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アルバーノの邸宅は、中心部から少し離れた郊外にあった。随分と小ぶりではあるが、きちんと手入れがされ、アルバーノの丁寧な性格が反映されたような屋敷だった。玄関近くに馬を停めて自らも降りると、アルバーノはベアトリーチェに向けてその手を差し出した。
「お嬢様、お疲れ様でした。気を付けてお降りください。私に、身を任せていただいて構いませんよ」
「……馬上からだと結構高いのよね。それではお願いするわ。ちゃんと、受け止めてね?」
「ええ、もちろんです」
そんなアルバーノに甘えて、ベアトリーチェは馬上から滑り降りる。けれどもバランスを崩してしまい、そのままアルバーノの胸の中に飛び込む形になった。
「んっ!」
妙な声も出た。ベアトリーチェは恥ずかしさのあまりすぐに離れようとしたが、アルバーノはそのまま横抱きに抱え上げて歩き出してしまった。
「このままお運びしましょう」
「ちょっと、アルバーノ……さすがにこれは恥ずかしいわ」
「ご安心ください。これが市井の普通なのです」
「……本当に?」
「勿論です」
「そう、なのかしら……?」
「ええそうですよ。お嬢様、ギュッと掴まっていてください」
ベアトリーチェには市井の暮らしの知識がほとんどない。だからどうしたって、アルバーノの言う事を鵜呑みにするしかなかった。疑いもせず、そういうものだと思い込んでいく。
玄関ホールで何人かの使用人に出迎えられ、ベアトリーチェは小ぶりの廊下を進んでいった。貴族の屋敷としては小さいながら、要所要所にはセンスの良い調度品が置かれている。
目幅のきくアルバーノらしい、小綺麗で素敵な家だった。ベアトリーチェはその胸の中からアルバーノをチラチラと盗み見る。昔から、公爵家の使用人たちにも人気の騎士だったが、アルバーノは誰とも噂になった事がない。浮いた話ひとつ聞かなかった。真面目で清廉潔白。平民の出ではありながらも、アルバーノは公爵家でも誇れるような自慢の騎士だった。
(アルバーノに想う人はいるのかしら……)
幼い頃にカルロスとの婚約が決まってから、ベアトリーチェはカルロス一筋だった。だからこそ、嫌がらせのようなみっともない真似を晒してまで彼と結ばれようとした。初恋だったのだ。
例え、カルロスの心はもう自分にはないと分かってはいても、ベアトリーチェはせめて、王妃として隣に立っていたかったのだ。カルロスの役に立ちたいと。だが、それももう叶わぬ夢。
長年の恋に敗れ、平民にまで落ちぶれた今になってこんな事を言うのも酷い気がしたが。ベアトリーチェは、ずっと側に居てくれると言ったアルバーノにイイ人が居ない事を願うばかりだった。
「お嬢様ここです。少し狭いかもしれませんが……お寛ぎくだされば嬉しいです」
部屋に着くと、アルバーノはベアトリーチェをそっと部屋のソファへと下ろした。やはり少し狭かったが、この部屋は特に素晴らしい調度品に囲まれている。公爵家のそれとも劣らない、一級品が肩を並べている。
自分がこういう部屋に招かれるのは気分が良かった。アルバーノの特別に含まれているのだと思うと、ベアトリーチェは嬉しかった。例えそれが、家族愛の類いだったとしても。
少しばかり胸の中に痛みを感じながら、彼女は微笑み礼を言った。
「アルバーノ……何から何まで本当にありがとう」
「いいえ、とんでもございません。そのドレスのままでは窮屈でしょう。クローゼットの中に少しばかり服をご用意しています。侍女がお手伝いいたしますので、好きなものをお選びください」
「服まで……? 私が着てもいいのかしら」
「ええ、もちろんです。では、私は退出させていただきます。しばらく扉の前に控えておりますので、何かあればお呼びください」
その言葉にベアトリーチェは驚く。それではまるで公爵家の時と変わらない。今の自分にそこまでする必要があるかと言えば疑問だ。習慣で間違えているのではないか。ベアトリーチェはすかさず声をかけた。
「ア、アルバーノ……別に、公爵家に居た時のようにしなくても構わないのよ? 私はもう貴族ですらないのですし……、ここの主人は貴方ではなくて?」
だがアルバーノの返事は変わらなかった。
「いえ、どうぞお気になさらず。私がやりたくてやっている事です。しばらくは普段通りに振る舞わせてください」
彼の返答に困ったような顔をしながら、けれどベアトリーチェは内心では嬉しく思っていた。こうなってしまった自分にも、アルバーノは普段と変わらない態度で接してくれる。胸の中にじんわりと広がるような温かさが、疲れ切ったベアトリーチェの心に染みた。
「そう……それなら、いいわ。でも、わたくしはいつか出ていくかもしれないのだし、いつまでもこうしているのは――」
「出ていく? ここから、出ていくおつもりですか? ……何か伝でもあるので?」
「え、ええ……いつまでも貴方の所に居る訳にはいかないでしょう? 幼少の頃からお世話になっている家庭教師の家を訪ねようと思ったの。平民出だったはずだから、彼女に頼んでしばらく厄介になれないかと……」
ベアトリーチェが答えると、アルバーノは表情を崩す事なく少しの間黙り込んだ。
「……なるほど、承知致しました。では、私はこれで」
「ええ、ありがとう」
アルバーノが退出すると、入れ替わるように侍女が姿を見せた。恐らく平民だろうが、小綺麗で愛嬌のある娘だった。ベアトリーチェと歳も近いだろう。彼女に微笑みかけると、侍女は緊張したように言った。
「ベアトリーチェ様、お初にお目に掛かります。この屋敷でお世話をさせていただく、リアナと申します。平民の私がお嬢様のような方にお仕えする事になるだなんて……一生懸命頑張りますので、至らない点などありましたら遠慮なくおっしゃってください!」
貴族の侍女としてはいまいちだったが、元気を貰えるような明るい挨拶だった。思わず笑みが溢れ、ベアトリーチェも優しく砕けた口調で言う。
「あら、ありがとう。よろしくお願いするわ。でも……私ももう貴族ではないのだし、気楽に接してちょうだい。それに、市井での生活を学びたいと思っているのよ。あなたにも少し教えて欲しいわ」
「え……市井? でも、ベアトリーチェ様は――」
「うん?」
「……いえ、何でもありません! どうぞよろしくお願いします」
「? ええ、こちらこそよろしくね」
「では、お召し物を着替えましょう! クローゼットはこちらです、ここから好きなものをお選びください――」
リアナの態度に気になるところはあったが、悪い印象はない。それからベアトリーチェは、明るく元気な侍女リアナに促されるように着替えを始めた。それ以外にも様々なもてなしを受け、公爵家とほとんど変わらない扱いに少しばかり戸惑いを覚える。
(皆、突然やって来た私のような者にも親切だわ。……とても居心地がいい。いっそ、公爵家よりも)
そんな事を思いながら、部屋で出されたアフタヌーンティに手を付ける。ずっとベアトリーチェに専属で仕えてきた騎士だけあって、アルバーノは彼女の好みを熟知していた。茶葉のグレードも菓子も、公爵家で出されたものとほとんど変わらなかった。その気遣いにベアトリーチェは胸が一杯になるような気分を覚えた。
(それにしても、このもてなしは一体いつから用意されていたのかしら? 私がここに来てから数刻と経っていないはずなのに。服のサイズもピッタリだったし、まるで――)
まるで、自分がここに来る事が分かっていたかのような。
いやまさかね、とそんな考えを打ち消しながら、ベアトリーチェは憂鬱だったはずのその日を明るい気分で終えたのだった。
「お嬢様、お疲れ様でした。気を付けてお降りください。私に、身を任せていただいて構いませんよ」
「……馬上からだと結構高いのよね。それではお願いするわ。ちゃんと、受け止めてね?」
「ええ、もちろんです」
そんなアルバーノに甘えて、ベアトリーチェは馬上から滑り降りる。けれどもバランスを崩してしまい、そのままアルバーノの胸の中に飛び込む形になった。
「んっ!」
妙な声も出た。ベアトリーチェは恥ずかしさのあまりすぐに離れようとしたが、アルバーノはそのまま横抱きに抱え上げて歩き出してしまった。
「このままお運びしましょう」
「ちょっと、アルバーノ……さすがにこれは恥ずかしいわ」
「ご安心ください。これが市井の普通なのです」
「……本当に?」
「勿論です」
「そう、なのかしら……?」
「ええそうですよ。お嬢様、ギュッと掴まっていてください」
ベアトリーチェには市井の暮らしの知識がほとんどない。だからどうしたって、アルバーノの言う事を鵜呑みにするしかなかった。疑いもせず、そういうものだと思い込んでいく。
玄関ホールで何人かの使用人に出迎えられ、ベアトリーチェは小ぶりの廊下を進んでいった。貴族の屋敷としては小さいながら、要所要所にはセンスの良い調度品が置かれている。
目幅のきくアルバーノらしい、小綺麗で素敵な家だった。ベアトリーチェはその胸の中からアルバーノをチラチラと盗み見る。昔から、公爵家の使用人たちにも人気の騎士だったが、アルバーノは誰とも噂になった事がない。浮いた話ひとつ聞かなかった。真面目で清廉潔白。平民の出ではありながらも、アルバーノは公爵家でも誇れるような自慢の騎士だった。
(アルバーノに想う人はいるのかしら……)
幼い頃にカルロスとの婚約が決まってから、ベアトリーチェはカルロス一筋だった。だからこそ、嫌がらせのようなみっともない真似を晒してまで彼と結ばれようとした。初恋だったのだ。
例え、カルロスの心はもう自分にはないと分かってはいても、ベアトリーチェはせめて、王妃として隣に立っていたかったのだ。カルロスの役に立ちたいと。だが、それももう叶わぬ夢。
長年の恋に敗れ、平民にまで落ちぶれた今になってこんな事を言うのも酷い気がしたが。ベアトリーチェは、ずっと側に居てくれると言ったアルバーノにイイ人が居ない事を願うばかりだった。
「お嬢様ここです。少し狭いかもしれませんが……お寛ぎくだされば嬉しいです」
部屋に着くと、アルバーノはベアトリーチェをそっと部屋のソファへと下ろした。やはり少し狭かったが、この部屋は特に素晴らしい調度品に囲まれている。公爵家のそれとも劣らない、一級品が肩を並べている。
自分がこういう部屋に招かれるのは気分が良かった。アルバーノの特別に含まれているのだと思うと、ベアトリーチェは嬉しかった。例えそれが、家族愛の類いだったとしても。
少しばかり胸の中に痛みを感じながら、彼女は微笑み礼を言った。
「アルバーノ……何から何まで本当にありがとう」
「いいえ、とんでもございません。そのドレスのままでは窮屈でしょう。クローゼットの中に少しばかり服をご用意しています。侍女がお手伝いいたしますので、好きなものをお選びください」
「服まで……? 私が着てもいいのかしら」
「ええ、もちろんです。では、私は退出させていただきます。しばらく扉の前に控えておりますので、何かあればお呼びください」
その言葉にベアトリーチェは驚く。それではまるで公爵家の時と変わらない。今の自分にそこまでする必要があるかと言えば疑問だ。習慣で間違えているのではないか。ベアトリーチェはすかさず声をかけた。
「ア、アルバーノ……別に、公爵家に居た時のようにしなくても構わないのよ? 私はもう貴族ですらないのですし……、ここの主人は貴方ではなくて?」
だがアルバーノの返事は変わらなかった。
「いえ、どうぞお気になさらず。私がやりたくてやっている事です。しばらくは普段通りに振る舞わせてください」
彼の返答に困ったような顔をしながら、けれどベアトリーチェは内心では嬉しく思っていた。こうなってしまった自分にも、アルバーノは普段と変わらない態度で接してくれる。胸の中にじんわりと広がるような温かさが、疲れ切ったベアトリーチェの心に染みた。
「そう……それなら、いいわ。でも、わたくしはいつか出ていくかもしれないのだし、いつまでもこうしているのは――」
「出ていく? ここから、出ていくおつもりですか? ……何か伝でもあるので?」
「え、ええ……いつまでも貴方の所に居る訳にはいかないでしょう? 幼少の頃からお世話になっている家庭教師の家を訪ねようと思ったの。平民出だったはずだから、彼女に頼んでしばらく厄介になれないかと……」
ベアトリーチェが答えると、アルバーノは表情を崩す事なく少しの間黙り込んだ。
「……なるほど、承知致しました。では、私はこれで」
「ええ、ありがとう」
アルバーノが退出すると、入れ替わるように侍女が姿を見せた。恐らく平民だろうが、小綺麗で愛嬌のある娘だった。ベアトリーチェと歳も近いだろう。彼女に微笑みかけると、侍女は緊張したように言った。
「ベアトリーチェ様、お初にお目に掛かります。この屋敷でお世話をさせていただく、リアナと申します。平民の私がお嬢様のような方にお仕えする事になるだなんて……一生懸命頑張りますので、至らない点などありましたら遠慮なくおっしゃってください!」
貴族の侍女としてはいまいちだったが、元気を貰えるような明るい挨拶だった。思わず笑みが溢れ、ベアトリーチェも優しく砕けた口調で言う。
「あら、ありがとう。よろしくお願いするわ。でも……私ももう貴族ではないのだし、気楽に接してちょうだい。それに、市井での生活を学びたいと思っているのよ。あなたにも少し教えて欲しいわ」
「え……市井? でも、ベアトリーチェ様は――」
「うん?」
「……いえ、何でもありません! どうぞよろしくお願いします」
「? ええ、こちらこそよろしくね」
「では、お召し物を着替えましょう! クローゼットはこちらです、ここから好きなものをお選びください――」
リアナの態度に気になるところはあったが、悪い印象はない。それからベアトリーチェは、明るく元気な侍女リアナに促されるように着替えを始めた。それ以外にも様々なもてなしを受け、公爵家とほとんど変わらない扱いに少しばかり戸惑いを覚える。
(皆、突然やって来た私のような者にも親切だわ。……とても居心地がいい。いっそ、公爵家よりも)
そんな事を思いながら、部屋で出されたアフタヌーンティに手を付ける。ずっとベアトリーチェに専属で仕えてきた騎士だけあって、アルバーノは彼女の好みを熟知していた。茶葉のグレードも菓子も、公爵家で出されたものとほとんど変わらなかった。その気遣いにベアトリーチェは胸が一杯になるような気分を覚えた。
(それにしても、このもてなしは一体いつから用意されていたのかしら? 私がここに来てから数刻と経っていないはずなのに。服のサイズもピッタリだったし、まるで――)
まるで、自分がここに来る事が分かっていたかのような。
いやまさかね、とそんな考えを打ち消しながら、ベアトリーチェは憂鬱だったはずのその日を明るい気分で終えたのだった。
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