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ANOTHER DAYS
11 side樹理
しおりを挟むあれもこれもそれも。って夏清ちゃんが手当たり次第いろんな布の塊を取り出してる。
「うーん。これとかは? こっちでもいいかなぁ。あ、これはまだ着てないや」
なんというか、こう、ひらひらしてて生地が薄くて。
「これ……どうしたの?」
「買ってくるのよ。いつの間にか」
井名里さんが?
これ?
………どこで………
「着て、るの?」
これ……
「半々。死んでも抵抗することもある。コレとかね」
って、放ったのはなんだかもう……服?
「逆にね、妥協してあっちなら、ってので、何回も着てるのもある。ここには入れてないけど」
はぁ……
「うーん。樹理ちゃんに合いそうなの、このくらいかなぁ」
このくらい、って言ってもテキパキした動きで衣装ケースの中身、半分くらいでてるんだけど?
「んじゃこれから」
「は?」
これから?
え? ここで?
「着てみてー」
「え……なんで……」
「見たいから」
渡された服握りしめて、次の動きが思いつかない。返したいけど手が動かない。
「ほら、似合わなかったらダメだし」
ああ、そっか……って!!!
「着てみてー」
にこーって。
「着なきゃ、ダメ……?」
「ダメ」
うう。笑顔のプレッシャーって、怖い。
「いやーん、かーわーいーいっ!!」
なんだか着替えてるの見られるの、女の子同士でも恥ずかしくて、こんな服だからもうなおさら。だから見ないでね、って頼んで、着替えて、みたのだけど。
「立って立って」
「え? 立つ、の?」
「うん。長さ。丈」
言われてしぶしぶ、立ってみる。いやー……なんか、もう、心もとない。
「うーん。やっぱり長いなぁ」
長い!? コレが長い!? 膝小僧見えてるのに長いの!?
確かに、夏清ちゃんと私じゃ身長が二十センチくらい違うから、夏清ちゃん用は必然的に長いよね……
「コレで、充分だけど」
というより、ゴメン。もらっても着れないよ。こんな服……
「ダメよ!! 思ってたのより十センチは長いわ。どうしようかしら」
夏清ちゃんが、セリフのあと小さく『切るか?』ってつぶやく。これでいいですぅ
「ああなんか。分りたくもなかったけど、先生のキモチちょっとわかったかも」
「は?」
どうしてそこでいきなり井名里さんが……
「よし!! 明日のお買いものはこれにしようっ! なんか、ブラもサイズ合ってなさそうだし、ママさんのお店に行こう!!」
ままさん?
「同級生のお母さんがやってるお店。安くしてくれるから大丈夫!!」
大丈夫、って………
「ランジェリーショップだから、この手の服もいっぱいあるから!! 私は買った事ないけど」
……うん、自分で買わなくても……平気、よね。これだけあれば。
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