【完結】殺し屋令嬢は真実の愛を探します

【これはとある国で暗躍する殺し屋一族が、よその国の貴族達を巻き込んでお仕事をするお話】

 ダリア・バルド男爵令嬢は侯爵家の三男アドルフ・ベイラーに溺愛されていた。

「僕はやっと真実の愛を見つけたんだ!」

 そう言ってアドルフは婚約者だったルビー・フラン侯爵令嬢とあっさり婚約破棄した。これからは愛し合う2人で甘い甘い日々を過ごすはずだったのだが……。

 ルビーが他国の王子に見そめられたと聞くと不機嫌になり、最近ではコッソリ会いに行っている様子。

 さらにさらに、絶世の美女と名高い子爵令嬢との噂も立ち始めた。

「真実の愛ってなんですの?」

 ダリアにはよくわからない。彼女は愛など知らずに育てられてきたのだから。

 彼女が持っているのは幼少期から磨かれてきた殺しのスキルと、美貌と、暗殺対象に近付くための処世術だけだった。

「貴方が教えてくれるっておっしゃったんですよ?」

 ダリアは今日も今日とて真実の愛を探します。



※薄暗い空気のストーリーです
※ハッピーエンドと大声では言えない終わりです
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