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二月二十一日

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 午後の診察開始まで十五分もないのに、突然の吃逆しゃっくりに見舞われた。
 お水を飲んでも治らないし、胸を叩いても治らないの。

 どうしよう……患者さんのお名前を呼んでる最中に、キュクッて出てしまったらド恥ずかしい。
 診察の準備をしながら、胸をドンドン叩いたり飛び跳ねたりしていると、パソコンでニュースを見ていたドクターが、
「いいですかぁ~」
 と、半分私の方に身体を向ける。
 何かまた次の仕事を頼まれるのかと思って、ドクターの横に立つと、いきなり
「はい、大きな深呼吸をして」
 と、私に深呼吸させる。
「両耳に指を入れて三十秒」
 なに? 
 私は素直だからドクターに言われた通りに、深呼吸をして、肺に酸素を溜めたまま、思い切り両耳に両示指を突っ込んで、三十秒…………
 けっこう苦しい。
 耳を塞いでいるから、水中にいるような錯覚に陥る。

 三十秒後、耳から指を抜くと同時に息を吐き出す。
「はぁ~はぁ~、先生、苦しい。何ですか、これ」
「ほら、吃逆の止め方を調べたんだよ」
 そう言って、パソコンのモニターを指差す。
「多分ね、息は止めなくても良かったんだと思うけどね」

 まさかこれで吃逆が止まるわけないじゃん。
 素直に耳塞いで息止めて恥ずかしいったら!

 でも、その後気がつくと、吃逆は一度も出ないまま、今日の仕事を終えていたのでした。

 すごいな、民間療法……というか、ドクターのおまじないに感謝ですな。

 昨日の暑さとのギャップあり過ぎの寒さだったけど、平和な日に感謝。

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感想 18

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