ワイルドなおじさまと

Hazuki

文字の大きさ
上 下
23 / 47
『ワイルドなおじさまと』はこちらからどうぞ

出逢い〈直さんside〉

しおりを挟む
いつものように訪れた店。
大将がちょっと困っていた。
ひとりで来ている女性客が、酔い潰れて寝てしまっているらしい。
食べ終わって俺が送るというと、食事代をただにしてくれた。
それは悪いと言うと、また来てくださいと言われた。
大将に礼を言って彼女を抱えて店を出る。
店の若い子がタクシーを拾ってくれた。

運転手に待ってもらって住所を訪ねるが、起きない。
仕方なく自宅の住所を伝えタクシーは走り出した。
マンションに着いて彼女を抱き上げ部屋へ、客間のベッドに寝かせる。
無防備な彼女に一目で恋に堕ちた。
俺の好みのど真ん中。
豊満な身体、ぷっくりとしたピンク色の唇。
すぐにでも食べたい気持ちを抑えて、風呂に入り寝室のベッドに横たわっても、なかなか眠れなかった。

気持ちをこちらに向かせたいなら胃袋を掴め、
男から女に使う言葉じゃないか。
パンがあるから、オムレツとサラダと、ハムかベーコン、豊満なボディキープにはベーコンだな。スープはインスタントで。

朝食が出来たところで彼女を見に行く。
ドアを開けるのにこんなに緊張したことがあったか?深呼吸してドアを開けた。
彼女は起きていた。
「起きたね、気分はどう?気持ち悪いとか無い?」
「大丈夫です。えっと、記憶がとんでて全く覚えてなくて、、、すみません」
「あーそっか、とりあえず朝食食べない?」

「洗面所はこっち。洗顔料はこれでいいかな?タオル置いとくね」
「ありがとうございます」
あっ、歯ブラシは、、、ストック切らしてた。

顔を洗いリビングにきた彼女のお腹から、可愛い音が聞こえた。
その可愛らしさに思わず微笑むと、俯かれてしまった。
「冷めないうちに食べようか」

「苦手なものはないかな?」
「はい、どれも美味しいです。お料理上手ですね」
「一人暮らしが長いからね」

「あの、昨日はご迷惑おかけしました」
「ああ、それほどでも。勝手に家に連れてきてしまい、こちらこそすまない」

昨日のことをポツポツ話す。
「よく行く店に行ったら君が寝てて、家まで送ろうとしたんだけど起きなかったから、僕の部屋に連れてきたよ」
彼女は申し訳なさそうにしている。

「どうしてあんなに飲んでいたの?」
告白してダメだったこと。その理由がぽっちゃり体型だったこと。ずっとコンプレックスだったこと。
彼女は話してくれた。
こんなに素敵なこの娘を振るなんて。
顔も知らない君、彼女に出逢わせてくれてありがとう。心から御礼を言います。


~~~~~~~~~~

この後「急展開」を読むとまた良いです。
無限ループです。
自分で書いて読んで、キュンキュンしてます。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケナイ?関係

Hazuki
恋愛
高校生理央くんと年上の葉月とのイケナイ?関係 基本ラブラブでお送りしたい。 激しいのは抑え、れるかな?

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

パート先の店長に

Rollman
恋愛
パート先の店長に。

一宿一飯の恩義

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 妹のアイミが、一人暮らしの兄の家に泊まりに来た。コンサートで近くを訪れたため、ホテル代わりに利用しようということだった。 兄は条件を付けて、アイミを泊めることにした。 その夜、条件であることを理由に、兄はアイミを抱く。

偶然PTAのママと

Rollman
恋愛
偶然PTAのママ友を見てしまった。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

疲れる目覚まし時計

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 朝、僕が布団の中でまどろんでいると、姉さんが起こしに来た。 まだ時間が早いから寝ようとする僕を、姉さんが起こそうとする。 その起こし方がとても特殊で……。

処理中です...