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繕い物直し
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手先は不器用なほうではないが、このところ、良い針と良い縫い糸に出会えないでいる。モノの少ない私の家に、飼い犬の遊び道具は沢山ない。たまに知人が思い出したように仔犬におもちゃを与えてくれるが、世間の事情からすれば外れている、ちょっとばかりおおきいいぬのさいずなので、誤飲意外に気を付けることはない。サイズ的に合う低学年の児童用のおもちゃは危険防止が度が過ぎて、スポンジ系ばかりだ。
犬というものは噛む。
ちょっと知恵がつきだせば、両手で抑えて、噛むことを覚える。
スポンジは、もぐもぐとしている中で鳥が花の蜜を吸うために邪魔な花弁をちぎる様に散乱するありさまだ。
昨日も、私はひも付きおもちゃを縫った。
縫物は上手な方じゃない。
編み物も特に。
けれども、ほつれを直すことは、するほどは始末がいい方だと自負できる。この前とうとう破れてしまったワイシャツなど20年持った。しかも、貰い物で、たいして愛着がない。愛着がないわりに、背中にあるタグを懸命にほどいて背中に当たるイライラを解消したり、ボタンの付け替えをしていたりとわりかし大事に使っていた。経年劣化で背中が薄くなりびりびりと漫画のように敗れたのでごみに捨てた。
犬のおもちゃを縫う。
昔破れたパジャマの生地が裁縫箱に投げ入れてあったのでそれを使った。
「ゲームも。縫物も、同じさ、集中するとα波が出る。これが、ひとには一番いい。それがストレス解消法」
と、老紳士は教えてくれたのを思い出す。
けれども、私は、どれもちょっとばかりできるだけで、全くできないわけじゃないという「人に頼んだ方が良かった」ぐらいのレベルだ。アメリカ番組のDIYは遥かに雲の上の存在になっている。
たびたび、手を指すが、気にはしない。このおもちゃは数回の洗濯機での洗濯にも耐える中身は紐と綿で構成されている。破れるのはいつも表の生地だ。くるむように波縫いで縫っていく。たまに篝縫いもする。
昼間、私は丈を詰めるためのズボンを二着。ウエストのゴム直しが自分でできない特殊な縫製のズボンを二つ、そして、ワイシャツを一つクリーニング。クリーニング店に持ち込んだ。
田舎に乱立していたクリーニング店は数を減らし、その分、靴を丸洗いから、修理一般を受け付けてくれるようになったと、堂々と提示してくれたからだ。モールに行って洋服の修理依頼をこちらで一括で済ませようを目論んだ。
だが、それは言わばお飾りであって、パートタイマーのご高齢にはレジのボタン選択で迷う品目となり、三度ミスを繰り返された。
「二枚は、裾を上げるもの。私が裾上げした部分が醜いのでプロに直してもらいたいもの。この二点はゴムが緩いズボン。自分では直せないゴムの縫込みをしてあるので頼むもの。これは、袖の汚れたクリーニング品」
が、デキない。
ズボンの折はどうするのか。は「もう、一重でいいです」で閉めた。
「買った方が安くない?」
ああ、それは客としても店員としても一番言っては欲しくない言葉を出したよ。
うんざりだ。
入る前に、「このクリーニング屋、昔チケット制で毎年チケットを買わされたけれど、三年続けて全くクリーニングチケットが無駄になった店だ」の記憶さえ思い出さなければ、むかつきも減ったかもしれない。一割ぐらいは。
「あのですね、これ、お気に入りなんです。このズボンも、とても有名なメーカーで2年待ちなのです。私には大切な商品なのです」と言ってみたが、
「クリーニングから専門業者委託になるので時間がかかります」
と言って返された。
商品は通過した。
金額は、本当に、スポーツジャージ一つ買えるぐらいの値段はしていた。だが、買えるぐらいであって、買ってもまた丈を詰めるのに値段はかかる。
「買ったお店で丈を詰めてもらえばいいのに」
なぜ、この店の店主、パートの老婦人は一言多いのだろう。
私は暴風の島で暮らしている。
犬というものは噛む。
ちょっと知恵がつきだせば、両手で抑えて、噛むことを覚える。
スポンジは、もぐもぐとしている中で鳥が花の蜜を吸うために邪魔な花弁をちぎる様に散乱するありさまだ。
昨日も、私はひも付きおもちゃを縫った。
縫物は上手な方じゃない。
編み物も特に。
けれども、ほつれを直すことは、するほどは始末がいい方だと自負できる。この前とうとう破れてしまったワイシャツなど20年持った。しかも、貰い物で、たいして愛着がない。愛着がないわりに、背中にあるタグを懸命にほどいて背中に当たるイライラを解消したり、ボタンの付け替えをしていたりとわりかし大事に使っていた。経年劣化で背中が薄くなりびりびりと漫画のように敗れたのでごみに捨てた。
犬のおもちゃを縫う。
昔破れたパジャマの生地が裁縫箱に投げ入れてあったのでそれを使った。
「ゲームも。縫物も、同じさ、集中するとα波が出る。これが、ひとには一番いい。それがストレス解消法」
と、老紳士は教えてくれたのを思い出す。
けれども、私は、どれもちょっとばかりできるだけで、全くできないわけじゃないという「人に頼んだ方が良かった」ぐらいのレベルだ。アメリカ番組のDIYは遥かに雲の上の存在になっている。
たびたび、手を指すが、気にはしない。このおもちゃは数回の洗濯機での洗濯にも耐える中身は紐と綿で構成されている。破れるのはいつも表の生地だ。くるむように波縫いで縫っていく。たまに篝縫いもする。
昼間、私は丈を詰めるためのズボンを二着。ウエストのゴム直しが自分でできない特殊な縫製のズボンを二つ、そして、ワイシャツを一つクリーニング。クリーニング店に持ち込んだ。
田舎に乱立していたクリーニング店は数を減らし、その分、靴を丸洗いから、修理一般を受け付けてくれるようになったと、堂々と提示してくれたからだ。モールに行って洋服の修理依頼をこちらで一括で済ませようを目論んだ。
だが、それは言わばお飾りであって、パートタイマーのご高齢にはレジのボタン選択で迷う品目となり、三度ミスを繰り返された。
「二枚は、裾を上げるもの。私が裾上げした部分が醜いのでプロに直してもらいたいもの。この二点はゴムが緩いズボン。自分では直せないゴムの縫込みをしてあるので頼むもの。これは、袖の汚れたクリーニング品」
が、デキない。
ズボンの折はどうするのか。は「もう、一重でいいです」で閉めた。
「買った方が安くない?」
ああ、それは客としても店員としても一番言っては欲しくない言葉を出したよ。
うんざりだ。
入る前に、「このクリーニング屋、昔チケット制で毎年チケットを買わされたけれど、三年続けて全くクリーニングチケットが無駄になった店だ」の記憶さえ思い出さなければ、むかつきも減ったかもしれない。一割ぐらいは。
「あのですね、これ、お気に入りなんです。このズボンも、とても有名なメーカーで2年待ちなのです。私には大切な商品なのです」と言ってみたが、
「クリーニングから専門業者委託になるので時間がかかります」
と言って返された。
商品は通過した。
金額は、本当に、スポーツジャージ一つ買えるぐらいの値段はしていた。だが、買えるぐらいであって、買ってもまた丈を詰めるのに値段はかかる。
「買ったお店で丈を詰めてもらえばいいのに」
なぜ、この店の店主、パートの老婦人は一言多いのだろう。
私は暴風の島で暮らしている。
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