5 / 16
末っ子、夕雨
しおりを挟む
僕は夕雨(ゆう)。
姉は暁(あき)、兄達は快(かい)と晴(はる)。
僕だけなんだか名前が雨、生まれた時に雨が降ってたんだって。
僕が中学三年生になる時、快兄ちゃんが彼と暮らすって家を出た。
姉ちゃんと晴兄ちゃんは、既に居なかったから、一人っ子みたいになってしまった。
受験もあったし、静かな環境で勉強出来たのは良かったかな。
成績が悪くなければ大学に進める、私立の高校に合格できた。
高校の入学説明会に来て、うっかり大事な事を忘れていた、、、男子校だった、、、。
僕は15年間、好きな人も出来ずに過ごしてきた。
高校に期待していたのに、、、女子がいないなんて、、、。
兄ちゃん達を見ていて、男はないだろうと思ってた、、、、、、あの日までは。
トイレに行ってて少し遅くなってしまい、体育館に急いで向かっていた。
倉庫の扉が少し開いてて、閉めようと思って近付くと、声が聞こえる。
誰かいるなら閉めなくても、と思った時。
「あっ、あん、だめ、いっちゃう、、、」
そんな声が聞こえて、つい覗いてしまった。
声を出してる子はあっちを向いてて、シャツは捲れてるし、ズボンと下着は降ろされて。
彼の後ろにいる子に、胸を触られて、たぶん、ペニスを扱かれてる。
触ってる子は制服のままだ。
あ、こっち見た、気付かれてないよね。
体育館に行かなきゃ。
さっきの、、、新入生代表で挨拶してた生徒に似てたような、、、まあ、気のせいか。
体育の授業が終わり、遅刻の罰として片付けをしていた僕に、制服の彼が声を掛けてきた。
「今日、時間ある?」
「さっきのことなら誰にも言いませんよ」
「そうじゃなくて、君に興味があるんだ」
「は?僕は無いですけど」
「ああ、、、性的な興味じゃないよ、どんな人物なのか気になったんだ」
「とにかく無理です」
「放課後、教室に迎えに行くから、待ってて」
あ、ホントに来た。
「上野くん、行こ」
手を引かれ、、、端から見れば連行されてるみたいだ。
「わかったから、手、離してよ」
「それはダメ、逃げそう」
体育倉庫、、、ではなく、駅前のハンバーガー店に入る。
彼、、、じゃない、成田くんが飲み物を聞いてきた。
「コーラで」
飲み物とポテトを注文し、席に座る。
「上野くんは家近いの?」
「電車で乗り換え無しだから、近いほうかな」
「ふーん、オレは歩いて五分くらい、一人暮らししてる」
「え?一人暮らし?」
「あー、オレんち地方でさ、高校から入りたいって我が儘言った、家にいたくなかったから」
「複雑なの?あ、僕の家はまあまあ複雑」
「親父は金持ちで、オレは愛人の子供なんだ、大学卒業までは面倒みてくれるって」
「それは、、、家にいたくないね」
「上野くんは?まあまあ複雑、聞きたい」
「姉と双子の兄達がいるんだけど、姉は結婚してて、兄達はそれぞれ男のパートナーがいるんだ、二人とも同棲してる」
「ふぅーん、、、だから、オレのやってること普通に見てたの?」
「普通、でもないけど、男同士でも気にしないってくらいかな」
「そっか、ね、オレと友達になってよ」
「やだよ、さっきの子とかに睨まれそう」
「別に付き合ってないし、大丈夫だよ、たまに抜いてあげてるだけ」
「普通の友達だからね、手を出したら絶交ね」
「んー、わかったー、時々こうやって話そ」
「逃げないから手は掴まないでね」
「オッケー」
~~~~~~~~~~
長くなったので、分けます。
姉は暁(あき)、兄達は快(かい)と晴(はる)。
僕だけなんだか名前が雨、生まれた時に雨が降ってたんだって。
僕が中学三年生になる時、快兄ちゃんが彼と暮らすって家を出た。
姉ちゃんと晴兄ちゃんは、既に居なかったから、一人っ子みたいになってしまった。
受験もあったし、静かな環境で勉強出来たのは良かったかな。
成績が悪くなければ大学に進める、私立の高校に合格できた。
高校の入学説明会に来て、うっかり大事な事を忘れていた、、、男子校だった、、、。
僕は15年間、好きな人も出来ずに過ごしてきた。
高校に期待していたのに、、、女子がいないなんて、、、。
兄ちゃん達を見ていて、男はないだろうと思ってた、、、、、、あの日までは。
トイレに行ってて少し遅くなってしまい、体育館に急いで向かっていた。
倉庫の扉が少し開いてて、閉めようと思って近付くと、声が聞こえる。
誰かいるなら閉めなくても、と思った時。
「あっ、あん、だめ、いっちゃう、、、」
そんな声が聞こえて、つい覗いてしまった。
声を出してる子はあっちを向いてて、シャツは捲れてるし、ズボンと下着は降ろされて。
彼の後ろにいる子に、胸を触られて、たぶん、ペニスを扱かれてる。
触ってる子は制服のままだ。
あ、こっち見た、気付かれてないよね。
体育館に行かなきゃ。
さっきの、、、新入生代表で挨拶してた生徒に似てたような、、、まあ、気のせいか。
体育の授業が終わり、遅刻の罰として片付けをしていた僕に、制服の彼が声を掛けてきた。
「今日、時間ある?」
「さっきのことなら誰にも言いませんよ」
「そうじゃなくて、君に興味があるんだ」
「は?僕は無いですけど」
「ああ、、、性的な興味じゃないよ、どんな人物なのか気になったんだ」
「とにかく無理です」
「放課後、教室に迎えに行くから、待ってて」
あ、ホントに来た。
「上野くん、行こ」
手を引かれ、、、端から見れば連行されてるみたいだ。
「わかったから、手、離してよ」
「それはダメ、逃げそう」
体育倉庫、、、ではなく、駅前のハンバーガー店に入る。
彼、、、じゃない、成田くんが飲み物を聞いてきた。
「コーラで」
飲み物とポテトを注文し、席に座る。
「上野くんは家近いの?」
「電車で乗り換え無しだから、近いほうかな」
「ふーん、オレは歩いて五分くらい、一人暮らししてる」
「え?一人暮らし?」
「あー、オレんち地方でさ、高校から入りたいって我が儘言った、家にいたくなかったから」
「複雑なの?あ、僕の家はまあまあ複雑」
「親父は金持ちで、オレは愛人の子供なんだ、大学卒業までは面倒みてくれるって」
「それは、、、家にいたくないね」
「上野くんは?まあまあ複雑、聞きたい」
「姉と双子の兄達がいるんだけど、姉は結婚してて、兄達はそれぞれ男のパートナーがいるんだ、二人とも同棲してる」
「ふぅーん、、、だから、オレのやってること普通に見てたの?」
「普通、でもないけど、男同士でも気にしないってくらいかな」
「そっか、ね、オレと友達になってよ」
「やだよ、さっきの子とかに睨まれそう」
「別に付き合ってないし、大丈夫だよ、たまに抜いてあげてるだけ」
「普通の友達だからね、手を出したら絶交ね」
「んー、わかったー、時々こうやって話そ」
「逃げないから手は掴まないでね」
「オッケー」
~~~~~~~~~~
長くなったので、分けます。
1
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
大親友に監禁される話
だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。
目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。
R描写はありません。
トイレでないところで小用をするシーンがあります。
※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。
咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人
こじらせた処女
BL
過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。
それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。
しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる