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四月七日
しおりを挟む考えてみると、おなかの底から笑ったのって、いつが最後だったろう
忘れてしまった
楽しかった余韻に浸っていられたのは、いつまでだっただろう
今のあたし、どんなに楽しいことがあっても、次の瞬間は深い空井戸の底だ
真っ暗闇
そこであたしは何千年も何万年も生き存える
月の雫があたしを死なせない
だからあたしは何千年も何万年も井戸の壁に文字を書き続けたのよ
笑うことも怒ることも自分が何者であるかも忘れて
気持ちいいよ、忘れるって
突然頭上から目の痛くなるような太陽の光
あたしの目はとっくに退化していたと思っていたのに
見えたのは……あなたの変顔
「いい加減起きなよ、もう朝の九時だぜ……昨日帰宅してから十六時間眠り続けるって、一体どうしちゃったんだい」
「あなたこそ、なんでそんな変顔して見せてるの? くすくすくす」
「やっと笑ったか、全く起きないから死んじゃったかと思ったよ」
「うん、死んでたかも、ふふふ」
「僕、珍しく夢見たんだよ、発掘中に誰にも見えない井戸に落ちちゃってさ、そこで新種? のペトログリフを発見したんだよ! 興奮して飛び起きたら夢だった」
「きっと正夢よ」
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