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16 条件
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「いいよいいよ~! 好きにして!」
(ノリ軽!)
通信用のネックレスを使ってジークボルトに連絡を取ると、例の如く軽く許可がおりた。と言うより、そんなことなどどうでもいいのだろう。
「もう君は自由だ。好きに生きていいんだよ?」
「え?」
「君は僕の弟子だけど、君は自立した1人の人間だ。僕は君を信用しているし、君の判断に任すよ」
「そ、そんな裁量……前世でも貰ったことないです……」
それもこんな国のトップが喉から手が出るほど欲しがっているものを、自分の心一つでどうするか決めるなんて。この大きな決断が、レミリアは少し怖かったのだ。
「アハハ! 前世まで出てくるのか! それならまあ今世の修行だと思って頑張ってよ!」
「……はい」
(これも修行か……)
そう考えると、根が真面目な彼女はなんだか少しこの問題に向き合うやる気が出てきた。
「何も悪いことをするわけじゃないんだから。ね?」
「いえその……」
「ん? ああ! ハハ! それも含めて好きにしなよ!」
レミリアは薬を渡す条件を色々と、それはもう色々と考えていたのだ。
「それなりに条件をだそうかと……謝罪文とか謝罪文とか謝罪文とか……」
「ああ~彼らはなかなか自分達の非を認められない人種だからねぇ~」
ジークボルトにガッカリされるかと心配していたが、そんなことは今後も本気で必要がないようだ。
「僕はてっきりあの王太子の命の1つでも差し出せっていうのかと……」
「待ってください! 私は先生からしたらそんなこと言う人間に見えるんですか!?」
まさに悪役令嬢……いや、それってもうただの悪女じゃないかとレミリアは焦った。
「いやぁ~あの啖呵の切り方や煽り方をみたらそれぐらいの条件出して取引でもするのかと思ってね!」
だがどうやら冗談だったらしく、大笑いしている。ついでに近くで聞いていたアレンもエミリアに指をさしてわらっていた。真に受けてしまった彼女は顔を赤らめた。
(この師弟は~!!!)
「ごめんごめん! 君のその真面目さも僕はとっても愛おしいものだと思っているよ」
「面白い要素くらいにしか思ってないでしょう」
「あはは!」
そう言って笑ってごまかされた。
少々腹立たしいが、悪い気はしない。それどころか幸せな気分だった。
(愛に飢えてたのねぇ私……)
同時に自分が思いのほか他人からの愛を求めていたことにも気づいたのだった。
翌日、再びギルバート王と話し合いの場を持った。もちろん、非礼を詫びたりしないし、相手もそれを持ち出すことはなかった。
「薬の製造方法をお渡しします」
「おぉ! そ、そうか!!!」
王はあからさまに喜んでいた。またレミリアから厳しい言葉を投げかけられることを覚悟していたからだ。
だがもう彼女がどうにかしてくれなければ、いけ好かないベルーガ帝国の皇帝へ頭を下げ、大した条件なく領土への侵入を許すことになる。側近達からの進言もあり、今日の王はどんなにキツイことを言われようが、耐えるつもりだった。
「ただし、いくつか条件があります」
王は息をのんだ。彼女が王国にいい感情を持っていないことは明らかだ。
「私と私の師の功績をマリロイド王国の国民に広く知れ渡るよう発表すること」
「それはもちろん!」
ホッと息をはきながら、王は胸をなでおろしていた。ジークボルトの名は王国でも知れ渡っている。彼の作った薬と聞けば、皆安心して服薬もできるだろう。レミリアのことが話題にもなるだろうが、彼女が帝国で大賢者の弟子という名誉ある立場にいるとわかれば、王太子との婚約破棄に反発していた国民の気持ちも収まるかもしれない。
「同時に、陛下の息子が私に対しての間違った発言を全て訂正いただきます」
「な、それは……!」
「間違いを認め、私への謝罪文を全ての国民へ配ってください」
レミリアは何の抑揚もなく話を続ける。
王太子の、未来の王の間違えを認めるのは王国にしてみたら具合が悪い。
「すぐにアルベルトを連れてきて謝罪させよう!」
「心無い謝罪ならムカつくだけなので結構です」
間髪入れずに言葉を返され、王は次の言葉が出てこない。王太子の謝罪で十分じゃないか。それだって然う然うあることではない。王にとってもこれは最大限の譲歩だったのだ。
「嫌なら帝国へすぐにお願いするのがよろしいかと」
「う……それは……」
ギルバート王はベルーガ帝国の皇帝を一方的にライバル視していた。同時期に即位したが国としての規模が違う。ならば王としての力量は勝っていたかった。そのように世間からも思われたかった……。
「このお話はなかったことに」
それでは。とレミリアが席を立つと、王は慌てて返事をした。
「わかった! それで構わない!!!」
「約束ですよ?」
能面のような顔つきだったレミリアがやっと笑顔になった。
(絶対にいつか泣きながら謝罪させてやるんだから!!!)
それまでは精々、国を滅ぼさないように頑張ってもらわなくては。
(ノリ軽!)
通信用のネックレスを使ってジークボルトに連絡を取ると、例の如く軽く許可がおりた。と言うより、そんなことなどどうでもいいのだろう。
「もう君は自由だ。好きに生きていいんだよ?」
「え?」
「君は僕の弟子だけど、君は自立した1人の人間だ。僕は君を信用しているし、君の判断に任すよ」
「そ、そんな裁量……前世でも貰ったことないです……」
それもこんな国のトップが喉から手が出るほど欲しがっているものを、自分の心一つでどうするか決めるなんて。この大きな決断が、レミリアは少し怖かったのだ。
「アハハ! 前世まで出てくるのか! それならまあ今世の修行だと思って頑張ってよ!」
「……はい」
(これも修行か……)
そう考えると、根が真面目な彼女はなんだか少しこの問題に向き合うやる気が出てきた。
「何も悪いことをするわけじゃないんだから。ね?」
「いえその……」
「ん? ああ! ハハ! それも含めて好きにしなよ!」
レミリアは薬を渡す条件を色々と、それはもう色々と考えていたのだ。
「それなりに条件をだそうかと……謝罪文とか謝罪文とか謝罪文とか……」
「ああ~彼らはなかなか自分達の非を認められない人種だからねぇ~」
ジークボルトにガッカリされるかと心配していたが、そんなことは今後も本気で必要がないようだ。
「僕はてっきりあの王太子の命の1つでも差し出せっていうのかと……」
「待ってください! 私は先生からしたらそんなこと言う人間に見えるんですか!?」
まさに悪役令嬢……いや、それってもうただの悪女じゃないかとレミリアは焦った。
「いやぁ~あの啖呵の切り方や煽り方をみたらそれぐらいの条件出して取引でもするのかと思ってね!」
だがどうやら冗談だったらしく、大笑いしている。ついでに近くで聞いていたアレンもエミリアに指をさしてわらっていた。真に受けてしまった彼女は顔を赤らめた。
(この師弟は~!!!)
「ごめんごめん! 君のその真面目さも僕はとっても愛おしいものだと思っているよ」
「面白い要素くらいにしか思ってないでしょう」
「あはは!」
そう言って笑ってごまかされた。
少々腹立たしいが、悪い気はしない。それどころか幸せな気分だった。
(愛に飢えてたのねぇ私……)
同時に自分が思いのほか他人からの愛を求めていたことにも気づいたのだった。
翌日、再びギルバート王と話し合いの場を持った。もちろん、非礼を詫びたりしないし、相手もそれを持ち出すことはなかった。
「薬の製造方法をお渡しします」
「おぉ! そ、そうか!!!」
王はあからさまに喜んでいた。またレミリアから厳しい言葉を投げかけられることを覚悟していたからだ。
だがもう彼女がどうにかしてくれなければ、いけ好かないベルーガ帝国の皇帝へ頭を下げ、大した条件なく領土への侵入を許すことになる。側近達からの進言もあり、今日の王はどんなにキツイことを言われようが、耐えるつもりだった。
「ただし、いくつか条件があります」
王は息をのんだ。彼女が王国にいい感情を持っていないことは明らかだ。
「私と私の師の功績をマリロイド王国の国民に広く知れ渡るよう発表すること」
「それはもちろん!」
ホッと息をはきながら、王は胸をなでおろしていた。ジークボルトの名は王国でも知れ渡っている。彼の作った薬と聞けば、皆安心して服薬もできるだろう。レミリアのことが話題にもなるだろうが、彼女が帝国で大賢者の弟子という名誉ある立場にいるとわかれば、王太子との婚約破棄に反発していた国民の気持ちも収まるかもしれない。
「同時に、陛下の息子が私に対しての間違った発言を全て訂正いただきます」
「な、それは……!」
「間違いを認め、私への謝罪文を全ての国民へ配ってください」
レミリアは何の抑揚もなく話を続ける。
王太子の、未来の王の間違えを認めるのは王国にしてみたら具合が悪い。
「すぐにアルベルトを連れてきて謝罪させよう!」
「心無い謝罪ならムカつくだけなので結構です」
間髪入れずに言葉を返され、王は次の言葉が出てこない。王太子の謝罪で十分じゃないか。それだって然う然うあることではない。王にとってもこれは最大限の譲歩だったのだ。
「嫌なら帝国へすぐにお願いするのがよろしいかと」
「う……それは……」
ギルバート王はベルーガ帝国の皇帝を一方的にライバル視していた。同時期に即位したが国としての規模が違う。ならば王としての力量は勝っていたかった。そのように世間からも思われたかった……。
「このお話はなかったことに」
それでは。とレミリアが席を立つと、王は慌てて返事をした。
「わかった! それで構わない!!!」
「約束ですよ?」
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(絶対にいつか泣きながら謝罪させてやるんだから!!!)
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