4 / 53
第4話 誰にも俺を止められない!
しおりを挟む
逸る気持ちをどうにか一晩押し殺し、碌に眠れず迎えた翌日。
俺がエリシュに頼んだことは、ものの半日で解明した。
分かる範囲で構わないからと、伝えたその内容とは。
———昨日、生死を彷徨う死の縁から奇跡的に回復した十代後半の女子。加えてその所在。
その人数は意外と少なく、国中をしらみ潰しに探しても現状で判明したのはたったの三人。俺の転生の経緯に照らし合わせると、その三人の内の誰かが玲奈である可能性が跳ね上がる。
もとよりあのメビウスって女神が、ちゃんと俺の願いを叶えてくれたのか、そこが一番の問題なのだけど。
「でも意外に早く分かるもんなんだな。国中探すってもっと大変だと思ってたけど」
「この国はね、連絡経路がとっても単純で簡単なの。聖支柱を使えば大概のことは把握できるの」
「……聖支柱か」
亡き王子ブレイクの意思は、最期にエリシュへの謝辞と秘めた恋心に加え尚も且つ、この世界のごくごく簡単な基本情報を、俺に伝達してくれていた。
……もっとエリシュに伝えたいこともあっただろうに。ブレイクはきっと優しいヤツだったんだろうな。
ハラムディン。聞き慣れないこの単語は、俺が転生してきたこの国の名前だ。
超巨大ピラミッドの形を成したハラムディンは、88の階層数で構築されている。今、俺がいるこの頂には王族とその従者のみが住んでいる。
88の階層は居住階層と呼ばれる居住区域と、それらを繋ぐ迷路エリアに明確に区分されており、階層数と身分富貴は比例する。
すなわち、上層階に住む人ほど重要な地位が与えられ、加えて個人の能力も高くなるのだ。
国全体がまさにカースト制度やヒエラルキーを彷彿とさせる、力の均衡をそのまま具現化した形態。最上階のこの城だけでも、かなりの大きさがあるのだろう。昨晩、用を足そうと部屋を出て広い城内で迷子になり、人としての尊厳を危うく失いかけた———この身を持って検証済みだ。
そして聖支柱とは、巨大ピラミッドの全階層を貫くように聳え立つ命の源。
王族のみが与えられし特別な力で、外光から遮断されたピラミッドという密閉空間に太陽光と同等のエネルギーを与えられる。なので草木も育つし、人も生息することだって可能だ。
さらに聖支柱は、各階層との連絡手段にも一役買っている。最上階に住む者のみがその思念を各居住階層に伝達でき、一方で居住階層からの連絡は最上階にだけに届く仕組み。居住階層同士の交流または談合は許されてはいない。
頂上に君臨する王族が生殺与奪だけは飽き足らず、伝達事項ですら見事に掌握する絶対制度。
今回階層主と呼ばれる居住階層の責任者に調査をさせたところ、その三人が判明したのだ。
その所在は80階層と50階層、そして最下層———1階層だ。
俺は頑丈且つ豪奢な作りの窓を開けると、陰湿な部屋と違って清爽な外気を胸に吸い込み外を見て、その目を奪われた。
眼下に広がるのは、視界に捉えきれないほどの艶々とした黒紫色の裾野。高みから見下ろす遙か遠方の地上には、豊かな森林とこの建造物を包囲している蠢く数多の黒い点。
黒点の正体は、外魔獣と呼ばれる無慈悲で凶悪な侵入者たちだ。
外魔獣の群れに孤立した形で成り立つこのピラミッドの民は、その侵入を防ぎながら戦いと共に生活を営み、そして死んでいく。
言い換えれば下層階に近づけば近づく程外魔獣の襲撃が多く、危険に晒されるということだ。
———グズグズしてられねぇ! 早く……早く玲奈を助けないと!
俺はブレイクの記憶を頼りに己の能力を確認する。
「ステータス」
その言葉で眼前に半透明の能力板が出現した。
————————————
NAME:オガサワラ・ヤマト
HP:890(Aᴱ)
VIT:320(Cᴬ)
ATK:382(Bᴰ)
STR:471(Bᴮ)
MP:308(Cᴱ)
INT:273(Dᴮ)
DEX:158(Eᴰ)
AGI:405(Bᶜ)
LUK:251(Cᴱ)
TTL:(Cᴮ)
SKILL:■■■■■■
————————————
……んん?
なんだこのスキルって……モザイクみたいに滲んでて、見えねえんだけど……。
まあいいや。分からないことは後でいい。今は一刻の時間も無駄にできねぇ!
正直この能力で最下層まで行けるかどうかなんてこと、俺に分かる訳がない。
もちろん行くか行かないかなんて論外だ。そんなクソみたいな考えは、思索に値するまでもない。
(理屈じゃないんだよなぁ。結果なんて後で分かるって、なぁ? 玲奈。もう少しだけ待っててくれよ!)
重い窓をバタンと閉め、数ある調度品の中から大きめの戸棚を見つけ開いて漁る。普段着や正装など服がズラリと陳列する中、目当ての物を探り当てる。
胸周りを覆う軽装備と、鞘に宝玉が散りばめられた一振りの剣。
(悪ぃなブレイク。ちょっとだけ貸してもらうぜ)
軽装備を着込み、剣を鞘ごと腰のベルトに差し込むと、一瞬慌てた様子を見せたエリシュが平静を装い俺の前に立ち塞がった。
「まさかとは思うけど……下層に行く気じゃないでしょうね」
「そのまさか、だよ。早速下層に向かってその三人を探したいんだけど……そんな簡単にはいかねーよな」
「ええ。ブレイク様のお父上、このハラムディンを統治する王に許可を頂かないとならないわ。……もっともお許しくださる訳ないでしょうけど」
……やっぱ王子だもんな。そうくるわな。
「めんどくせーからさ、勝手に行くわ。悪ぃけど後のこと、よろしく頼む」
「王子の外見をしたあなたにそんなことをされては、大混乱を引き起こすわ! それにこの城から下層に続く階段の場所なんて、知らないでしょ!?」
「俺には時間がないんだよ! それに階段の場所なら知ってるぜ。夜中迷子になったときに、とっても親切な衛兵のおじさんに教えてもらったからな!」
引き止めるエリシュの手を無理やり引き解いて、俺は猛烈な勢いで部屋を飛び出した。
俺がエリシュに頼んだことは、ものの半日で解明した。
分かる範囲で構わないからと、伝えたその内容とは。
———昨日、生死を彷徨う死の縁から奇跡的に回復した十代後半の女子。加えてその所在。
その人数は意外と少なく、国中をしらみ潰しに探しても現状で判明したのはたったの三人。俺の転生の経緯に照らし合わせると、その三人の内の誰かが玲奈である可能性が跳ね上がる。
もとよりあのメビウスって女神が、ちゃんと俺の願いを叶えてくれたのか、そこが一番の問題なのだけど。
「でも意外に早く分かるもんなんだな。国中探すってもっと大変だと思ってたけど」
「この国はね、連絡経路がとっても単純で簡単なの。聖支柱を使えば大概のことは把握できるの」
「……聖支柱か」
亡き王子ブレイクの意思は、最期にエリシュへの謝辞と秘めた恋心に加え尚も且つ、この世界のごくごく簡単な基本情報を、俺に伝達してくれていた。
……もっとエリシュに伝えたいこともあっただろうに。ブレイクはきっと優しいヤツだったんだろうな。
ハラムディン。聞き慣れないこの単語は、俺が転生してきたこの国の名前だ。
超巨大ピラミッドの形を成したハラムディンは、88の階層数で構築されている。今、俺がいるこの頂には王族とその従者のみが住んでいる。
88の階層は居住階層と呼ばれる居住区域と、それらを繋ぐ迷路エリアに明確に区分されており、階層数と身分富貴は比例する。
すなわち、上層階に住む人ほど重要な地位が与えられ、加えて個人の能力も高くなるのだ。
国全体がまさにカースト制度やヒエラルキーを彷彿とさせる、力の均衡をそのまま具現化した形態。最上階のこの城だけでも、かなりの大きさがあるのだろう。昨晩、用を足そうと部屋を出て広い城内で迷子になり、人としての尊厳を危うく失いかけた———この身を持って検証済みだ。
そして聖支柱とは、巨大ピラミッドの全階層を貫くように聳え立つ命の源。
王族のみが与えられし特別な力で、外光から遮断されたピラミッドという密閉空間に太陽光と同等のエネルギーを与えられる。なので草木も育つし、人も生息することだって可能だ。
さらに聖支柱は、各階層との連絡手段にも一役買っている。最上階に住む者のみがその思念を各居住階層に伝達でき、一方で居住階層からの連絡は最上階にだけに届く仕組み。居住階層同士の交流または談合は許されてはいない。
頂上に君臨する王族が生殺与奪だけは飽き足らず、伝達事項ですら見事に掌握する絶対制度。
今回階層主と呼ばれる居住階層の責任者に調査をさせたところ、その三人が判明したのだ。
その所在は80階層と50階層、そして最下層———1階層だ。
俺は頑丈且つ豪奢な作りの窓を開けると、陰湿な部屋と違って清爽な外気を胸に吸い込み外を見て、その目を奪われた。
眼下に広がるのは、視界に捉えきれないほどの艶々とした黒紫色の裾野。高みから見下ろす遙か遠方の地上には、豊かな森林とこの建造物を包囲している蠢く数多の黒い点。
黒点の正体は、外魔獣と呼ばれる無慈悲で凶悪な侵入者たちだ。
外魔獣の群れに孤立した形で成り立つこのピラミッドの民は、その侵入を防ぎながら戦いと共に生活を営み、そして死んでいく。
言い換えれば下層階に近づけば近づく程外魔獣の襲撃が多く、危険に晒されるということだ。
———グズグズしてられねぇ! 早く……早く玲奈を助けないと!
俺はブレイクの記憶を頼りに己の能力を確認する。
「ステータス」
その言葉で眼前に半透明の能力板が出現した。
————————————
NAME:オガサワラ・ヤマト
HP:890(Aᴱ)
VIT:320(Cᴬ)
ATK:382(Bᴰ)
STR:471(Bᴮ)
MP:308(Cᴱ)
INT:273(Dᴮ)
DEX:158(Eᴰ)
AGI:405(Bᶜ)
LUK:251(Cᴱ)
TTL:(Cᴮ)
SKILL:■■■■■■
————————————
……んん?
なんだこのスキルって……モザイクみたいに滲んでて、見えねえんだけど……。
まあいいや。分からないことは後でいい。今は一刻の時間も無駄にできねぇ!
正直この能力で最下層まで行けるかどうかなんてこと、俺に分かる訳がない。
もちろん行くか行かないかなんて論外だ。そんなクソみたいな考えは、思索に値するまでもない。
(理屈じゃないんだよなぁ。結果なんて後で分かるって、なぁ? 玲奈。もう少しだけ待っててくれよ!)
重い窓をバタンと閉め、数ある調度品の中から大きめの戸棚を見つけ開いて漁る。普段着や正装など服がズラリと陳列する中、目当ての物を探り当てる。
胸周りを覆う軽装備と、鞘に宝玉が散りばめられた一振りの剣。
(悪ぃなブレイク。ちょっとだけ貸してもらうぜ)
軽装備を着込み、剣を鞘ごと腰のベルトに差し込むと、一瞬慌てた様子を見せたエリシュが平静を装い俺の前に立ち塞がった。
「まさかとは思うけど……下層に行く気じゃないでしょうね」
「そのまさか、だよ。早速下層に向かってその三人を探したいんだけど……そんな簡単にはいかねーよな」
「ええ。ブレイク様のお父上、このハラムディンを統治する王に許可を頂かないとならないわ。……もっともお許しくださる訳ないでしょうけど」
……やっぱ王子だもんな。そうくるわな。
「めんどくせーからさ、勝手に行くわ。悪ぃけど後のこと、よろしく頼む」
「王子の外見をしたあなたにそんなことをされては、大混乱を引き起こすわ! それにこの城から下層に続く階段の場所なんて、知らないでしょ!?」
「俺には時間がないんだよ! それに階段の場所なら知ってるぜ。夜中迷子になったときに、とっても親切な衛兵のおじさんに教えてもらったからな!」
引き止めるエリシュの手を無理やり引き解いて、俺は猛烈な勢いで部屋を飛び出した。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
無双将軍の参謀をやりながら異世界ローマも作ってます
うみ
ファンタジー
異世界に転移したただのサラリーマンだった俺を、参謀の親友と勘違したローマ帝国最強の英雄――ベリサリウスに仕事を無茶振りされるが、生き残るために親友のフリを続けていきさえすればいいと思っていた……
ところが英雄の怪物退治に付き合ってると、俺まで村民から尊敬の眼差しで見られることに!
そんなわけで今更後には引けなくなってしまう俺。
その後人間によって村が燃やされ、ベリサリウスは異世界にローマを作ることを提案する。
それはいいんだが、俺はいつの間にか新しい街ローマの建築責任者にまでなっていた。
ローマの街を完成させるため、アスファルトやセメントの研究をしてもらったり、農作物の育成をしたりと大忙しの日々だったが、人間達や怪物との戦いにベリサリウスが俺を連れ出すのだ。
頼むからほっておいてくれ! 俺を街つくりに専念させてくれ!
「異世界レシピ」スキルで新人ギルドを全力サポートして、成り上がります!
沢野 りお
ファンタジー
ゴブリンに襲われて記憶を失った少年、クルト(仮)。そのクルトを助けた若きギルドマスターのオスカー。
彼は哀れな少年クルトを、自分が立ち上げるギルドへと引き取り、新天地へと向かうが……。
クルトを出迎えたのは、ボロボロに朽ちかけたお化け屋敷のようなギルドハウスだった。
六歳になると教会で受けるスキル鑑定。クルトは改めて受けたスキル鑑定で「器用貧乏」だとわかる。
全ての能力において平均、もしくは初級レベルのまま成長できないハズレスキルと嫌われる「器用貧乏」
しかもオスカーは、幼馴染である仲間からギルドの加入をすっぽかされ窮地に陥る。
果たしてクルトとオスカーはギルドを無事に立ち上げランクを上げていくことができるのか?
ギルドの仲間を増やして、ダンジョン攻略に挑めるのか?
そして……クルトの隠されたスキル「異世界レシピ」の真の能力とは?
ギルドハウスを整え、しかも畑も薬草畑も家畜も揃えて、いつのまにか快適住空間へ変貌し、追い詰められて挑戦したダンジョンのハズレドロップが美味しい調味料だったりして。
強くて気のよい仲間も増えていくオスカーのギルド。
そして…………クルトの正体は?
ほぼ、テンプレ展開ですが、よろしくお願いします!
※更新は不定期です。
※設定はゆるゆるで、ご都合主義です。ごめんなさい。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
精霊が俺の事を気に入ってくれているらしく過剰に尽くしてくれる!が、周囲には精霊が見えず俺の評価はよろしくない
よっしぃ
ファンタジー
俺には僅かながら魔力がある。この世界で魔力を持った人は少ないからそれだけで貴重な存在のはずなんだが、俺の場合そうじゃないらしい。
魔力があっても普通の魔法が使えない俺。
そんな俺が唯一使える魔法・・・・そんなのねーよ!
因みに俺の周囲には何故か精霊が頻繁にやってくる。
任意の精霊を召還するのは実はスキルなんだが、召喚した精霊をその場に留め使役するには魔力が必要だが、俺にスキルはないぞ。
極稀にスキルを所持している冒険者がいるが、引く手あまたでウラヤマ!
そうそう俺の総魔力量は少なく、精霊が俺の周囲で顕現化しても何かをさせる程の魔力がないから直ぐに姿が消えてしまう。
そんなある日転機が訪れる。
いつもの如く精霊が俺の魔力をねだって頂いちゃう訳だが、大抵俺はその場で気を失う。
昔ひょんな事から助けた精霊が俺の所に現れたんだが、この時俺はたまたまうつ伏せで倒れた。因みに顔面ダイブで鼻血が出たのは内緒だ。
そして当然ながら意識を失ったが、ふと目を覚ますと俺の周囲にはものすごい数の魔石やら素材があって驚いた。
精霊曰く御礼だってさ。
どうやら俺の魔力は非常に良いらしい。美味しいのか効果が高いのかは知らんが、精霊の好みらしい。
何故この日に限って精霊がずっと顕現化しているんだ?
どうやら俺がうつ伏せで地面に倒れたのが良かったらしい。
俺と地脈と繋がって、魔力が無限増殖状態だったようだ。
そしてこれが俺が冒険者として活動する時のスタイルになっていくんだが、理解しがたい体勢での活動に周囲の理解は得られなかった。
そんなある日、1人の女性が俺とパーティーを組みたいとやってきた。
ついでに精霊に彼女が呪われているのが分かったので解呪しておいた。
そんなある日、俺は所属しているパーティーから追放されてしまった。
そりゃあ戦闘中だろうがお構いなしに地面に寝そべってしまうんだから、あいつは一体何をしているんだ!となってしまうのは仕方がないが、これでも貢献していたんだぜ?
何せそうしている間は精霊達が勝手に魔物を仕留め、素材を集めてくれるし、俺の身をしっかり守ってくれているんだが、精霊が視えないメンバーには俺がただ寝ているだけにしか見えないらしい。
因みにダンジョンのボス部屋に1人放り込まれたんだが、俺と先にパーティーを組んでいたエレンは俺を助けにボス部屋へ突入してくれた。
流石にダンジョン中層でも深層のボス部屋、2人ではなあ。
俺はダンジョンの真っただ中に追放された訳だが、くしくも追放直後に俺の何かが変化した。
因みに寝そべっていなくてはいけない理由は顔面と心臓、そして掌を地面にくっつける事で地脈と繋がるらしい。地脈って何だ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる