192 / 259
ANOTHER DAYS
13 side樹理
しおりを挟む下着専門店。っていうから、どんなお店かと思ったけど、着いてみたら普通のお店でちょっとほっとしてたり。
「こーん、にっちはー」
わりと新しい感じの商店街のなかに、ちょこんとかわいらしいお店。ショーウインドウには秋冬の服が飾られていて、ぱっと見た分にはそうと分らない雰囲気。
「いらっしゃい」
ガラスのドアをくぐると、なんだか甘い匂いがするくらい、すごくかわいらしい内装。
「今日は? また胸のサイズ増えた?」
「……天音(たかね)さん……そんなばこばこ変わってたら、私破産します」
首からメジャーをかけた女の人がニコニコ笑いながらやってきて夏清ちゃんに話し掛ける。
「成長期のお嬢さんにばこばこ変わってもらわなきゃこっちは商売上がったりじゃない。年寄りの修正不可能な胸ばっかり見てちゃこっちまで年取っちゃうわよ。あら?」
夏清ちゃんの後ろにくっついてた私の方をみて、天音さんがじーっと、下から上に視線を動かすのがわかる。最後に目が合って。
「こ、こんにちは」
「はい、こんにちは。夏清ちゃん、こんないじり甲斐のある子どこで拾ってきたの?」
いじり、甲斐?
「拾ってません。そんな取って食うような見方しないで下さいよ。最初に言っときますけどあげませんからね」
「けちー」
頬を膨らませてそう言ったあと、腰に当てていた右手で首からかけていたメジャーをとる。
「どっちにしろ、測っちゃうけどね」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
200
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる