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ANOTHER DAYS
5 side夏清
しおりを挟むはー。
「至福ー」
スポンジあわあわにして、自分の体洗いながら思わずつぶやいたら、先に湯船に浸かっていた樹理ちゃんに不思議そうな顔されちゃった。
いやもうだって、ひさしぶりなの。邪魔されないでお風呂に入るの。
「ええっ!? お風呂一緒に入るの!?」
で、一緒に入るって言ったらものすごーっく、驚かれちゃった。
「え? 入らない?」
「入らないっ!! 別々っばらばら」
「言われない? 入ろうって」
「言われないっ!!」
そんな真っ赤になって力の限り否定しなくても。
「いいなーウチなんかねぇ、居たら絶対一緒だよ。ドコがどうなって経済的なんだか分らないけど」
一度に済ませたほうがいいだろって。今日だってねー今日だってねー。樹理ちゃんと入らなかったら絶対、平気でいつもどおりされちゃうと思ったから。さすがに先生もこれじゃ手も足も出ないでしょ。
「先生が帰り遅い日とかは先に入っちゃうんだけど、入ってる最中帰ってきたら絶対乱入してくるし。もう体洗ったって言っても絶っ対、洗いなおすって聞かないし」
そりゃもう嬉々として。
「たまに一人で入っていいよって言われた日は絶対なんか企んでるし」
持って来てた着替えの代わりに変な服がおいてあるなんてのはかわいい方で、なんにもなくなってることもしょっちゅう。油断してると途中から入ってきちゃうこともある。
「井名里さんって、そう言う人?」
「そう言う人。そっかーいいなー樹理ちゃんは。平和で。っていうか、氷川さんってやりたくても言わなさそう」
「やっ……やりたい、かな?」
「うーん。カレシ居る子とかの話聞いてるとわりとみんな一回は言われたって言ってたよ。一緒にお風呂入ろうって」
入ってるかどうかは別にして。その時話してたメンバー全員、カレシの年齢ウチみたいに上に離れてるのから年下まで居たけど、言われたことのある子ばっかりで『結局男って幾つになろうがみんなおんなじこと考えてるのね』って納得してしまったんだけど。
泡を流してから、考え込んでる樹理ちゃんの隣に入る。
「そんな悩まなくても。ほら、氷川さんってなんだかちょっと普通の人と違うっぽいじゃない?」
あ、しまった。フォローになってなかった。
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