あい らぶ？ こめ。

一難去ってまた一難

な？ っじゃ、ねぇ！！

　恐る恐る振り返ったら、藤也がタライにつけていたらしい透明な何かを右手に掴んでいた。

　俺の小指ほどの太さの管が、二十センチくらい。その後ろに、五・六センチ角の、蛇腹になった部分。ピコピコハンマーの子分みたいな形の、もの。

　その管の先端を、柊也がこれまたどこから出したものなのか、ハサミでチョキン。

「マコ？　ちょーっと、力抜いてな？」

「んっ！？　ひゃっ　何っ！？」

　突然お尻の割れ目、間のとこに、トロリとした何かが伝う。あとから知ったけど、それはそういう行為用のジェルだったらしい。

　そのジェルを、塗りこめるように、藤也の指が俺のお尻の孔にもぐりこんで、すぐ抜けた。

　去った異物感に、安堵する暇もなく。

「あっ？　何！？　なになに、なんだよッ」

　つぷっ……と、指じゃない何かが、中を逆流していく。

　双子の指より、ずっと細い。指と同じくらいの位置まで入り込んでくる感触に背筋がビクビクする。

「何個行く？」

「初めてですしね、まずは一つで様子見を」

「おっけー」

「なに言って……ん、ンンッ　んくっ　なに、なんか、はい……って、くるッ　なに、いれ、てんだよ……」

　じわじわと、生ぬるいものが、中に入ってくる。とたん、お腹がぐるぐるし始めた。コレッ　もしかして、浣腸ッ！？

「な……で……こな、ことッ」

　ゆっくりゆっくり、何かがお腹の中にしみ込んでいく。

「言ったでしょう？　隅から隅まで、きれいにしてあげる、と」

　言ってたけど！　フツー　こんなとこまで入る！？　ってか俺、浣腸とかされなくても毎日毎朝快便だぞ……

　ようやく、管が抜ける。抜けた瞬間、ぎゅっと出口を締めてしまうのは本能？　ってか、こんなとこで出せない。

「あ、言われなくてもガマンした。イイコだなー　マコ。そのまま……」

「最低でも三分は我慢してくださいね？」

　カタンと、ひっくり返されたのは、洗面台の上にあった細工物みたいなキレイな砂時計。いつ持ち込んだ！？

「ちゃーんと我慢したら、トイレ連れてってやるからな？　その代り、三分経たないのにちょっとでも漏らしたら、次新しいの入れてまた三分やりなおし、な？」



　な？　っじゃ、ねぇ！！