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過ぎたるは猶及ばざるが如し
あー……? なんでだっけ?
しおりを挟むだって、ナカの気持ちいいとこ、擦り切れるんじゃないかってくらい擦られてひっかけられて。
体の最奥の、自分自身ではその存在すら気にも留めない場所を広げられる感触にゾクゾク背筋を電気が走るのに、このままじゃ絶対、イけない。
「そんな必死に首振らなくても。んじゃさ、もう気持ちイイって一言でいいから言って。そしたらイかせてやるよ」
乳首に結びつけた糸を弄びながら、覆いかぶさってた藤也が耳元に口を寄せて、甘い毒を流し込むみたいに、言う。
言ったら、イける? この、限界を行き過ぎてわけわかんなくなった状況から、抜け出せるの?
すごい近くにある、藤也の顔。藤也の目も、なんか、熱っぽく潤んでるんだなぁとか今更気づいた。
「イイ子だから言ってみな? キモチイイって、五文字だけ。エロいこと言えって言ってんじゃねぇから、言えるだろ?」
言いながら、目や鼻やおでこに、ふわふわキスが降ってくる。
「実際、どう誤魔化しても今、真琴は気持ちイイんですから、素直に言うだけですよ。恥ずかしいこともないでしょう?」
抽挿を繰り返しながら、柊也がなんかもう、今までで一番優しげな声音で言う。
言われた、とおり、なんだけど。
でもなんか、とにかく、気持ちイイってことを認めたら負けだと思ってぜってー言わねぇ! って耐えてたんだけど、あー……? なんでだっけ?
もー よくわかんない。こんだけ言われてるってことは、二人には俺の状態なんかずっと前からバレてて……そうだよなぁ ずっと前から言われて続けてたもん。
「マコ、ほら、気持ちイイだろ?」
ちゅっと、唇に、触れるだけのキスをして、藤也が、視点が合うくらいまで顔を離して、でもぼやけてて……でも、すっごい、やさしー顔で笑ってるのは、わかって。
「真琴が気持ちイイと感じて、素直に言ってくれるだけで、私たちは嬉しいんですがねぇ……」
うー あー もう。なんなの。なんでしみじみした口調でそう言うこと言うんだ。言わなきゃ 俺がしてほしいことしないって言われるのなら、なんかもう、全力抗いたい気分になるのに、そう言う言い方は、卑怯だ。
「ぅん……きも、ち……いー」
今まですごい、我慢してた分、気持ちイイって言葉は、コロッと簡単に口の端からこぼれた。
「うん。そうそう。マコは乳首、こうやって弄られると気持ちイイよな?」
すぅっと、藤也が覆いかぶさってきて、乳首に、喋った声の息がかかる。
「やっ だめッ 歯……乳首、擦れッ 千切ッれっ!!」
そのまま吸い付いた藤也の歯が、乳首を食んで巻きついた糸を引き上げていく。
乳首の側面がこそがれるみたいになりながら、ひっぱりあげられる。舌とも指とも違うざりざりした感触が、そのまま、背骨までざりざり擦りあげていく。
「んひゃあああッ!!」
糸が外れた乳首を、舌が労わるように柔らかく舐める。
「本当に。ちょっと意識が緩むのと同時に体もつられいい具合に力も抜けていたのに、乳首一つの刺激ですごいですね」
「キュイキュイ来んだろー? もう片方は……テッペン上り詰めるくらい気持ちよくなるために、イく時にしよっか?」
疑問形だけど、まあ、俺の答えなんか求めてのセリフじゃない。言いながら藤也が、俺の頭の上の方から、右側に移動する。
「やっぱり、イく時の顔は突っ込みながら見たいよなぁ? あー 俺ってなんつーお兄ちゃん想いなんだろ」
「……セリフは白々しい上に気持ち悪いですが、心遣いは感謝しましょう」
ああ、もう。なんなのこの兄弟。
「真琴」
呼ばれて、涙の膜が張った視界を瞬いてクリアにして、柊也の方を見る。
体勢が、こう、腰の方が頭より高いから、柊也を見上げたら自分の置かれてる状況もよく見えるわけで……
藤也の言うとおり、じゅぐっと入れられるのと同時に、もはや透明なだけの液体を、少しずつ零し続ける中心とか、その体液に濡れてぺったり体に張り付いている薄い毛だとか、弄られすぎて真っ赤に腫れて。
片方だけたこ糸が巻きついた乳首だとか……もう、エロい。
「こうやって、抜く時にイイところをひっかけられるのも」
「んっ!?」
「そしてまた奥まで広げられるのも、気持ちよくて仕方ないでしょう?」
ゆっくりとぎりぎりまで引き抜いて、早すぎない速度でまた埋まってくる。
「んふ。は。やっ そこ……」
ずるずると引いて、ぬるぬると押し込む。
「ここですか?」
もう何度も何十回も、もしかしたら三桁まで行くくらい、太いモノで刺激された場所を、今更確認するように細かい抜き差しでゴリゴリする。
その動きに合わせる様に、勝手に腰がかくかく揺れるなぁと思ってたら、知らないうちに両足が柊也の腰をがっちりしがみついていた。
「ここが、どうしました?」
その声音に、何とも楽しそうな気配を隠そうともせずに、柊也が問うてくる。
「そこ、気持ちい……ひゃあう」
「ここだけじゃないでしょう?」
「ん……っん!」
頷くと、何度受け入れても入れられるたびに押し開かれてる感じがする奥へ、進んで、止まった。
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