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2 なんとなくもやもやする、のはなぜなのかと。

私のターンは終わったので。

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すみません、なぜか位置が飛ばして予約投稿していました。
一話戻ってもらうともうすこしちゃんと話がつながります。

20日朝7時の更新はありません。ごめんなさい。


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「すっげー 上手いじゃん街宮さん。歌声もめちゃくちゃかわいいし。カラオケ嫌いとかウソでしょ」

 地声は普通だけど、私は歌うとなぜかかわいい声になってしまうのだ。歌声は姉のそれとよく似ているので、ここに小畑さんがいなくてよかったと心底思う。


「苦手なんです」

 佐藤君を挟んで、なんだか上機嫌の友枝さんが声をかけてくれる。

「またまた謙遜して。他にも歌ってよ。街宮さん」

 いえ、歌うことは好きだけど、カラオケと言う場所は本当に苦手なんです。

 友枝さんはそう言って、大勢いすぎてどれがだれだかさっぱりなガールズユニットの名前を出してくる。


「すみません、知らないんです。その人たちの歌……」

「友枝、もともと嫌がってるのを一曲だけって無理に連れてきたんだから、もういいだろ」

 友枝さんの方を見ていたら、ふいに視界が塞がった。数瞬あと、それが佐藤君の背中だと気づく。



「あ、すいません」



 いつになく語気が強い感じで友枝さんからかばってくれたらしいその背中を見ていると、居酒屋の時からマナーモードだったスマホが震える。


 開けてみると、そこに表示されているのは『我が家』これは多分、父だ。液晶の隅っこの時計は午後十時を回っている。


 佐藤君に断わって、廊下に出て、それでも漏れてくる音で喧しい中電話に出ると、案の定父だった。今何してるの、いつ帰ってくるの、早く帰ってきなさいのオンパレードだ。


「うん、わかってる。もう帰るよ。大丈夫だってば。え? わかった。バイバイ」


 背後のざわつきからカラオケに来ていることが分かったらしい父が、そんなところで歌うくらいなら家の防音室で歌いなさいとか今電話で言わなくていいようなことまでグダグダと言い出したので、強制終了。



 すぐに部屋に戻って、家族から帰れコールがきて先に帰ることを伝えると、佐藤君がコートを取ろうとした私を止める。


「ごめん、街宮さん。もう歌わなくていいし、あと一曲だけ、帰るのはもう一曲だけ俺の歌聞いてからにして?」


 先輩の歌が終わる。次は誰の歌だろう。向こう側を遮っているいる佐藤君の体で、画面も見えない。


 そう思っていたら、さっきと同じイントロが流れ出した。私が歌った歌と同じイントロが。



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