あい らぶ? こめ。

神室さち

文字の大きさ
上 下
95 / 129
後悔先に立たず

ああもうホント、俺……なんでこんな性格なの……

しおりを挟む



「今夜はどれにしますか?」

 今夜、例のジョイントさんたちが詰まった箱を持って来たのは柊也。

「一番ちっちゃいの!!」

 藤也は俺の後ろに回って首輪取付中。細い幅の赤いやつで、鈴は鳴らないでっかいの。ネコ耳は絶対で、手足の装飾がまた新しくなってた。

 白の手の甲くらいまでしかないもふもふした手袋と、同じ素材のくるぶしまであるかないかのブーツ。

 ベッドの上でブーツってなんかすごい違和感あるんですけど。って言うか、冬でも俺、そんなもん履かないんですけど。

「今日は白靴下バージョンで!!」

 確かに、猫って足だけ白いヤツがよくいるけど、人間で再現しようってその考えがよくわかんない。手袋中途半端でなんか気になる。

 無駄に前日比二倍強の広さに、無駄に広くなったベッドの上でぺたんと座り、もうさすがに学習して大人しいフリしてる俺の前に、差し出された箱から、昨日と同じのを選ぶ。

「いいのですか? 物足りなくなりませんか」


 なりません!!


「物足りなくなったら言えよ、大きいのにチェンジしてやるから」

 しなくていい。

「あとそれから」

 じゃーん、って、藤也が出してきたの。

 注射器? 直径三センチくらいの。ちゃんとメモリがついてて、でも中身はなんか、水色の液体。それを俺に手渡して。

「『注射器型ローション注入器~』って言って」

 子供の頃、幼馴染んちでよく見てたネコ型ロボットの声真似。

「言わねぇよ!!」

「ちぇー たっぷり入って洗って何度でも使える優れものなのに」

 そういう問題じゃねぇ こんな変なグッズばっかり揃えるなよ……

「入れてあげますからそれをこちらに渡して四つんばいになって下さい」

 だからなんで、そんなさらっと恥ずかしい格好させようとするかな。

「や……やだ」

 四つんばいって……いやもう何回もさせられてきましたけれども!! いざやれって言われたら死ぬほどはずかしいじゃないか!!

「そんなんされるくらいなら自分でやるッ!!」

 柊也の口が左右非対称になる前に、叫ぶ。叫んでから、ヤバい俺、何言ってんだって思ったけど、口から出ちゃった言葉は飲み込めない。

 俺のセリフにびっくりしたのは俺だけじゃなかったらしくて、三人とも一瞬ぽかんとした顔。

「入れてるとこ見せてくれんの?」

「見せねぇよ」

 幸い、今着てる服は丈が結構長い。

 双子に見られながら入れられるより、隠しながらした方が何倍か恥ずかしくない、と思う。多分。絶対。きっと。うん。

 こういうの、入れとかないと痛いんだろうなーってのは、なんとなくわかるから、なくていいとは言えない。

「じゃ 早速どうぞ?」

「ゆっくり見学しとこーっと」

 手に、でっかいイロモノの注射器持ってる俺の前、藤也はベッドに上がりこんで伏せて顎を手で支えてるし、柊也はベッドの縁に座ってる。

「はっやくー 早くー はっやっくー」

 歌うみたいに言う藤也。足が同じリズムでぶんぶん振れている。

「できないのならやっぱり……」

「できるっ!!」

 手を伸ばした柊也から、ばっと注射器を隠す。ううう。やっぱよく考えたらできないかも。とか思ってたのに、口から出たのは正反対の言葉。



 ああもうホント、俺……なんでこんな性格なの……


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

処理中です...