあ!」
 悪し様に、続けざまに罵られた彼女は「羞恥を窺わせる赤面顔」ながらも、

『「下らない方法」とは何よぉお!』

 負けじと食って返し、
「それにぃ「アンタなんか」が智将だなんて初めて聞いたわぁ!」
 即座に皮肉で反撃に打って出て、罵り返されたフリンジも、

「当方に対して「なんか」とは何事ですか!」

 低レベルな内輪モメを、
『『『『『『『・・・・・・』』』』』』』
 物言いたげなジト目で黙って見つめる勇者組。

 その視線は、罵り合いをするサロワートの右手に握られた「一本の棒切れ」に注がれていて、
「「「「「「「…………」」」」」」」
 自分たちの地世における命運が「その辺で拾った枝」による「棒倒し」に左右されていたと知る。

「!」

 視線に気付くサロワート。

『なっ、何よぉ!』

 バツが悪くもキレ気味に、
「こっ、このぉ変態の先読みを上回る方法が「コレ」しか思い付かなかったよぉ!」
「「「「「「「…………」」」」」」」
 必死な赤面顔から「苦肉の策」であったのを知り、また同時に、

≪恥ずかしい自覚はあったんだぁ……≫

 同情を否めないフリンジと勇者組ではあったが、ラディッシュ達にとって一歩間違えば敵陣のど真ん中。

(((((((…………)))))))

 釈然としない思いを抱いていると、

『それにしても「やはり貴方」でしたかサロワート』
「…………」

 フリンジは神経質そうな面立ちのこめかみに怒りを滲ませ、

「中世の七草を手助けし、あまつさえ当方が施した「中世の七草の出現場所」を別の場所に変えたのは」
(((((((!)))))))

 彼女の助力が、その場の思い付きや、成り行きでは無かったのを、改めて知るラディッシュ達。
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