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第六章
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女帝とまで呼ばれ畏れられる彼女が、今、何を想い、幼き少女を抱き締めているのか、それは当人にしか知り得ない話であるが、女王フルールは穏やかな笑みを浮かべたままチィックウィードから静かに離れ、
「いきなり抱き締めなどぉほんにぃ済まなかったぇ。チィがぁ、あまりに愛らしい故、許しておくんなんしぃ」
謝罪を口にするとチィックウィードはニカッと笑って、
「しかたナイなぉ♪」
「ん?」
「だってぇチイはぁ、とぉ~~~ってもぉカワイイなぉ♪」
その屈託ない天使の笑顔に、
「ほぉんにのぉ~♪」
女王も目尻を下げると、
(?)
一人の視線が眼の端に留まり、妖艶な笑み湛えたまま、
「ヌシよぉ、いかなしたぇ?」
見つめた先に居たのは、跪くイリス。
彼女は「初対面となる女帝」を前に、物怖じする素振りも無く、
「いやぁ~意外に思ってさねぇ……」
「意外とはぁ何ぞぉ?」
「ゴツイ女騎士たちの頭目で、女帝とまで呼ばれる「名高き女王フルール陛下」が、まさかこんな、」
「子供好きとは意外かぇ?」
「血も涙も無い、冷酷無情な女傑かとぉ」
「なぁんとぉ? 他国での妾の評価とはぁ、其(そ)の様にありぃんしたかぇ~世間とは辛辣よのぉ~♪」
彼女は「ほっほっほっ」と愉快げに笑い、
「さりとてぇ意外と言えばヌシとて……」
口にしかけた「何か」を、
「いや……何でんありんせぇんぇ♪」
あえて飲み込みフッと小さく笑い、
「期待を裏切りぃ失望しんしたかぇ?」
からかいを交えて問うたが、イリスはむしろ彼女の「口籠った先」が気に掛かり、
(まさかアタシの正体に?!)
秘め事を抱えているが故に内心で動じてしまい、即答できずに居ると、
『失望などしぃせぇん!!!』
「?」
声を張り上げたのは、カドウィード。
女王の立ち振る舞いが琴線に触れた彼女は珍しく前のめりに、
「フルール陛下をぉ「あね様」と、呼んで良きにありぃんすかぇ?!」
『『『『『『『『『『えぇっ?!』』』』』』』』』』
ラディッシュ達やリブロン、そして居合わせた女騎士たちが驚く中、カドウィードの容姿に、言葉に、同じニオイを感じた女王フルールは当然の如く、
「拒む理由が何処にありんすぅ?」
「!!!」
応えに、目指すべき完成形を見つけた彼女は嬉しそうに身震い、
『カディと呼んでおくんなぁんしぃ、あね様ぁ♪』
「ほっほっほっ♪ うい娘よのぉ♪」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
二人だけの世界にツッコミ処は満載であったが、リブロンは重大案件を思い出した様子で毅然を取り戻し、ご満悦な女王フルールの耳元に、
「陛下、そろそろ本題に入りませんと」
すると彼女も妖艶な笑みの中に気付きを見せ、
「そうでぇありんしたなぁ」
謁見の間に立ち会う「手練れの女騎士たち」を見回し、
「妾の娘たちよぉ、下がって良きにありんすぇ」
その言葉に、彼女たちは異論も疑問も無く、
「「「「「「ハッ! 失礼致します!」」」」」」
粛々と退出して行き、謁見の間に残っているのは女王フルールとリブロン、そしてラディッシュ達八人のみとなった。
「いきなり抱き締めなどぉほんにぃ済まなかったぇ。チィがぁ、あまりに愛らしい故、許しておくんなんしぃ」
謝罪を口にするとチィックウィードはニカッと笑って、
「しかたナイなぉ♪」
「ん?」
「だってぇチイはぁ、とぉ~~~ってもぉカワイイなぉ♪」
その屈託ない天使の笑顔に、
「ほぉんにのぉ~♪」
女王も目尻を下げると、
(?)
一人の視線が眼の端に留まり、妖艶な笑み湛えたまま、
「ヌシよぉ、いかなしたぇ?」
見つめた先に居たのは、跪くイリス。
彼女は「初対面となる女帝」を前に、物怖じする素振りも無く、
「いやぁ~意外に思ってさねぇ……」
「意外とはぁ何ぞぉ?」
「ゴツイ女騎士たちの頭目で、女帝とまで呼ばれる「名高き女王フルール陛下」が、まさかこんな、」
「子供好きとは意外かぇ?」
「血も涙も無い、冷酷無情な女傑かとぉ」
「なぁんとぉ? 他国での妾の評価とはぁ、其(そ)の様にありぃんしたかぇ~世間とは辛辣よのぉ~♪」
彼女は「ほっほっほっ」と愉快げに笑い、
「さりとてぇ意外と言えばヌシとて……」
口にしかけた「何か」を、
「いや……何でんありんせぇんぇ♪」
あえて飲み込みフッと小さく笑い、
「期待を裏切りぃ失望しんしたかぇ?」
からかいを交えて問うたが、イリスはむしろ彼女の「口籠った先」が気に掛かり、
(まさかアタシの正体に?!)
秘め事を抱えているが故に内心で動じてしまい、即答できずに居ると、
『失望などしぃせぇん!!!』
「?」
声を張り上げたのは、カドウィード。
女王の立ち振る舞いが琴線に触れた彼女は珍しく前のめりに、
「フルール陛下をぉ「あね様」と、呼んで良きにありぃんすかぇ?!」
『『『『『『『『『『えぇっ?!』』』』』』』』』』
ラディッシュ達やリブロン、そして居合わせた女騎士たちが驚く中、カドウィードの容姿に、言葉に、同じニオイを感じた女王フルールは当然の如く、
「拒む理由が何処にありんすぅ?」
「!!!」
応えに、目指すべき完成形を見つけた彼女は嬉しそうに身震い、
『カディと呼んでおくんなぁんしぃ、あね様ぁ♪』
「ほっほっほっ♪ うい娘よのぉ♪」
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
二人だけの世界にツッコミ処は満載であったが、リブロンは重大案件を思い出した様子で毅然を取り戻し、ご満悦な女王フルールの耳元に、
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「そうでぇありんしたなぁ」
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「妾の娘たちよぉ、下がって良きにありんすぇ」
その言葉に、彼女たちは異論も疑問も無く、
「「「「「「ハッ! 失礼致します!」」」」」」
粛々と退出して行き、謁見の間に残っているのは女王フルールとリブロン、そしてラディッシュ達八人のみとなった。
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