ワイルドなおじさまと

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出会い

目を覚ましたら知らない部屋、なんて小説かマンガの中だけだと思ってた。
服は、、、着てる。よしっ、オッケー。

昨日は、高校生の時から好きだった人に告白して撃沈し、友達に付き合ってもらってやけ酒。
その友達と別れて、、、その後が思い出せない。
記憶が無くなるとか、どれだけ飲んだんだ自分。

頑張って思い出そうとしていると、ドアが開いた。
「起きたね、気分はどう？気持ち悪いとか無い？」
２０歳以上年上と思われる、ちょっとワイルド系のおじさまが入ってきた。
「大丈夫です。えっと、記憶がとんでて全く覚えてなくて、、、すみません」
「あーそっか、とりあえず朝食食べない？」

「洗面所はこっち。洗顔料はこれでいいかな？タオル置いとくね」
「ありがとうございます」
至れり尽くせりだ。ワイルド系イケオジ、さぞやモテるだろう。

顔を洗ってさっぱりすると、自分の置かれてる状況を改めて、、、考えない方がいいな、きっと。

リビングに入ると美味しそうな匂いがして、お腹がくうとなってしまった。恥ずっ。
おじさまを見るとちょっと笑ってる！
恥ずかしくて俯いていると、
「冷めないうちに食べようか」

「苦手なものはないかな？」
「はい、どれも美味しいです。お料理上手ですね」
「一人暮らしが長いからね」

「あの、昨日はご迷惑おかけしました」
「ああ、それほどでも。勝手に家に連れてきてしまい、こちらこそすまない」

おじさまは昨日のことを話してくれた。
行きつけのお店で私が酔いつぶれていたこと。
店の人から一人で飲んでいることを聞いて、送ろうとしたけど酔いすぎていて住所を聞けなかったこと。
聞いているうちに、いたたまれない気持ちになった。

「どうしてあんなに飲んでいたの？」
おじさまの質問に、告白してダメだったこと。その理由がぽっちゃり体型だったこと。ずっとコンプレックスだったこと。
おじさまは聞き上手で、いろいろ話してしまった。