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Ⅰ章 予兆
21 魔王図鑑Ⅰ
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一章までに登場した魔王の一覧&補足兼余談です。
興味がなければ読み飛ばしてもらって構いません。
次の話から二章を開始します。
名前 魔王ヨトウガ
生物強度 21
スキル 繁殖加速 食性変化 巨大化 膂力増大 毒鱗粉 頑強 再生 超フェロモン
解説
ヨトウガと呼ばれる農業、園芸害虫の幼虫であるヨトウムシを元に作り出された人類撃滅兵器たる魔王一号機。
主人公が作り出した最初期の魔王。
最初期に作り出されたためか、元が小さな昆虫であるためか、魔王の名を冠する割には生物強度は控えめ。
スキルも極端に強いものがあるわけではない。
繁殖加速と超フェロモンによる群れで連携を取って質量で攻めるのが主戦法。
単体の場合、相手の装備や周囲の環境によっては普通に倒されてしまう。
強化され、巨大化し、スキルによって攻撃力と防御力を傘増しされたとしてもベースは食物連鎖の下層に位置する蛾でしかないのだ。
やむを得ない結果と言わざるを得ない。
余談ではあるが元々のヨトウムシはこの世界においては貴重かつ食味の良いタンパク源として重宝され、野菜を食べ飽きているこの世界の農家にとってはごちそうとなり、高値で取引される高級食材でもある。主人公は憎き~などと言っていたが、他の農家たちはむしろ喜ぶ。
異世界産ヨトウムシであるせいか、ヨトウムシ類だけで全ての植物を網羅していると言われるほどに多種の植物を食害する。
また、地球産よりも2回りほど大きく、その分、被害も大きくなる傾向にある。本来ならば天敵であるカエルや鳥類、肉食昆虫といった生物によって増えすぎないように自然とバランスが取られるはずだが、人類が増えすぎたことによってヨトウムシくらいの大きさのイモムシを食べる肉食小動物は軒並み食肉利用目的で激減、ないしは絶滅したために農家の悩みの種、ないしはオヤツになっている。
名前 異形の芝犬もどき
生物強度 81
スキル 骨格補助 矯正外骨格 鉄針仮面 魔眼ミキサー 超進化
解説
主人公が芝犬を作ろうとして失敗した異形の生物。
厳密に言えば魔王《人類の天敵》ではなく、ペットを創ろうとした結果の失敗作である。
野菜を材料に作れるに違いないと山盛りの野菜を用意したものの、体を構成するのに必要な物質が色々と足りなかったゆえに、幼児が粘土で芝犬を作ろうとしたような見た目をしている。
粘土であれば微笑ましかったろうに、生き物であるがゆえに非常に生々しい見た目から不気味さや気持ち悪さしか感じられないという様。
後から様々なスキルを使用して、ホラーゲームなどに登場する少しグロテスクなデザインがされた犬程度にはなった。
既存の生物ではなく、一から創った生物であるために容量が大きく、超進化という特殊なスキルを与えたために、生き残り安さを示す生物強度が非常に高くなっている。
超進化というスキルなら簡単に芝犬になれるのではと、適当に考えて超進化を与えたものの、超進化はそう融通の効くスキルではない。
そのため、作中にて異形の芝犬もどきが生誕してから1番、触れて、見て、食べた人間の姿へと変形したのは無理もないことである。
名前 魔王蝶々
生物強度 59
スキル 超構造色 超無臭 超無音 単為生殖 食性変化 視覚交信 擬似人視力《ぎじひとしりょく》
解説
主人公が魔王を通して偵察できないかと考えて作り出した魔王。
生きたカメラと言ってもいい。
他の魔王と違い、見つからずに偵察させることを重視しているため戦闘能力は皆無。
生き残り易いスキル構成なため、生き残りやすさを示す生物強度が非常に高く、それもあってただの蝶にしては頑強で寿命も長い。
が、生物強度から得られる肉体強化補正は加算ではなく乗算ゆえに、元がひ弱な蝶である魔王蝶々はせいぜいが甲虫《カブトムシ》程度の硬さ、普通の蝶の2~3倍程度(約3年)の寿命しかない。
殺そうと思えば人間の子供でも殺せてしまう現状、最弱の魔王である。しかし、非常に隠密性が高いために狙って殺すのはほぼ不可能である。
また、隠密性が高すぎるが故に同種同士ですら姿の確認ができないため、交尾ができずに繁殖できない。
そのため、メスだけで繁殖できるように単為生殖のスキルが与えられている。
食性変化のスキルによって、大気中に含まれる僅かな有機物や魔力を餌に繁殖可能なため、極端に暑い地域ないしは寒い地域以外の至る所で繁殖が可能。生物強度の補正はありとあらゆる身体能力…すなわち成長速度にも補正がかかるため成長スピードに関するスキルは与えられていないわりには繁殖力が高い。
約半月~一月ほどで成虫になることができる。
蝶の種別としては異世界産オオカバマダラ。
オオカバマダラは渡り鳥のように長距離飛行をして「渡り」を行う蝶として有名である。
アメリカの国蝶ともなっている。
ちなみに日本の国蝶はオオムラサキ。
名前 魔王ゾウムシ
生物強度 23
スキル 超寿命 超外骨格 超魔力皮膜 膂力増強 巨大化 食性変化 一代全霊
解説
畑に転がっていた死にかけのゾウムシを元に創り出された4体目の魔王。
芝犬を創ろうとして、結果的に魔王になった異形の芝犬もどきを除けば残り2種の魔王達は繁殖前提であったが、この魔王ゾウムシに関しては「圧倒的な個」をコンセプトに創り出されたために繁殖ができないようになっている。
スキル一代全霊の効果のためだ。
その効果とは繁殖できない代わりに身体能力を大幅に上げるという効果となっている。
本来なら繁殖というのは大きなエネルギーを必要とする行為であり、繁殖した個体と、してない個体では明確に寿命の長さが異なる傾向にある。
それらに使われるはずのエネルギーを全て身体能力に変換するスキルなのだが、生物の基礎的欲求たる繁殖ができないというデメリットのわりには生物強度は控えめ。
主人公はまだ確信を得ていないが、これは死にかけのゾウムシを使ったために起こった弊害。
死にかけということはつまりほぼ寿命が尽きかけているわけで、すでに人生を謳歌した後。もとい繁殖しまくった後なのだ。
ゆえに一代全霊のスキル効果がイマイチとなった。
とはいえ、それでありながら生物強度が23と魔王ヨトウガを超えているのは凄いことである。
生き残りやすさを示す生物強度が大量繁殖前提の魔王ヨトウガより僅かながらに高いと考えれば魔王ゾウムシの死ににくさが察せる。元は異世界産ヤサイゾウムシ。
魔力があるせいか非常に農薬に強く、単為生殖を行うために繁殖スピードも早い。実に忌々しい害虫だと主人公は思っている。
そもそもこの世界では害虫も食利用されるために農薬はあまり使われないが、(農薬を作ったり使ったりするリソースは全て食べ物確保関連に回される)こいつは別である。
成虫になった異世界産ヤサイゾウムシは人間の顎の力では噛み切れない上に柔らかい幼虫の期間も短い。食利用が難しいためにこの世界の農家では実に嫌われている。
元ネタはもちろん、そのままヤサイゾウムシ。
単為生殖を行う昆虫であるせいか少なくとも日本ではメスしか見つかっていないのだとか。筆者もたまに見かけますが、小説を書くにあたって畑にいてもおかしくない生物を適当に調べていたらヒットして、そんな安直な名前のゾウムシ、どんなやつなんだとちょっとワクワクしながら検索したら比較的見かけるゾウムシで「なんだ、あれか」と思いガッカリしたのは余談。
ちなみにゲテモノ系のテレビで出てくるカブトムシの幼虫とは少し見た目が違う感じの大きなイモムシは、外国産巨大ゾウムシの幼虫。
ヤシオオオサゾウムシと呼ばれる種類らしく、西日本にも外来種として生息しているのだとか。
いくつかの近縁種がいるらしいのでテレビで見るゲテモノ系食材になっているイモムシが必ずヤシオオオサゾウムシかは分かりませんけどね。
オサゾウムシの仲間は農業害虫として検疫法でかなり注視されているらしいです。
興味がなければ読み飛ばしてもらって構いません。
次の話から二章を開始します。
名前 魔王ヨトウガ
生物強度 21
スキル 繁殖加速 食性変化 巨大化 膂力増大 毒鱗粉 頑強 再生 超フェロモン
解説
ヨトウガと呼ばれる農業、園芸害虫の幼虫であるヨトウムシを元に作り出された人類撃滅兵器たる魔王一号機。
主人公が作り出した最初期の魔王。
最初期に作り出されたためか、元が小さな昆虫であるためか、魔王の名を冠する割には生物強度は控えめ。
スキルも極端に強いものがあるわけではない。
繁殖加速と超フェロモンによる群れで連携を取って質量で攻めるのが主戦法。
単体の場合、相手の装備や周囲の環境によっては普通に倒されてしまう。
強化され、巨大化し、スキルによって攻撃力と防御力を傘増しされたとしてもベースは食物連鎖の下層に位置する蛾でしかないのだ。
やむを得ない結果と言わざるを得ない。
余談ではあるが元々のヨトウムシはこの世界においては貴重かつ食味の良いタンパク源として重宝され、野菜を食べ飽きているこの世界の農家にとってはごちそうとなり、高値で取引される高級食材でもある。主人公は憎き~などと言っていたが、他の農家たちはむしろ喜ぶ。
異世界産ヨトウムシであるせいか、ヨトウムシ類だけで全ての植物を網羅していると言われるほどに多種の植物を食害する。
また、地球産よりも2回りほど大きく、その分、被害も大きくなる傾向にある。本来ならば天敵であるカエルや鳥類、肉食昆虫といった生物によって増えすぎないように自然とバランスが取られるはずだが、人類が増えすぎたことによってヨトウムシくらいの大きさのイモムシを食べる肉食小動物は軒並み食肉利用目的で激減、ないしは絶滅したために農家の悩みの種、ないしはオヤツになっている。
名前 異形の芝犬もどき
生物強度 81
スキル 骨格補助 矯正外骨格 鉄針仮面 魔眼ミキサー 超進化
解説
主人公が芝犬を作ろうとして失敗した異形の生物。
厳密に言えば魔王《人類の天敵》ではなく、ペットを創ろうとした結果の失敗作である。
野菜を材料に作れるに違いないと山盛りの野菜を用意したものの、体を構成するのに必要な物質が色々と足りなかったゆえに、幼児が粘土で芝犬を作ろうとしたような見た目をしている。
粘土であれば微笑ましかったろうに、生き物であるがゆえに非常に生々しい見た目から不気味さや気持ち悪さしか感じられないという様。
後から様々なスキルを使用して、ホラーゲームなどに登場する少しグロテスクなデザインがされた犬程度にはなった。
既存の生物ではなく、一から創った生物であるために容量が大きく、超進化という特殊なスキルを与えたために、生き残り安さを示す生物強度が非常に高くなっている。
超進化というスキルなら簡単に芝犬になれるのではと、適当に考えて超進化を与えたものの、超進化はそう融通の効くスキルではない。
そのため、作中にて異形の芝犬もどきが生誕してから1番、触れて、見て、食べた人間の姿へと変形したのは無理もないことである。
名前 魔王蝶々
生物強度 59
スキル 超構造色 超無臭 超無音 単為生殖 食性変化 視覚交信 擬似人視力《ぎじひとしりょく》
解説
主人公が魔王を通して偵察できないかと考えて作り出した魔王。
生きたカメラと言ってもいい。
他の魔王と違い、見つからずに偵察させることを重視しているため戦闘能力は皆無。
生き残り易いスキル構成なため、生き残りやすさを示す生物強度が非常に高く、それもあってただの蝶にしては頑強で寿命も長い。
が、生物強度から得られる肉体強化補正は加算ではなく乗算ゆえに、元がひ弱な蝶である魔王蝶々はせいぜいが甲虫《カブトムシ》程度の硬さ、普通の蝶の2~3倍程度(約3年)の寿命しかない。
殺そうと思えば人間の子供でも殺せてしまう現状、最弱の魔王である。しかし、非常に隠密性が高いために狙って殺すのはほぼ不可能である。
また、隠密性が高すぎるが故に同種同士ですら姿の確認ができないため、交尾ができずに繁殖できない。
そのため、メスだけで繁殖できるように単為生殖のスキルが与えられている。
食性変化のスキルによって、大気中に含まれる僅かな有機物や魔力を餌に繁殖可能なため、極端に暑い地域ないしは寒い地域以外の至る所で繁殖が可能。生物強度の補正はありとあらゆる身体能力…すなわち成長速度にも補正がかかるため成長スピードに関するスキルは与えられていないわりには繁殖力が高い。
約半月~一月ほどで成虫になることができる。
蝶の種別としては異世界産オオカバマダラ。
オオカバマダラは渡り鳥のように長距離飛行をして「渡り」を行う蝶として有名である。
アメリカの国蝶ともなっている。
ちなみに日本の国蝶はオオムラサキ。
名前 魔王ゾウムシ
生物強度 23
スキル 超寿命 超外骨格 超魔力皮膜 膂力増強 巨大化 食性変化 一代全霊
解説
畑に転がっていた死にかけのゾウムシを元に創り出された4体目の魔王。
芝犬を創ろうとして、結果的に魔王になった異形の芝犬もどきを除けば残り2種の魔王達は繁殖前提であったが、この魔王ゾウムシに関しては「圧倒的な個」をコンセプトに創り出されたために繁殖ができないようになっている。
スキル一代全霊の効果のためだ。
その効果とは繁殖できない代わりに身体能力を大幅に上げるという効果となっている。
本来なら繁殖というのは大きなエネルギーを必要とする行為であり、繁殖した個体と、してない個体では明確に寿命の長さが異なる傾向にある。
それらに使われるはずのエネルギーを全て身体能力に変換するスキルなのだが、生物の基礎的欲求たる繁殖ができないというデメリットのわりには生物強度は控えめ。
主人公はまだ確信を得ていないが、これは死にかけのゾウムシを使ったために起こった弊害。
死にかけということはつまりほぼ寿命が尽きかけているわけで、すでに人生を謳歌した後。もとい繁殖しまくった後なのだ。
ゆえに一代全霊のスキル効果がイマイチとなった。
とはいえ、それでありながら生物強度が23と魔王ヨトウガを超えているのは凄いことである。
生き残りやすさを示す生物強度が大量繁殖前提の魔王ヨトウガより僅かながらに高いと考えれば魔王ゾウムシの死ににくさが察せる。元は異世界産ヤサイゾウムシ。
魔力があるせいか非常に農薬に強く、単為生殖を行うために繁殖スピードも早い。実に忌々しい害虫だと主人公は思っている。
そもそもこの世界では害虫も食利用されるために農薬はあまり使われないが、(農薬を作ったり使ったりするリソースは全て食べ物確保関連に回される)こいつは別である。
成虫になった異世界産ヤサイゾウムシは人間の顎の力では噛み切れない上に柔らかい幼虫の期間も短い。食利用が難しいためにこの世界の農家では実に嫌われている。
元ネタはもちろん、そのままヤサイゾウムシ。
単為生殖を行う昆虫であるせいか少なくとも日本ではメスしか見つかっていないのだとか。筆者もたまに見かけますが、小説を書くにあたって畑にいてもおかしくない生物を適当に調べていたらヒットして、そんな安直な名前のゾウムシ、どんなやつなんだとちょっとワクワクしながら検索したら比較的見かけるゾウムシで「なんだ、あれか」と思いガッカリしたのは余談。
ちなみにゲテモノ系のテレビで出てくるカブトムシの幼虫とは少し見た目が違う感じの大きなイモムシは、外国産巨大ゾウムシの幼虫。
ヤシオオオサゾウムシと呼ばれる種類らしく、西日本にも外来種として生息しているのだとか。
いくつかの近縁種がいるらしいのでテレビで見るゲテモノ系食材になっているイモムシが必ずヤシオオオサゾウムシかは分かりませんけどね。
オサゾウムシの仲間は農業害虫として検疫法でかなり注視されているらしいです。
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