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第一章
第35話 予兆
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ヴェルナードとの会談が終わると、ボクたちは早速任務へと駆り出された。
巡回任務は二日後から再開で、それまでは基礎訓練をみっちりをするって事になり、早々に訓練がスタートだ。
緑風の鐘からはアルフォンスが合流して、霜風の鐘が鳴り響き任務時間の終わりを告げると、ボクはその場にへたり込んだ。
数日振りの基礎訓練はめちゃくちゃキツかったよ! いや、それだけじゃない。今日の基礎訓練はいつもよりハードメニューだった様な気がするんだけど……。
「ありがとうございました! 俺、早く基礎訓練を終わらせて、加護の力を使える様になりたいッス。また明日からよろしくおねしゃす!」
「……うむ。ジェスター、主は元気があって教え甲斐があるというものだ。俺もついつい力が入ってしまったわ。ウハハハハハ」
アルフォンスがジェスターの肩に手を当てて、男気たっぷりの笑い声を響かせた。
おぃぃジェスター! アンタの熱苦しいヤル気のせいで、こっちまでとばっちりくらうのよ!? ちょっとは落ち着いて!
哄笑を響かせ合う二人を見ていると、どうやら男臭い師弟関係が出来上がってしまった様だ。ジェスターが憧れの誉高き保安部制服の袖を落とし、ワイルドコーデで着こなす日は、近いと思う。
疲れた体を引きずる様にしてどうにか厩舎までたどり着き、停めているマシンにもたれ掛かるボクを見て、やり遂げた顔のジェスターがしれっと言う。
「……ん? どうしたカズキ。なんか怒ってないか?」
「怒ってないわよ! それより診療小屋に寄ってくのでいいんだよね!?」
「……やっぱ怒ってるじゃんかよ……もちろん寄ってくよ」
ジェスターが返す返事とほぼ同時に、ボクはマシンを勢いよく走らせる。
「ホント、女ってよく分かんないよな」とブツブツ呟くジェスターと向かう先は診療小屋だ。小屋に到着し扉を開け、ベッドに横になる人達から馴染みの白髪頭を見つけると、ボクたちは勢い良く駆け寄った。
「ヘルゲさん!」
「……おお! カズキ……それにジェスターまで。二人ともケガなどしてないかの?」
「うん! それにしても無事でよかったよ。ボクたち、心配したんだよ」
「カズキ、他の怪我人もいますので、もう少しお静かにお願いします」
背後から場違いな喧騒は厳禁だと、喚起を促す優しい声が掛けられた。
「あ、すみません。……ゲートルードさん、お久しぶりです」
「ま、怪我人と言っても、この小屋にいるのは命に別状のない人たちばかりで、任務をもう少し休みたいからここにるだけですけど。……ああ、これは失言でしたかね」
「そりゃないですよ、ゲートルード様」
怪我人の一人がそう言うと、朗笑が小屋に充満しボクとジェスターも顔を見合わせ互いに笑う。
ヘルゲのベッド脇に腰を下ろしたボクたちは、あの襲撃の日の出来事をお互い話し合った。
なんでもヘルゲは資材調達班の面々と東の森で資材採集中に襲撃に遭い、班員を森の奥へと避難させた後、森に逃げ込む町民を安全な場所へと誘導中、ぎっくり腰を誘発したらしい。
ここにヘルゲがいることは、避難を誘導していた保安部員に今日聞いて来たのだけど、大した怪我じゃなくて本当によかった。
「ヘル爺、ちゃんと自分の歳を考えろよな。作業小屋に行っても、資材調達班の連中も誰も居場所を知らないって言うし……俺たち心配したんだぞ」
「いやいや面目ない。ぎっくり腰なんて恥ずかしくてのう。ワシがいなくても資材調達班は機能する様になってきておるし、いい機会じゃからワシ抜きで少しやらせてみようかなとな……お前さんがたには心配かけてしまったかのぅ。すまんかった」
ジェスターの憂いを帯びた瞳に当てられて、戯けていたヘルゲも最後には素直に謝罪した。
事あるごとに反発し文句ばかり言っていたけど、いつもうるさく小言を言ってくれていたヘルゲに、どこか亡き父親を重ね合わせていたのかもしれない。
ジェスターの潤む目が、雄弁にそれを物語っている。
「ヘルゲさんは、もう一日安静にしてくださいね。無理は禁物ですよ」
「わかりましたよゲートルード様。ワシにも心配してくれるかわいい孫みたいなのがおります故。しっかり治さんと怒られますからのぅ」
シワだらけの手が、項垂れたジェスターの頭をクシャリとした。
……ちょっとおじいちゃんを思い出しちゃうなぁ。今も元気にしてるかな? ボクがいなくなって、心配してるだろうなぁ。
つられて緩みそうになる涙腺に、落涙ギリギリの所で栓をする。
もう弱音は吐かないって決めたんだ。
ヘルゲとジェスターには申し訳ないけど、ほんわかした空気を少し変えるため、ボクは閑話休題を提案する。
「……ああそうだ。あの襲撃でそれどころじゃなかったんだけど、今日、ヴェルナードさんに手紙渡しといたからね」
「おお、スマンのぅ」
「……ヘル爺、あの手紙って何か重要なことでも書いてあるのか?」
「そうじゃのう。お前さんがたには話してもいいかのう。……実はのう、最近カモーナの採取量がやけに多いんじゃ。ワシの知る限りで通常の三倍近い量が採取されるんじゃよ」
「資源が多く取れることはいいことじゃないか。その分武具がたくさん作れるって事だろ? ヘル爺たちや武具生産班は忙しくなるけど、それがどうしたっていうんだよ」
周りに聞かれない様にと声を落として喋るヘルゲとは対照的に、事もなげにそう言うジェスターの後ろから、ゲートルードが口を挟んだ。
「ジェスター、カモーナとは何ですか」
「何って……地層の下にある、風竜様の体から剥がれた古い皮膚だろ」
「そうです。古い皮膚がいつもより剥がれるということは、それだけ新陳代謝が活発になっている証拠です。人の体に例えても、それはもちろん悪い事ではありません。しかし、普段より活発になっているのなら、何かしらの理由があると思います。体が怪我をしていて自己治癒力を上げる為に新陳代謝を向上させたりなども、その事例の一つです」
「ヴェル坊なら先代からの文献を調べれば、過去に同じ様な事例があったか分かるかもしれないと思っての。ワシの思い過ごしならいいんじゃが……」
ようやく状況を理解したジェスターが、不安そうな顔を向けてきた。
この兆候が吉と為すか凶と為すか。今のボクらでは知る由もない。
だけど、その答えが分かるのはそんなに先の事ではなかったのだと、これから起こる摩訶不思議な邂逅を経た後に、ボクは思い知らされる事となるのだった。
巡回任務は二日後から再開で、それまでは基礎訓練をみっちりをするって事になり、早々に訓練がスタートだ。
緑風の鐘からはアルフォンスが合流して、霜風の鐘が鳴り響き任務時間の終わりを告げると、ボクはその場にへたり込んだ。
数日振りの基礎訓練はめちゃくちゃキツかったよ! いや、それだけじゃない。今日の基礎訓練はいつもよりハードメニューだった様な気がするんだけど……。
「ありがとうございました! 俺、早く基礎訓練を終わらせて、加護の力を使える様になりたいッス。また明日からよろしくおねしゃす!」
「……うむ。ジェスター、主は元気があって教え甲斐があるというものだ。俺もついつい力が入ってしまったわ。ウハハハハハ」
アルフォンスがジェスターの肩に手を当てて、男気たっぷりの笑い声を響かせた。
おぃぃジェスター! アンタの熱苦しいヤル気のせいで、こっちまでとばっちりくらうのよ!? ちょっとは落ち着いて!
哄笑を響かせ合う二人を見ていると、どうやら男臭い師弟関係が出来上がってしまった様だ。ジェスターが憧れの誉高き保安部制服の袖を落とし、ワイルドコーデで着こなす日は、近いと思う。
疲れた体を引きずる様にしてどうにか厩舎までたどり着き、停めているマシンにもたれ掛かるボクを見て、やり遂げた顔のジェスターがしれっと言う。
「……ん? どうしたカズキ。なんか怒ってないか?」
「怒ってないわよ! それより診療小屋に寄ってくのでいいんだよね!?」
「……やっぱ怒ってるじゃんかよ……もちろん寄ってくよ」
ジェスターが返す返事とほぼ同時に、ボクはマシンを勢いよく走らせる。
「ホント、女ってよく分かんないよな」とブツブツ呟くジェスターと向かう先は診療小屋だ。小屋に到着し扉を開け、ベッドに横になる人達から馴染みの白髪頭を見つけると、ボクたちは勢い良く駆け寄った。
「ヘルゲさん!」
「……おお! カズキ……それにジェスターまで。二人ともケガなどしてないかの?」
「うん! それにしても無事でよかったよ。ボクたち、心配したんだよ」
「カズキ、他の怪我人もいますので、もう少しお静かにお願いします」
背後から場違いな喧騒は厳禁だと、喚起を促す優しい声が掛けられた。
「あ、すみません。……ゲートルードさん、お久しぶりです」
「ま、怪我人と言っても、この小屋にいるのは命に別状のない人たちばかりで、任務をもう少し休みたいからここにるだけですけど。……ああ、これは失言でしたかね」
「そりゃないですよ、ゲートルード様」
怪我人の一人がそう言うと、朗笑が小屋に充満しボクとジェスターも顔を見合わせ互いに笑う。
ヘルゲのベッド脇に腰を下ろしたボクたちは、あの襲撃の日の出来事をお互い話し合った。
なんでもヘルゲは資材調達班の面々と東の森で資材採集中に襲撃に遭い、班員を森の奥へと避難させた後、森に逃げ込む町民を安全な場所へと誘導中、ぎっくり腰を誘発したらしい。
ここにヘルゲがいることは、避難を誘導していた保安部員に今日聞いて来たのだけど、大した怪我じゃなくて本当によかった。
「ヘル爺、ちゃんと自分の歳を考えろよな。作業小屋に行っても、資材調達班の連中も誰も居場所を知らないって言うし……俺たち心配したんだぞ」
「いやいや面目ない。ぎっくり腰なんて恥ずかしくてのう。ワシがいなくても資材調達班は機能する様になってきておるし、いい機会じゃからワシ抜きで少しやらせてみようかなとな……お前さんがたには心配かけてしまったかのぅ。すまんかった」
ジェスターの憂いを帯びた瞳に当てられて、戯けていたヘルゲも最後には素直に謝罪した。
事あるごとに反発し文句ばかり言っていたけど、いつもうるさく小言を言ってくれていたヘルゲに、どこか亡き父親を重ね合わせていたのかもしれない。
ジェスターの潤む目が、雄弁にそれを物語っている。
「ヘルゲさんは、もう一日安静にしてくださいね。無理は禁物ですよ」
「わかりましたよゲートルード様。ワシにも心配してくれるかわいい孫みたいなのがおります故。しっかり治さんと怒られますからのぅ」
シワだらけの手が、項垂れたジェスターの頭をクシャリとした。
……ちょっとおじいちゃんを思い出しちゃうなぁ。今も元気にしてるかな? ボクがいなくなって、心配してるだろうなぁ。
つられて緩みそうになる涙腺に、落涙ギリギリの所で栓をする。
もう弱音は吐かないって決めたんだ。
ヘルゲとジェスターには申し訳ないけど、ほんわかした空気を少し変えるため、ボクは閑話休題を提案する。
「……ああそうだ。あの襲撃でそれどころじゃなかったんだけど、今日、ヴェルナードさんに手紙渡しといたからね」
「おお、スマンのぅ」
「……ヘル爺、あの手紙って何か重要なことでも書いてあるのか?」
「そうじゃのう。お前さんがたには話してもいいかのう。……実はのう、最近カモーナの採取量がやけに多いんじゃ。ワシの知る限りで通常の三倍近い量が採取されるんじゃよ」
「資源が多く取れることはいいことじゃないか。その分武具がたくさん作れるって事だろ? ヘル爺たちや武具生産班は忙しくなるけど、それがどうしたっていうんだよ」
周りに聞かれない様にと声を落として喋るヘルゲとは対照的に、事もなげにそう言うジェスターの後ろから、ゲートルードが口を挟んだ。
「ジェスター、カモーナとは何ですか」
「何って……地層の下にある、風竜様の体から剥がれた古い皮膚だろ」
「そうです。古い皮膚がいつもより剥がれるということは、それだけ新陳代謝が活発になっている証拠です。人の体に例えても、それはもちろん悪い事ではありません。しかし、普段より活発になっているのなら、何かしらの理由があると思います。体が怪我をしていて自己治癒力を上げる為に新陳代謝を向上させたりなども、その事例の一つです」
「ヴェル坊なら先代からの文献を調べれば、過去に同じ様な事例があったか分かるかもしれないと思っての。ワシの思い過ごしならいいんじゃが……」
ようやく状況を理解したジェスターが、不安そうな顔を向けてきた。
この兆候が吉と為すか凶と為すか。今のボクらでは知る由もない。
だけど、その答えが分かるのはそんなに先の事ではなかったのだと、これから起こる摩訶不思議な邂逅を経た後に、ボクは思い知らされる事となるのだった。
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