46 / 79
第二章:500円のファンタジー(全16話)
500円のファンタジー(12/16)
しおりを挟む
まあ教えてやろうか……
「これ、イチマイで」
そういえばサイフがあった。
腰ポケットから取り出したそれから、さらに目当ての硬貨をとりだして……
「ニヤリ、」「!」「!?」
キラリ、っと輝くニッケル硬貨の輝きを、
一枚分、指に取って、みせつけた。
「な、なんだこの……貨幣(コイン)はッ」「す、すっごい!」
そう言われた手の指の中の五百円玉ちゃんは、ゼロの数字の中のホログラムをうれしげに輝かせていた……
ただの五百円玉でこの驚きようなのである。
個人的には紙幣の質感のグレードも相当であると思うのだが…はさておいて、
「ところでね、このオベントウ、あなたはんのお孫さんはね、もう今日までに二膳も、お食べになられているのですよ。どうしてくれましょうかね~、“ ? ”」
「! そ、そんな……」「あぅ!? う、えっと、……」
主張するべきは主張しないとな、という判断である。そうすると俺は悪徳商人の端くれになるのだろうが…
爺も孫も、
とたんに慌てだして、
「い、いったい幾らするのだ……支払いはっ、ルーや、だから買い食いは危険だと、あれほど!」
「や、やっぱり、お金、しちゃうんですか! はぅ……ぱたん、きゅー」
いいように反応を返してくれる、爺と貴族っ娘である。
しかし、
「あ、…で、でも…あ、あのっ、」
食い下がってきた。
そうとうにドキマギした表情で、顔に熱と汗をかきながら、
そんな感じで意外な反応を返したのが、貴族っ娘の方である。
どうしたのだろうか……
「ねぇ、さっき、このオベントウ、ボクにくれた……のだよ、ね?」
まああげたつもりで今日のは買ったつもりだがな、
だが、手元の弁当をつかむ重量は軽い。
いまさらこのくいさし穴だらけの弁当に、お役目がつとまるか……というと、
と俺が言う前に、
「えっとね、えっと、ね、まって、まってて、ね!」
貴族っ娘は、がさごそ、と全身のポケットをまさぐる……
そして、
「! あった! ボクが、去年の誕生日にもらった、おこづかいの一枚!」
ごまだれ~☆
……と、ルーはそれを両手に掲げた。
が、
「………………中銀貨………………」
中、と名前に付く割には、やや小ぶり気味の、その銀色のコイン……を、自信満々に、俺に見せてきた、この、貴族っ娘。
「え、えへへ、ずっと大切に、お守りにしててよかったっ……
えっとね、これでね!」
………………
「………………、、、、。。。。」
…………………………、、、、、、、。。。。。
「だめなかんじ、ですか……?」
このなけなしの一枚を、
買い取りレートはいくらだろう? 等と鬼畜な事を考えてしまった、俺はなにもいえない…………
「………………。。。。、、、、」
一方、
うる、うるる、と大きな両目に涙を貯め始めた、この貴族っ娘。
「そしたら!」
貴族っ娘は鼻水をすすり、
「も、もし、払えなかったら、………」
そういうと、貴族っ娘…ルーテフィア…はごくり、と息を飲むと、
「ボクの、身体で、! しはらうことは、できますか!! と、扉の向こうの、っ、……」
「! ルーや!、孫よ、そのような事は軽々しく言っては………──」
ぶほ、っ、と唾を吹いたのがこの時の俺だった。
身体で支払い??? 今時の悪魔でもそんなアナクロな事は言わないだろうよ……と思いつつ、
「あ、悪魔だとしても、ぼ、ボクの魂で、は、払えるなら……生涯の一生を、売り払っても、かまわないから、ららららら……」
なんかやっかいな誤解が起こりつつあった。
「これ、イチマイで」
そういえばサイフがあった。
腰ポケットから取り出したそれから、さらに目当ての硬貨をとりだして……
「ニヤリ、」「!」「!?」
キラリ、っと輝くニッケル硬貨の輝きを、
一枚分、指に取って、みせつけた。
「な、なんだこの……貨幣(コイン)はッ」「す、すっごい!」
そう言われた手の指の中の五百円玉ちゃんは、ゼロの数字の中のホログラムをうれしげに輝かせていた……
ただの五百円玉でこの驚きようなのである。
個人的には紙幣の質感のグレードも相当であると思うのだが…はさておいて、
「ところでね、このオベントウ、あなたはんのお孫さんはね、もう今日までに二膳も、お食べになられているのですよ。どうしてくれましょうかね~、“ ? ”」
「! そ、そんな……」「あぅ!? う、えっと、……」
主張するべきは主張しないとな、という判断である。そうすると俺は悪徳商人の端くれになるのだろうが…
爺も孫も、
とたんに慌てだして、
「い、いったい幾らするのだ……支払いはっ、ルーや、だから買い食いは危険だと、あれほど!」
「や、やっぱり、お金、しちゃうんですか! はぅ……ぱたん、きゅー」
いいように反応を返してくれる、爺と貴族っ娘である。
しかし、
「あ、…で、でも…あ、あのっ、」
食い下がってきた。
そうとうにドキマギした表情で、顔に熱と汗をかきながら、
そんな感じで意外な反応を返したのが、貴族っ娘の方である。
どうしたのだろうか……
「ねぇ、さっき、このオベントウ、ボクにくれた……のだよ、ね?」
まああげたつもりで今日のは買ったつもりだがな、
だが、手元の弁当をつかむ重量は軽い。
いまさらこのくいさし穴だらけの弁当に、お役目がつとまるか……というと、
と俺が言う前に、
「えっとね、えっと、ね、まって、まってて、ね!」
貴族っ娘は、がさごそ、と全身のポケットをまさぐる……
そして、
「! あった! ボクが、去年の誕生日にもらった、おこづかいの一枚!」
ごまだれ~☆
……と、ルーはそれを両手に掲げた。
が、
「………………中銀貨………………」
中、と名前に付く割には、やや小ぶり気味の、その銀色のコイン……を、自信満々に、俺に見せてきた、この、貴族っ娘。
「え、えへへ、ずっと大切に、お守りにしててよかったっ……
えっとね、これでね!」
………………
「………………、、、、。。。。」
…………………………、、、、、、、。。。。。
「だめなかんじ、ですか……?」
このなけなしの一枚を、
買い取りレートはいくらだろう? 等と鬼畜な事を考えてしまった、俺はなにもいえない…………
「………………。。。。、、、、」
一方、
うる、うるる、と大きな両目に涙を貯め始めた、この貴族っ娘。
「そしたら!」
貴族っ娘は鼻水をすすり、
「も、もし、払えなかったら、………」
そういうと、貴族っ娘…ルーテフィア…はごくり、と息を飲むと、
「ボクの、身体で、! しはらうことは、できますか!! と、扉の向こうの、っ、……」
「! ルーや!、孫よ、そのような事は軽々しく言っては………──」
ぶほ、っ、と唾を吹いたのがこの時の俺だった。
身体で支払い??? 今時の悪魔でもそんなアナクロな事は言わないだろうよ……と思いつつ、
「あ、悪魔だとしても、ぼ、ボクの魂で、は、払えるなら……生涯の一生を、売り払っても、かまわないから、ららららら……」
なんかやっかいな誤解が起こりつつあった。
0
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
獣人の里の仕置き小屋
真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。
獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。
今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。
仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる