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後悔先に立たず
ああもうホント、俺……なんでこんな性格なの……
しおりを挟む「今夜はどれにしますか?」
今夜、例のジョイントさんたちが詰まった箱を持って来たのは柊也。
「一番ちっちゃいの!!」
藤也は俺の後ろに回って首輪取付中。細い幅の赤いやつで、鈴は鳴らないでっかいの。ネコ耳は絶対で、手足の装飾がまた新しくなってた。
白の手の甲くらいまでしかないもふもふした手袋と、同じ素材のくるぶしまであるかないかのブーツ。
ベッドの上でブーツってなんかすごい違和感あるんですけど。って言うか、冬でも俺、そんなもん履かないんですけど。
「今日は白靴下バージョンで!!」
確かに、猫って足だけ白いヤツがよくいるけど、人間で再現しようってその考えがよくわかんない。手袋中途半端でなんか気になる。
無駄に前日比二倍強の広さに、無駄に広くなったベッドの上でぺたんと座り、もうさすがに学習して大人しいフリしてる俺の前に、差し出された箱から、昨日と同じのを選ぶ。
「いいのですか? 物足りなくなりませんか」
なりません!!
「物足りなくなったら言えよ、大きいのにチェンジしてやるから」
しなくていい。
「あとそれから」
じゃーん、って、藤也が出してきたの。
注射器? 直径三センチくらいの。ちゃんとメモリがついてて、でも中身はなんか、水色の液体。それを俺に手渡して。
「『注射器型ローション注入器~』って言って」
子供の頃、幼馴染んちでよく見てたネコ型ロボットの声真似。
「言わねぇよ!!」
「ちぇー たっぷり入って洗って何度でも使える優れものなのに」
そういう問題じゃねぇ こんな変なグッズばっかり揃えるなよ……
「入れてあげますからそれをこちらに渡して四つんばいになって下さい」
だからなんで、そんなさらっと恥ずかしい格好させようとするかな。
「や……やだ」
四つんばいって……いやもう何回もさせられてきましたけれども!! いざやれって言われたら死ぬほどはずかしいじゃないか!!
「そんなんされるくらいなら自分でやるッ!!」
柊也の口が左右非対称になる前に、叫ぶ。叫んでから、ヤバい俺、何言ってんだって思ったけど、口から出ちゃった言葉は飲み込めない。
俺のセリフにびっくりしたのは俺だけじゃなかったらしくて、三人とも一瞬ぽかんとした顔。
「入れてるとこ見せてくれんの?」
「見せねぇよ」
幸い、今着てる服は丈が結構長い。
双子に見られながら入れられるより、隠しながらした方が何倍か恥ずかしくない、と思う。多分。絶対。きっと。うん。
こういうの、入れとかないと痛いんだろうなーってのは、なんとなくわかるから、なくていいとは言えない。
「じゃ 早速どうぞ?」
「ゆっくり見学しとこーっと」
手に、でっかいイロモノの注射器持ってる俺の前、藤也はベッドに上がりこんで伏せて顎を手で支えてるし、柊也はベッドの縁に座ってる。
「はっやくー 早くー はっやっくー」
歌うみたいに言う藤也。足が同じリズムでぶんぶん振れている。
「できないのならやっぱり……」
「できるっ!!」
手を伸ばした柊也から、ばっと注射器を隠す。ううう。やっぱよく考えたらできないかも。とか思ってたのに、口から出たのは正反対の言葉。
ああもうホント、俺……なんでこんな性格なの……
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