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第三章

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 その日の夜――
 
 夕食を終え、焚火を囲むラディッシュ達。
 カルニヴァ城に近づいたのもあり、話は自然と現カルニヴァ王の事に。

「ね、ねぇ、プルプレアさぁん……そ、そのぉ……王様って、どんな感じの人なのぉ?」

 及び腰で尋ねるラディッシュ。
 この国における「己の正しさはチカラで示せ」的な人々を、数々目の当たりにして来た彼は、その頂たる王との謁見を前に、早くも尻込みを覚えていたのであった。
 しかし「異国の王」に興味津々はドロプウォート、ニプル、パストリス。

「ですわねぇ! 謁見を前に、近しい貴方から是非に伺っておきたいですわ♪」
「やっぱり、アレかぁい?! チカラ押しの「脳筋筆頭」な感じなのかぁい?!!!」
「コワイ人じゃないのでぇすぅ?!」

 身を乗り出したが、ハクサンは辟易笑いで、

「男の話なんてぇ興味ないねぇ」

 一方のターナップは、

「…………」

 絶賛落ち込み中。
 パストリスを危うく傷付けかけた、迂闊な自身に対し。
 そんな六者六様の反応を示すラディッシュ達を前に、

『確かに「脳筋筆頭な所」はあるがなぁ』

 プルプレアはニッと笑って、
「だが現王は、人を頭ごなしに、チカラで押さえつけたりはしない、昔から「仲間想い」な「気のイイ奴」なのさぁ」
 幼馴染とは言え、自国の王を「気のイイ奴」呼ばわりする、少し赤みを帯びた笑顔に、

(((((!)))))

 とあるアンテナが反応する、ラディッシュ、ドロプウォート、パストリス、ニプルそしてハクサン。
 特にニプル(※BL同人好き)が、満面の笑顔でうんうん頷きながら、頭の中では同人誌作業で培った「妄想力」から現王カルニヴァとプルプレアを原材料に「良からぬ光景」が暴走展開。

「そぅかぁそぅかぁ、そぅなんだぁ~♪」

 その緩み切った笑顔に、

「ん?」

 違和感を覚えて首を傾げるプルプレアと、彼女がどんな妄想しているか、手に取る様に分かるが故に、
((((あはははは……))))
 心の中で苦笑いするラディッシュ、ドロプウォート、パストリス、ハクサン。

 幸せそうな「笑顔のニプル」は一先ず横に置き、プルプレアの口振りから、
(とりあえず、怖い王様じゃないみたいだなぁ)
 安堵を覚えるラディッシュ。
 すると話題の中心プルプレアが、

(!)

 急に小さく身震い、
「は、話の途中で、ちょっと悪い……」
 邪除けの香炉を手にした事で、

((((用足し……))))

 無言で理解するラディッシュ達ではあったが、ハクサンだけニコニコ顔で、

『おっきいのが出ると良いねぇ♪』

 すかさず、

『小さい方だよォ!』

 言わなくて良いツッコミを赤面顔で返す、生真面目プルプレア。
 自ら掘った墓穴とは言え、

(!)

 羞恥と憤慨の入り混じった赤い顔して、ズンズン足を踏み鳴らしながら森の奥へと消えて行った。
「アハハハハ」
 愉快そうに笑うハクサンに、
((((まったく、この人はぁ……))))
 呆れ笑うラディッシュ達であったが、ドロプウォートがおもむろに、

「さぁて」

 立ち上がり、パストリスとニプルに目配せ。
((!))
 意味を悟った二人も小さく頷き立ち上がると、またもハクサンが、

「三人で用足し?」

『『『湯あみ(ですわ・なのでぇすぅ・さァ)!』』』

 赤面顔での一斉ツッコミ。
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