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第一部 悪役令嬢の幼少期
8 取引き-2
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思い出に浸っていたことに気が付いたように、母はハッとして顔を上げた。
「本題に入るわね。そこで私が目を付けたのが『薬学』だったの」
「医者……医学ではなく薬学なのですね」
治癒師や医者はいなくとも、その地その地で独自に発展した薬学が各地にあったのだ。ただし、やはり劇的に効果があるとは言い難い代物ではある。
「もちろん本当は医者という存在も普及させたいわ。だけど時間がかかるだろうし、なにより反発が多いのは目に見えているから。金銭的に余裕がない平民にも使ってもらえる『薬』を先にと思ったの」
この国にいない『医者』という単語を聞いて、よく勉強しているわね、と母は誇らしげだが、今となっては治癒師よりそちらの方が私には馴染みがあるとは言えない。
(反発ねぇ)
魔術至上主義の我が国ならありえそうな話だ。魔術以外の技術など信じられない人が多い。いや、生理的に受け付けないと言った方が正しいか。
「とりあえず薬なら、それに強い国から輸入して安定した普及ができるはずだったの。だって治癒師の商売相手は金持ちばかりだし、お金のない平民向けの商品なんて無関心な人が多いでしょう」
耳が痛い。記憶が戻る前の私がまさにそうだ。
母はその後、薬師を招いて薬学の学校を開きたかったのだそうだ。
その土地によって病気の症状や、手に入りやすい薬草も違うからと。この国の為に薬学の発展を夢見ていた。
「だけどダメだったわ。あなたのお爺様とカルヴィナ家が、薬の普及などとんでもないって大騒ぎ。自分たちの価値が少しでも下がることは避けたかったのね」
カルヴィナ家はフローレス家と同じく治癒師の名家だ。アイリスの親友ライザの生家でもある。
「だからとりあえず、お爺様は引きずり下ろしたわ。ロイとの結婚も反対されていたし」
サラッと怖いことを言う。お爺様は孫にこそ優しいが、それ以外の人には大変厳しい人物で有名だ。見た目も威厳にあふれ近寄りがたい雰囲気を持っている。その人をどうやって引きずり下ろしたんだろうか。
「それから何年もかけて国王を説得したの。ちょうど平民からの支持がイマイチだったからそこをついてね。ほら、リオーネ様って平民出身とは言っても実家が大金持ちでしょう。人気取りには効果が薄かったのよ」
レオハルトの母親であるリオーネ様には私も会ったが、他の妃よりも多くの宝石を身に着け美しく着飾っていた。あの時は羨ましく思ったものだが、それが貴族の身分をもたなかった彼女の武器なのかもしれない。
「ここで今回の婚約が絡んでくるわ。フローレス家って商売はからっきしじゃない? 自分たちそのものが商品みたいなものだから」
「ははは……」
ここは笑うしかない。
「薬はロイの国から輸入することは決まっていたのだけれど、肝心の貿易船を持つ家と主要な港が全てカルヴィナ家に圧力をかけられていてね……そこで唯一手を挙げてくれたのがリオーネ様の実家、オースティン商会なの」
父ロイの出身国は日本をイメージして作られた国のようだった。周りが海で囲まれている島国のため、基本的な貿易は海路ということなのだろう。我が国とはそこそこ距離があるので、陸路ではどうしても時間がかかる。
「オースティン家はどういうわけか私がしたいことを知っていてね。そこで第一王子との婚約話を提案されたのよ……ごめんなさい。私の目的のためにあなたを犠牲にするなんて……」
「そんな! 最後にこの話を決めたのは私です」
実際、レオハルトとの婚約話に二つ返事で答えたのは私だ。そもそも母はこの国の為、大義の為に行動を起こしたのだ。公爵家の娘として、このくらいのことは当然と言ってもいい。
『嫌なら断ってもいいのよ』
そう言った母を今でも覚えている。
(最高の縁談なのにどうしてそんなことを言うの? って不思議だったんだよね~)
あの時はレオハルトの立場もわかっていなかった。リオーネ様が平民出身だとしてもレオハルトは優秀だと聞いているし、何よりイケメンだ。ルカも会うたびに彼を褒めていた。彼以外の次期王がいるだろうかと信じて疑わなかったのだ。
(我儘令嬢なのにこのへんの偏見のなさはこの家族のおかげかしらねぇ)
物語の中ではそれも次第に変わっていってしまうが。
目の前にいる母は自分のエゴのために娘を不幸にしたと思い込んでしまったようで、口をへの字に結んで悔しそうな顔になっている。
「いいえ、あなたが傷つくような婚約を結んでしまったのは母として私の落ち度よ」
「お母様にそのように思っていただけるだけで私は幸せです」
これは本当にそうだ。この世界、家のための不幸せな結婚などいくらでもある。
「あなたがレオハルト様に相手にされてないことには気がついていたの……だけどあなたのプライドを思うとなんと声をかけていいかわからなくて……これは言い訳ね」
記憶が戻る前のリディアナなら母の対応は正解だろう。婚約者に相手にされないなんて事実、絶対に認められなかった。プライドが許さない。
「だからこの婚約、あなたが嫌なら破棄しましょう」
「ありがとうございます……でも、思い直しました。今はまだこのままで結構です」
「リディ!」
「なにか解決策が見つかるまででも」
「でもそれじゃああなたが!」
不幸な結婚生活になるって? それとももしかしたら一生結婚できない?
そうかもしれないけど、レオハルトとの結婚はないし、前世から特別結婚願望があったわけでもないし。この国の為に頑張っている母の足を引っ張るくらいなら公開婚約破棄なんて大したことじゃない。
「あぁ! 昨日の騒ぎのせいで虫下を入れてもらえなくなったらどうしましょう!?」
オースティン家もそれは大騒ぎになっているだろう。
「……それなら問題ないわ。第一便はすでに国内に入ってきているし、何より今更この治療法を駄目にするなんて王が許さないでしょう」
それならよかった。まさかここでレオハルトとの婚約が絡んでくるとは……やはり慎重に動くべきだったのだ。
「リディアナ、本当にありがとう。……婚約のことだけではないわ。今回の件で予定より早く国内に薬の有用性を示すことができた。これで今後にも希望が持てるの」
「お母様の頑張りのおかげです! 今までの下積みがあったからこその今ですわ!」
実際、これまでの母の根回しがなければ、急に薬を輸入してくれといってこんなにスムーズにいっただろうか。人々の受け取り方も違ったかもしれない。
「ありがとう……リディアナ」
涙ぐむいつもと違う母を見てこちらも泣きそうになる。
「あっちの方は任せときなさい!!! もう二度とあなたに惨めな思いはさせないわ!」
「え!?」
急に元気を出すように声を上げた。あっち? あっちってどっちだ?
「もう手紙書いちゃってるから! エリザに聞いてね……怒りに任せて書いちゃったから!」
「あの……どなたに?」
恐る恐る聞いてみる。
「オースティン家、リオーネ様、レオハルト第一王子よ! 昨日の夜には届けてもらったわ!」
それで早々に手紙が来たのか。
「いい? 泣き寝入りなんて絶対にしたらダメよ! 何かあれば必ず報告して」
「ありがとうございます。……だけど私自分でなんとかしますわ!」
「それでこそ私の娘ね」
悪戯っ子のような笑顔の母を見て安心した。この国の王子を泣かすくらいは許してもらえそうだ。
さて、母のお墨付きももらったし、明日はレオハルトとの第二ラウンドだ。
「本題に入るわね。そこで私が目を付けたのが『薬学』だったの」
「医者……医学ではなく薬学なのですね」
治癒師や医者はいなくとも、その地その地で独自に発展した薬学が各地にあったのだ。ただし、やはり劇的に効果があるとは言い難い代物ではある。
「もちろん本当は医者という存在も普及させたいわ。だけど時間がかかるだろうし、なにより反発が多いのは目に見えているから。金銭的に余裕がない平民にも使ってもらえる『薬』を先にと思ったの」
この国にいない『医者』という単語を聞いて、よく勉強しているわね、と母は誇らしげだが、今となっては治癒師よりそちらの方が私には馴染みがあるとは言えない。
(反発ねぇ)
魔術至上主義の我が国ならありえそうな話だ。魔術以外の技術など信じられない人が多い。いや、生理的に受け付けないと言った方が正しいか。
「とりあえず薬なら、それに強い国から輸入して安定した普及ができるはずだったの。だって治癒師の商売相手は金持ちばかりだし、お金のない平民向けの商品なんて無関心な人が多いでしょう」
耳が痛い。記憶が戻る前の私がまさにそうだ。
母はその後、薬師を招いて薬学の学校を開きたかったのだそうだ。
その土地によって病気の症状や、手に入りやすい薬草も違うからと。この国の為に薬学の発展を夢見ていた。
「だけどダメだったわ。あなたのお爺様とカルヴィナ家が、薬の普及などとんでもないって大騒ぎ。自分たちの価値が少しでも下がることは避けたかったのね」
カルヴィナ家はフローレス家と同じく治癒師の名家だ。アイリスの親友ライザの生家でもある。
「だからとりあえず、お爺様は引きずり下ろしたわ。ロイとの結婚も反対されていたし」
サラッと怖いことを言う。お爺様は孫にこそ優しいが、それ以外の人には大変厳しい人物で有名だ。見た目も威厳にあふれ近寄りがたい雰囲気を持っている。その人をどうやって引きずり下ろしたんだろうか。
「それから何年もかけて国王を説得したの。ちょうど平民からの支持がイマイチだったからそこをついてね。ほら、リオーネ様って平民出身とは言っても実家が大金持ちでしょう。人気取りには効果が薄かったのよ」
レオハルトの母親であるリオーネ様には私も会ったが、他の妃よりも多くの宝石を身に着け美しく着飾っていた。あの時は羨ましく思ったものだが、それが貴族の身分をもたなかった彼女の武器なのかもしれない。
「ここで今回の婚約が絡んでくるわ。フローレス家って商売はからっきしじゃない? 自分たちそのものが商品みたいなものだから」
「ははは……」
ここは笑うしかない。
「薬はロイの国から輸入することは決まっていたのだけれど、肝心の貿易船を持つ家と主要な港が全てカルヴィナ家に圧力をかけられていてね……そこで唯一手を挙げてくれたのがリオーネ様の実家、オースティン商会なの」
父ロイの出身国は日本をイメージして作られた国のようだった。周りが海で囲まれている島国のため、基本的な貿易は海路ということなのだろう。我が国とはそこそこ距離があるので、陸路ではどうしても時間がかかる。
「オースティン家はどういうわけか私がしたいことを知っていてね。そこで第一王子との婚約話を提案されたのよ……ごめんなさい。私の目的のためにあなたを犠牲にするなんて……」
「そんな! 最後にこの話を決めたのは私です」
実際、レオハルトとの婚約話に二つ返事で答えたのは私だ。そもそも母はこの国の為、大義の為に行動を起こしたのだ。公爵家の娘として、このくらいのことは当然と言ってもいい。
『嫌なら断ってもいいのよ』
そう言った母を今でも覚えている。
(最高の縁談なのにどうしてそんなことを言うの? って不思議だったんだよね~)
あの時はレオハルトの立場もわかっていなかった。リオーネ様が平民出身だとしてもレオハルトは優秀だと聞いているし、何よりイケメンだ。ルカも会うたびに彼を褒めていた。彼以外の次期王がいるだろうかと信じて疑わなかったのだ。
(我儘令嬢なのにこのへんの偏見のなさはこの家族のおかげかしらねぇ)
物語の中ではそれも次第に変わっていってしまうが。
目の前にいる母は自分のエゴのために娘を不幸にしたと思い込んでしまったようで、口をへの字に結んで悔しそうな顔になっている。
「いいえ、あなたが傷つくような婚約を結んでしまったのは母として私の落ち度よ」
「お母様にそのように思っていただけるだけで私は幸せです」
これは本当にそうだ。この世界、家のための不幸せな結婚などいくらでもある。
「あなたがレオハルト様に相手にされてないことには気がついていたの……だけどあなたのプライドを思うとなんと声をかけていいかわからなくて……これは言い訳ね」
記憶が戻る前のリディアナなら母の対応は正解だろう。婚約者に相手にされないなんて事実、絶対に認められなかった。プライドが許さない。
「だからこの婚約、あなたが嫌なら破棄しましょう」
「ありがとうございます……でも、思い直しました。今はまだこのままで結構です」
「リディ!」
「なにか解決策が見つかるまででも」
「でもそれじゃああなたが!」
不幸な結婚生活になるって? それとももしかしたら一生結婚できない?
そうかもしれないけど、レオハルトとの結婚はないし、前世から特別結婚願望があったわけでもないし。この国の為に頑張っている母の足を引っ張るくらいなら公開婚約破棄なんて大したことじゃない。
「あぁ! 昨日の騒ぎのせいで虫下を入れてもらえなくなったらどうしましょう!?」
オースティン家もそれは大騒ぎになっているだろう。
「……それなら問題ないわ。第一便はすでに国内に入ってきているし、何より今更この治療法を駄目にするなんて王が許さないでしょう」
それならよかった。まさかここでレオハルトとの婚約が絡んでくるとは……やはり慎重に動くべきだったのだ。
「リディアナ、本当にありがとう。……婚約のことだけではないわ。今回の件で予定より早く国内に薬の有用性を示すことができた。これで今後にも希望が持てるの」
「お母様の頑張りのおかげです! 今までの下積みがあったからこその今ですわ!」
実際、これまでの母の根回しがなければ、急に薬を輸入してくれといってこんなにスムーズにいっただろうか。人々の受け取り方も違ったかもしれない。
「ありがとう……リディアナ」
涙ぐむいつもと違う母を見てこちらも泣きそうになる。
「あっちの方は任せときなさい!!! もう二度とあなたに惨めな思いはさせないわ!」
「え!?」
急に元気を出すように声を上げた。あっち? あっちってどっちだ?
「もう手紙書いちゃってるから! エリザに聞いてね……怒りに任せて書いちゃったから!」
「あの……どなたに?」
恐る恐る聞いてみる。
「オースティン家、リオーネ様、レオハルト第一王子よ! 昨日の夜には届けてもらったわ!」
それで早々に手紙が来たのか。
「いい? 泣き寝入りなんて絶対にしたらダメよ! 何かあれば必ず報告して」
「ありがとうございます。……だけど私自分でなんとかしますわ!」
「それでこそ私の娘ね」
悪戯っ子のような笑顔の母を見て安心した。この国の王子を泣かすくらいは許してもらえそうだ。
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