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第二章 錬金術店の毎日
第3話 曇りのち晴れの日
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「ゾラさん! いらっしゃい」
「久しぶり~! やっと雪がやんでくれたわねぇ」
「天気持ちますかねぇ」
雪こそやんだが、空がどんよりとした日が続いていた。
「この後晴れるわよ」
「すごい! なんでわかるんですか?」
「ん~なんとなく」
ふふふ、とゾラは思わせぶりに笑った。
ゾラは飲み屋街にある娼館に住んでいる。つまるところ娼婦だが、彼女は既に自由な身分を手に入れていた。
この国の娼館は国による許可を得て営業している。そこで働く娼婦はもちろん借金のカタだったり、貧しさから売られてしまった子供が多い。ゾラも幼い頃に親に売られて娼館に入った。
「お店はいつまでですか?」
「ん~うちは休みなしね。皆寂しいのよ~。まあ私も稼ぎ時だから頑張るわ」
この国にある娼館の特徴として、購入した女や子供は衣食住が保証された。その為、貧しさで飢えるくらいならと子供を積極的に売ろうとする親もいるくらいだ。
さらに彼女達が積み上げられたそれまでの生活費と、購入額の10倍稼いだ場合、その店から出ることが許される。つまり自由だ。ゾラはそれを達成し、今は自分の意思で娼館で働いている。
「ここは今日までって聞いて急いできちゃった」
本日年内最終日。トーナの店はちょっぴりいつもよりお得に買えるとあって、お客さんも多かった。雪がやんだのも幸いした。
「えーっと、ダンケルガ香と~あとフランエネマス香をお願い」
「承知しました」
「あ! この間のレヴァンタ香も!」
カウンターの後ろの大きな瓶から、ベルチェがお木香をすくい袋に注ぐ。
ゾラは袋いっぱいに購入した。娼館にいる他の娼婦にも頼まれているのだ。ゾラのように自由の身ではない者は、娼館の主か信用のある客と一緒に限り、娼館の外に出かけることができる。
「ここのお香、香りの持ちがよくって。お客さんからも好評なの」
「それはよかった」
このお香も人気があり、じわじわと種類が増えていた。効能は強くないのだがその分価格も安い。
「トーナちゃんは明日からのお祭りには行くの?」
「行きますよ~年越しのタイミングで。初めてだし楽しみです!」
街はすでにお祭りムードだ。目抜き通りから王城前の時計塔がある広場にかけて飾り付けられ、屋台も作られていた。広場で開催される祭りは、明日から新年までの5日間に渡って開かれる。
王都のお祭りは春の花祭り、夏の精霊送り、秋の収穫祭、冬場は年末年始の祝いの祭りがある。貴族や有力者は王宮の舞踏会で、平民は主に広場に集まってそれぞれ楽しむのだ。
「あら! 誰かいい人と?」
「まさかまさか。ベルチェとですよ」
なーんだ。とゾラは残念そうに肩をすくめた後、
「時計塔前で一緒に踊った相手と年が変わる鐘の音を聞くと、新しい年も一緒にいられるって伝説、知ってる?」
それは恋人たちの年末一大イベントになっている。そのおかげか、安価なお香とは違いあまり売れていなかったトーナ特製の香油がここ数日売れていた。
(もっと恋のアイテムを充実させておくべきだった……)
商品に関する年間スケジュールを考えておかなければと、自分で作成したカレンダーに書き込んだのだった。
「それベルチェから聞きました。ずっと一緒、じゃなくて新しい年も、って所が面白いですよね」
「そうねぇ。安く錬成できる今の初級ポーションが広まるまでは、人間あっという間に死んじゃってたって話だから……生き残るのも大変だった時代の名残って話ね」
その初級ポーションのレシピを開発したのがフィアルヴァだ。チラリとベルチェを見ると、無表情ながら誇らしげにしているのがトーナにはわかる。
夕方、早めに店仕舞いする頃にはゾラの言っていた通り、綺麗な夕日が広がっていた。
◇◇◇
今日で1年も終わる。祭りのメイン会場である時計前の広場にはすでに街中の人がいるのではないかと思いたくなるほど、大賑わいしている。
「すごっ! 魔道具の大盤振る舞いね!」
魔道具で作られた照明が街を照らしていた。広場だけではない。道中もそうなっている。通常であればもう真っ暗の時間帯だが、前世の夜の歓楽街のように明かりで満ちていた。
通常であれば日が沈んでも人通りがあるのは、冒険者街とその近くにある飲み屋街くらいのものだ。
トーナは夏の祭りの後王都にやって来たので、これがこの街での初めての祭りだ。思っていた以上に熱が入っていることに驚く。
「出展料が高いわけだわ~」
商業ギルドの掲示板で見かけた、このお祭りの出展料に目が飛び出しそうだったが、それだけリターンがあるのだろう。あっという間に枠がなくなったと聞いた。
「年々盛り上がっているようですよ」
「昔はここまでなかった?」
「ここまでの派手さはなかったですね。ただ、来ている人の表情は同じです」
広場で購入した焼き串を食べながらトーナとベルチェは楽しそうに踊っている人達を見ていた。誰も彼も幸せそうで、それを穏やかな心で眺めている自分にトーナは安心した。
「いや~他人の幸せを喜べる精神状態で年を越せそうでよかった~」
「心の余裕というやつですね」
「そうそう。お店もなんとか常連さんも出来たし、ご近所さんと上手くやれてるし、美味しい食事はとれてるし、ゆっくりと眠れる場所もあるし」
生まれ変わって、故郷と呼べる場所がないトーナにとって、自分の居場所を作るのは大切なことだった。
「来年もよろしくね」
「こちらこそ」
広場ではどんどん踊る人の数が増えていく。皆時計塔の鐘の音を楽しみに待っていた。
「しかし残念でしたね。仲のいい男性は皆舞踏会に呼ばれているなんて」
「まーたそんな冗談覚えて……」
アレンもランベルトもリーノもレオーネも全員王宮でおこなわれている舞踏会に参加していた。揃いも揃ってトーナがこの広場に他の男と行かないか確認しにやってきていた。そしてトーナの、
『ベルチェと美味しいもの食べに行くだけよ』
という返答を聞くと、心底安心するような表情になって帰って行ったのだ。
「レオーネ様のお誘いをお受けすればよかったのに」
「ベルチェを見てひっくり返るお偉いさんを見てみたい気はするけどね。どう考えても楽しめないでしょ~」
レオーネ……レオハルトだけは、王宮舞踏会へトーナを連れて行こうと粘った。それも自分のパートナーとして。
『フィアルヴァの弟子だろう? 十分あの場に相応しいよ』
『だから秘密だっつーの!!!』
『こら! 不敬だぞ!』
『ごめんなさい!!!』
護衛であるリッキーは王子であるレオハルトがトーナに好意を持っているのを嫌がり、身分差を理由に度々諌めてきた。だが全く少しもレオハルトがその事を気にしていないことに気がつき、最近作戦を変えてきている。
『レオハル……レオーネ様! 流石に無理が過ぎます! 今更準備も間に合わないでしょう。女性は何かと前準備が必要なのです』
(よく言った!)
トーナに配慮する言葉を出すと、レオハルトは渋々身を引く事がわかったからだ。
『そ、そうよ! 急に言われても困ります!』
レオハルトはやや引きずられ気味に店から出て行った。決してトーナに好意的ではないリッキーの方が彼女にとって都合のいい存在になるとは、世の中とは不思議なものである。
「よし! ベルチェ踊ろう!」
トーナはベルチェの手を引いて、楽師の奏でる音に合わせてクルクル回る。
「トーナ。あなた踊れないのですか?」
「踊れないよ! 有名アイドルの曲の振り付けならいけるけど」
「また前世語ですか」
そうしてちょっと面白そうにトーナが前世を思い出しながら踊っているのを見ていた。
「あ……」
突然、トーナは動きを止める。
「なんだその踊り! ……しかたがない俺が教えてやるよ」
「見たことない動きだね! どの村の踊り?」
「今度我が家のホールで練習しよう」
「きちゃった!」
例の男達全員がいる。ゲッソリとした顔のリッキーと一緒に。
「アンタ達……私のこと大好きねぇ~……」
彼らは舞踏会を抜け出してきた。それが許されるかというと、第2王子レオハルト以外は義理は通してきたので問題ない。舞踏会も皆盛り上がっているので、アレン、ランベルト、リーノに関しては彼らの両親と彼ら目当ての子女以外、特に気にはしていない。
レオハルトに関しては、後で大目玉くらうことがわかっていて抜け出してきていた。
トーナは呆れはしたが、誰かとこの楽しさを共有するのは悪くない。この街に来て一番関わっているのが彼らであることは間違いないのだ。
(よし。来年の目標は商売ばっかりじゃなくて、ちゃんと友達を作ることね)
小学生のような目標を立てながら、全員で時計塔の鐘の音を聞いた。
「久しぶり~! やっと雪がやんでくれたわねぇ」
「天気持ちますかねぇ」
雪こそやんだが、空がどんよりとした日が続いていた。
「この後晴れるわよ」
「すごい! なんでわかるんですか?」
「ん~なんとなく」
ふふふ、とゾラは思わせぶりに笑った。
ゾラは飲み屋街にある娼館に住んでいる。つまるところ娼婦だが、彼女は既に自由な身分を手に入れていた。
この国の娼館は国による許可を得て営業している。そこで働く娼婦はもちろん借金のカタだったり、貧しさから売られてしまった子供が多い。ゾラも幼い頃に親に売られて娼館に入った。
「お店はいつまでですか?」
「ん~うちは休みなしね。皆寂しいのよ~。まあ私も稼ぎ時だから頑張るわ」
この国にある娼館の特徴として、購入した女や子供は衣食住が保証された。その為、貧しさで飢えるくらいならと子供を積極的に売ろうとする親もいるくらいだ。
さらに彼女達が積み上げられたそれまでの生活費と、購入額の10倍稼いだ場合、その店から出ることが許される。つまり自由だ。ゾラはそれを達成し、今は自分の意思で娼館で働いている。
「ここは今日までって聞いて急いできちゃった」
本日年内最終日。トーナの店はちょっぴりいつもよりお得に買えるとあって、お客さんも多かった。雪がやんだのも幸いした。
「えーっと、ダンケルガ香と~あとフランエネマス香をお願い」
「承知しました」
「あ! この間のレヴァンタ香も!」
カウンターの後ろの大きな瓶から、ベルチェがお木香をすくい袋に注ぐ。
ゾラは袋いっぱいに購入した。娼館にいる他の娼婦にも頼まれているのだ。ゾラのように自由の身ではない者は、娼館の主か信用のある客と一緒に限り、娼館の外に出かけることができる。
「ここのお香、香りの持ちがよくって。お客さんからも好評なの」
「それはよかった」
このお香も人気があり、じわじわと種類が増えていた。効能は強くないのだがその分価格も安い。
「トーナちゃんは明日からのお祭りには行くの?」
「行きますよ~年越しのタイミングで。初めてだし楽しみです!」
街はすでにお祭りムードだ。目抜き通りから王城前の時計塔がある広場にかけて飾り付けられ、屋台も作られていた。広場で開催される祭りは、明日から新年までの5日間に渡って開かれる。
王都のお祭りは春の花祭り、夏の精霊送り、秋の収穫祭、冬場は年末年始の祝いの祭りがある。貴族や有力者は王宮の舞踏会で、平民は主に広場に集まってそれぞれ楽しむのだ。
「あら! 誰かいい人と?」
「まさかまさか。ベルチェとですよ」
なーんだ。とゾラは残念そうに肩をすくめた後、
「時計塔前で一緒に踊った相手と年が変わる鐘の音を聞くと、新しい年も一緒にいられるって伝説、知ってる?」
それは恋人たちの年末一大イベントになっている。そのおかげか、安価なお香とは違いあまり売れていなかったトーナ特製の香油がここ数日売れていた。
(もっと恋のアイテムを充実させておくべきだった……)
商品に関する年間スケジュールを考えておかなければと、自分で作成したカレンダーに書き込んだのだった。
「それベルチェから聞きました。ずっと一緒、じゃなくて新しい年も、って所が面白いですよね」
「そうねぇ。安く錬成できる今の初級ポーションが広まるまでは、人間あっという間に死んじゃってたって話だから……生き残るのも大変だった時代の名残って話ね」
その初級ポーションのレシピを開発したのがフィアルヴァだ。チラリとベルチェを見ると、無表情ながら誇らしげにしているのがトーナにはわかる。
夕方、早めに店仕舞いする頃にはゾラの言っていた通り、綺麗な夕日が広がっていた。
◇◇◇
今日で1年も終わる。祭りのメイン会場である時計前の広場にはすでに街中の人がいるのではないかと思いたくなるほど、大賑わいしている。
「すごっ! 魔道具の大盤振る舞いね!」
魔道具で作られた照明が街を照らしていた。広場だけではない。道中もそうなっている。通常であればもう真っ暗の時間帯だが、前世の夜の歓楽街のように明かりで満ちていた。
通常であれば日が沈んでも人通りがあるのは、冒険者街とその近くにある飲み屋街くらいのものだ。
トーナは夏の祭りの後王都にやって来たので、これがこの街での初めての祭りだ。思っていた以上に熱が入っていることに驚く。
「出展料が高いわけだわ~」
商業ギルドの掲示板で見かけた、このお祭りの出展料に目が飛び出しそうだったが、それだけリターンがあるのだろう。あっという間に枠がなくなったと聞いた。
「年々盛り上がっているようですよ」
「昔はここまでなかった?」
「ここまでの派手さはなかったですね。ただ、来ている人の表情は同じです」
広場で購入した焼き串を食べながらトーナとベルチェは楽しそうに踊っている人達を見ていた。誰も彼も幸せそうで、それを穏やかな心で眺めている自分にトーナは安心した。
「いや~他人の幸せを喜べる精神状態で年を越せそうでよかった~」
「心の余裕というやつですね」
「そうそう。お店もなんとか常連さんも出来たし、ご近所さんと上手くやれてるし、美味しい食事はとれてるし、ゆっくりと眠れる場所もあるし」
生まれ変わって、故郷と呼べる場所がないトーナにとって、自分の居場所を作るのは大切なことだった。
「来年もよろしくね」
「こちらこそ」
広場ではどんどん踊る人の数が増えていく。皆時計塔の鐘の音を楽しみに待っていた。
「しかし残念でしたね。仲のいい男性は皆舞踏会に呼ばれているなんて」
「まーたそんな冗談覚えて……」
アレンもランベルトもリーノもレオーネも全員王宮でおこなわれている舞踏会に参加していた。揃いも揃ってトーナがこの広場に他の男と行かないか確認しにやってきていた。そしてトーナの、
『ベルチェと美味しいもの食べに行くだけよ』
という返答を聞くと、心底安心するような表情になって帰って行ったのだ。
「レオーネ様のお誘いをお受けすればよかったのに」
「ベルチェを見てひっくり返るお偉いさんを見てみたい気はするけどね。どう考えても楽しめないでしょ~」
レオーネ……レオハルトだけは、王宮舞踏会へトーナを連れて行こうと粘った。それも自分のパートナーとして。
『フィアルヴァの弟子だろう? 十分あの場に相応しいよ』
『だから秘密だっつーの!!!』
『こら! 不敬だぞ!』
『ごめんなさい!!!』
護衛であるリッキーは王子であるレオハルトがトーナに好意を持っているのを嫌がり、身分差を理由に度々諌めてきた。だが全く少しもレオハルトがその事を気にしていないことに気がつき、最近作戦を変えてきている。
『レオハル……レオーネ様! 流石に無理が過ぎます! 今更準備も間に合わないでしょう。女性は何かと前準備が必要なのです』
(よく言った!)
トーナに配慮する言葉を出すと、レオハルトは渋々身を引く事がわかったからだ。
『そ、そうよ! 急に言われても困ります!』
レオハルトはやや引きずられ気味に店から出て行った。決してトーナに好意的ではないリッキーの方が彼女にとって都合のいい存在になるとは、世の中とは不思議なものである。
「よし! ベルチェ踊ろう!」
トーナはベルチェの手を引いて、楽師の奏でる音に合わせてクルクル回る。
「トーナ。あなた踊れないのですか?」
「踊れないよ! 有名アイドルの曲の振り付けならいけるけど」
「また前世語ですか」
そうしてちょっと面白そうにトーナが前世を思い出しながら踊っているのを見ていた。
「あ……」
突然、トーナは動きを止める。
「なんだその踊り! ……しかたがない俺が教えてやるよ」
「見たことない動きだね! どの村の踊り?」
「今度我が家のホールで練習しよう」
「きちゃった!」
例の男達全員がいる。ゲッソリとした顔のリッキーと一緒に。
「アンタ達……私のこと大好きねぇ~……」
彼らは舞踏会を抜け出してきた。それが許されるかというと、第2王子レオハルト以外は義理は通してきたので問題ない。舞踏会も皆盛り上がっているので、アレン、ランベルト、リーノに関しては彼らの両親と彼ら目当ての子女以外、特に気にはしていない。
レオハルトに関しては、後で大目玉くらうことがわかっていて抜け出してきていた。
トーナは呆れはしたが、誰かとこの楽しさを共有するのは悪くない。この街に来て一番関わっているのが彼らであることは間違いないのだ。
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