133 / 645
第二章
2-16
しおりを挟む
男が足を止めたのは――
背表紙がやたらと薄い本が並ぶ一角。
男はその中の一冊を引き抜き、
(……初心者には、コレ位の(刺激の強さ)で十分……)
とあるページを開いて見せ、
『『『絵ぇーーーーーーーーーッ!!!?』』』
激しい衝撃を受ける女子三人。
そこには男女の「〇〇〇〇ない姿」が。
ドロプウォートは咄嗟にパストリスの両目を手で覆い、
『無垢な貴方が「この様なモノ」を見てはいけませんでぇすわぁあぁ!』
「ぼっ、ボクも見たいでぇすぅうぅ!」
不服声でもがく「むっつりパスト」を必死に押さえながら、羞恥で顔を真っ赤に、
「店主ぅ! 貴方はぁ「何と言うモノ」をぉ扱っていますのぉ!」
しかし男は凪いだ海の如くに平静に、
(……お静かに……)
「?」
(本が傷みます)
「言ってる場合ですのぉおぉ!」
ツッコミのドロプウォート。
男の「的がズレた反論」に赤面顔で苦笑しながら、
「ニプルぅ! 貴方からも何か、」
苦言を呈してもらおうと振り向いたが、そこには、
『貴方まで何を魅了されていますのよ!』
自ら新たに手にした「薄い本」に、食い入る様に見入る彼女の姿が。
「これではぁ「ミイラ取りがミイラ」ですわぁ!」
嘆く彼女であったが、それはあくまで建前。四大として、庶民に手本に示す「騎士としての立場」から故。
そもそも恋愛脳である彼女が「本の内容(男女の秘め事)」に興味がない訳がなく、数々の客と接して来た「プロの書店員」である男は、彼女の嗜好を見透かしたように、
(……騎士様には……)
別の棚から一冊手に取り、
(……此方がお好みと、御見受けしますが……?)
とあるページを開いて見せ、
『こっ、これはっ!!!』
かつてない衝撃を受けるドロプウォート。
吸い込まれる様に、本に手を伸ばし、
「クッ!」
抗う様に止め、「続きを読みたい気持ち」と「騎士としての矜持」が心の中でせめぎ合い、激しく葛藤する中、男が、
(……騎士様……)
(!?)
惑う背中をポンと押すように、
(……これは『芸術』なのですよ……)
不敵にニヤリと笑い、
(((芸術ぅ!)))
体のいい「言い訳」を得た女子三人は、
『『『確かに!』』』
大きく頷き、新たな世界の扉を開き、店を後にしたそれぞれ手には、薄い本が。
この日より「女子だけの(同人誌)読書会」が女子部屋持ち回りで、定期的に催すようになった。
何が行われているか知らず、「女子三人の融和」と思える光景に目を細める男子二人(ラディッシュとターナップ)を尻目に。
背表紙がやたらと薄い本が並ぶ一角。
男はその中の一冊を引き抜き、
(……初心者には、コレ位の(刺激の強さ)で十分……)
とあるページを開いて見せ、
『『『絵ぇーーーーーーーーーッ!!!?』』』
激しい衝撃を受ける女子三人。
そこには男女の「〇〇〇〇ない姿」が。
ドロプウォートは咄嗟にパストリスの両目を手で覆い、
『無垢な貴方が「この様なモノ」を見てはいけませんでぇすわぁあぁ!』
「ぼっ、ボクも見たいでぇすぅうぅ!」
不服声でもがく「むっつりパスト」を必死に押さえながら、羞恥で顔を真っ赤に、
「店主ぅ! 貴方はぁ「何と言うモノ」をぉ扱っていますのぉ!」
しかし男は凪いだ海の如くに平静に、
(……お静かに……)
「?」
(本が傷みます)
「言ってる場合ですのぉおぉ!」
ツッコミのドロプウォート。
男の「的がズレた反論」に赤面顔で苦笑しながら、
「ニプルぅ! 貴方からも何か、」
苦言を呈してもらおうと振り向いたが、そこには、
『貴方まで何を魅了されていますのよ!』
自ら新たに手にした「薄い本」に、食い入る様に見入る彼女の姿が。
「これではぁ「ミイラ取りがミイラ」ですわぁ!」
嘆く彼女であったが、それはあくまで建前。四大として、庶民に手本に示す「騎士としての立場」から故。
そもそも恋愛脳である彼女が「本の内容(男女の秘め事)」に興味がない訳がなく、数々の客と接して来た「プロの書店員」である男は、彼女の嗜好を見透かしたように、
(……騎士様には……)
別の棚から一冊手に取り、
(……此方がお好みと、御見受けしますが……?)
とあるページを開いて見せ、
『こっ、これはっ!!!』
かつてない衝撃を受けるドロプウォート。
吸い込まれる様に、本に手を伸ばし、
「クッ!」
抗う様に止め、「続きを読みたい気持ち」と「騎士としての矜持」が心の中でせめぎ合い、激しく葛藤する中、男が、
(……騎士様……)
(!?)
惑う背中をポンと押すように、
(……これは『芸術』なのですよ……)
不敵にニヤリと笑い、
(((芸術ぅ!)))
体のいい「言い訳」を得た女子三人は、
『『『確かに!』』』
大きく頷き、新たな世界の扉を開き、店を後にしたそれぞれ手には、薄い本が。
この日より「女子だけの(同人誌)読書会」が女子部屋持ち回りで、定期的に催すようになった。
何が行われているか知らず、「女子三人の融和」と思える光景に目を細める男子二人(ラディッシュとターナップ)を尻目に。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
44
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる