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四月二日
しおりを挟む何となく晴れたから出勤前の春散歩
風は冷たい
陽射しは強くないけど春の紫外線は油断大敵
普段しない化粧だけどUVファンデを塗っておこう
ついでに使い慣れないマスカラ
「無駄な抵抗」
久々に帰ってきたくせに、何気ない不適切な発言にこちらも負けない
「あら、顔くらい洗ってよ、前か後ろかわからないわ」
「仕方ないよ、発掘調査三昧だったんだから」
「土器の中にツチノコの木乃伊でも入ってた?」
桜が咲き始めてる
今年は早いかもって思ってたのにむしろ遅くない?
今にも弾けそうな充血した蕾たちの季節の狭間を吸い込む
開いた花を写真に撮る
あなたは写真を撮るあたしを撮る……いつもだ
「いちいちあたしを撮らないで!」
「わかった、もう二度と撮らない」
「じゃあ、仕事行くわ、さようなら」
「お別れか」
「ええ、少なくとも九時間後までは」
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