あい らぶ? こめ。

神室さち

文字の大きさ
上 下
123 / 129
後の祭り

ぴっかぴかにして……どーする……

しおりを挟む


 水音?

 雨音……とは違う、水の流れる音。

「んっ……ふぇ?」

 耳に届く音に覚醒しかけてた意識が、ピリリとした軽い痛みに、ぐんっと引っ張りあげられた。


 ん。まぶしい。


「おや? 目が覚めましたか」


 んー?


 明るい周囲に、パチパチと瞬いて、見覚えのある空間を認識する。

 お風呂だ。

 これまで何回か、いっそいい思い出のない場所。

「ん。な、に?」

 身じろぎしようにも、体が……関節がぎしぎしして、痛い。そんなに痛みを感じなかったのは、なんというか、がっちり、抱え込まれてたせいなんだけど。

 浴槽の縁に座った柊也の膝の上だ。しかも、恰好が、その。

「……って! ナニ撮ってんの!?」

 ちっちゃい子が、おしっこさせられるような恰好……で、柊也にひざ裏を持たれてる俺の前。

 胡坐をかくように床に直に座ってる藤也の右手には、薄ピンクのラバーみたいな防水カバーにくるまた、手にすっぽり入る、握りこむような形のビデオカメラだ。レンズの横が赤く光ってるから、ばっちりREC中。

「いやぁ やっぱり、スマホよりちゃんとした高画質カメラが微細なとこまでバッチリ映るし、防水カバーもいいのがあるし、定点カメラよりこうやって撮ったほうがいい画が撮れるよねって結論に至ってだな」

「撮ッ!! そんなトコ撮るなバカ!!」

 今まで寝てたせいか、手は何の拘束もされてなくて、自由に動いたから、とりあえず、カメラが狙ってる全開の場所を隠す。

「今更隠してももうナカまでばっちり撮らせて頂きましたから、そこは」

 グイッと、ひざ裏を抱え直されて、その分だけお尻が柊也の膝の上を滑り、カメラの前に差し出される。


 なっ な。中までッ!?


「ふふふ。夢うつつで素直にあんあん言っちゃうマコもかわいいけど、こうやって恥ずかしがるトコもイイよなぁ 隠しきれないチラリズムとか」

 滑らかな動作で、ゆっくりと藤也が立ち上がる。藤也も服なんか着てないし、隠しもしてない。隠す必要性を感じてない、何とも自然な立ち方……見栄えいいですからねー そりゃぁねー 別に晒しても恥ずかしくないですよねー……

「手振れ補正すげぇな」

 当然、カメラも上に。もう何といえばいいのかわからないまま見上げてる俺を、俯瞰するみたいに上の方に構えて、またゆっくり、下へ。

「それよりさ、コレ、気にならねぇの?」

 床にお尻をつけて座り込まず……ヤンキー座りの格好でしゃがみこんで、藤也がくいっと何かを引っ張った。

「んひゃっ!」

 襞を外向きに動かされ、ナカの一回り太いところが、こりっと連動する。

 目を開けた時より、お尻がずっているので、下を向けば状況はわかる。

「なっ に、突っ込……」

「シャワーホース。大丈夫、ヘッドは外してるから」

 あっ 当たり前だッ!ここのシャワーヘッド、水の出るとこでっかいだろ。絶対直径十センチ近くあるだろッ!!

 そんなの入るわけねぇよ!!

 前を押さえてる手があるから、入ってる部分は見えなくても、お尻からグレーがかったシャワーのホースが伸びているのは見える。そんでもって、覚醒の前に聞こえた水音は……ここから出てたものだったのか!!

「やっ なに、抜いてッ!!」

 少し手を伸ばしたら届きそうで、身をかがめようとしたら、柊也の手が伸びてきて阻止された。ちなみにひざ裏は腕と言うか、肘くらいの場所でがっちりホールドされていて、そっちも動かない。

「だめー ちゃんと洗っとかないとあとが困るのはマコだからな」

「汚した場所の掃除は、汚した人間がするものですしね」

「そうそう。母さんがよく言ってたよな『掃除は使う前より美しくしてこそ掃除なのよ』って」

「藤也も覚えていましたか。そんなわけで、誠心誠意、奥まできれいにしましょうね?」」

「おう。ピッカピカにな!」



 そ。


 そんなとこ。


 ぴっかぴかにして……どーする……



しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

処理中です...