あい らぶ? こめ。

神室さち

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口は禍の元

早く、時間、過ぎて。お願い。

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「どうしました?」

「気持ちイイなら素直に認めちゃったらいいのに」

「違ッ! きもち、いく、なっぃ」

 キモチイイ、わけじゃない。のに、変な声だけ出る。

 何回か、繰り返された同じ質問と、答え。

 同じあたりばかりをただ単調に刺激されるだけ。だから、指でやられてるより、ずっとまし。


 ましなんだ。

 まし、な……はずなのに。


「んっは……」

 なんだろう。なんていうか。


「マコー? お尻あげちゃったら、涎垂らしてるとこ見えちゃうけどいいの?」

 お尻のあたりで息遣いさえ感じて、はっとそっちを見たら、ベッドに突っ伏すみたいにして、覗き込んでる変態、約一名ッ!

  なるべく、体を小さく折りたたんでるつもりなのに、そこにはやっぱり隙間ができてて、見えちゃうわけで。

「やぁッ! っん。ちが、それ、お前、ら……が、入れたヤツ……だぁッ んんっ……っくぅんッ」

 体の一部と一部を接着しても、隙間ができるのならと、ぺちゃっとカエルがつぶれるみたいに、体をシーツに密着させたら、その、アレが擦れちゃうわけで。

 うわちょっと、コレは気持ちよかったかも……じゃなくて!!

 ちくしょー 言われなくてもなんとなくわかってるよ、自分の体だもん。なんか、この弱々しい刺激にも、なんか、その、反応しちゃってるっぽいの位はッ

「ん、なっ」

 突然伸びてきた手に、顎を取られる。ぐいっと、強引に。

「なるべく、とは言いましたが、絶対に、とは言ってませんよ?」

 触らないって言ったじゃん、って顔したら、柊也が諭すように言う。そうだったっけ?

「こんな風に隠されたら、もし真琴がイってしまったとしても、いつの出来事かわからないでしょう? それとも、その辺りにどちらかの手を突っ込んで、生温かいものが出てくるのを確認しましょうか? さわり心地が良くて、うっかり揉みしだいても、見えないから構いませんよね?」

 やだやだやだやだッ! うっかりじゃなくてお前ら、絶対やるだろ!?

「じゃあ、ちゃんと体を起こして」

 ぷるぷる頭を横に振ったら、柊也がそう言って顎から手を離す。支えがなくなって、再びぽてっとシーツに頭を落とす。

 見えるように……って、仰向け?

 それは絶対だめだ。なんでって、さっき、うにうに動く中のモノの感触が嫌でゴロゴロ打った時、仰向けになったら、しっぽの外側部分が押されて、ちょっとだけぐっと、奥の方入ってきたから!

  ちょっとヤバそうなとこ掠めたからッ!! そのせいでなんか、変なスイッチが中途半端に入っちゃって、なんて言うか、ものすごく、そう、中途半端な感じなんだ、今。

 気持ちいい……の、一つ半手前……くらい。

 ヤバいよ。何で俺、こんなになってんの? お尻にちょっとしたの挿れただけで。

「ひぁ っんっく」

 仰向けは無理。尻尾の深さや角度変わっちゃったら困るし、なにより、そんな、恥ずかしいとこ曝け出す様な恰好、無理。

 だから、そろそろとひざをずらして、もう一回、さっきみたいに、膝を抱えるみたいに、するのが、楽、だと思う。

「その体勢、結構苦しくねぇ? ほれ、コレ抱えとけば」

 この体勢は変えないつもりなのを察したのか、藤也がくすくす笑いながら円柱形のクッションを差し出してきた。

 伸縮性の高い生地の中にマイクロビーズが詰まった、直径が二十センチ、長さが六十センチほどそれは、くたくたしてるけど、体に沿いやすくて抱き込んでも、確かに、なんにもないよりは楽。

 抱き枕なのか、結構長いから、ナニに当たんないようにしなくちゃだけど。

 ふぅっと息を吐いて、時計を見上げて。げ。まだ二十分にもなってないじゃん。絶対もう、一時間以上過ぎた気がするのに。

 コレ、あと十分近くガマンすんの? 勘弁してよ、ホント。

 クッションにぎゅーっとしがみついて目を閉じる。



 早く、時間、過ぎて。お願い。


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