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神界編
29 目指すべき場所
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「どうなってるんですか、これ!」
佐川は巨大な亀裂の入った地面を見つめる。
「とにかくここから離れましょう!」
店主が佐川の手を握る。
「いや、ここから動かないほうがいいらしい。見てみろ。」
ランが洞穴の外を指差す。
「あれは……」
佐川が呆気に取られる。
地面に入った亀裂は一気に広がり、洞穴の入り口付近に巨大な底無しの穴が空く。
「もうほとんど外の道は残ってないな、なぜだかわからんが、この洞穴だけはまだ崩壊が始まっていないらしい。」
「でもなんで急にこんな……」
店主が眉をひそめる。
「わからん。だが江口さんが消えたことや魔王が倒されたことと何か関係があるのかもしれん。」
「ど、どうしましょう……」
佐川が不安そうな顔をする。
「まぁ、どうしようもないわな。儂らは江口さんを信じてここで待機することしかできん。」
「江口様……」
三人は洞穴から灰色の空を見上げる。
白銀の空の下、不機嫌そうな男と女神が歩いていく。
「あら、江口様、どうかされましたか?」
アイオーンが江口に尋ねる。
「いや、さっきの奴の精液が服にこびりついちまって……なかなかとれないんすよ。」
江口は自分の服をバシバシと払う。
「少し勢いよくやりすぎましたね……こちらを向いてくださいますか?」
アイオーンに諭され、江口は女神の方を向く。
するとアイオーンが何か呟き、その瞬間、白濁液で汚れていた江口の服が新品同然に風体を変える。
「うわ、すげぇ! これも神の力ってやつですか?」
「いえ、洗濯スキルです。こういうの使えた方が男受けいいでしょう?」
アイオーンはにっこりと微笑む。
「洗濯スキルて……いきなり世界観壊してきますね……」
「そういうのもあるものなんですよ~、気にしたら負けです。」
そう言ってアイオーンは江口の手を取り、歩みを速める。
「さあ、この調子で神々を倒していきますよ!」
「お、おう……。」
江口はアイオーンの迫力に押されるように返事をする。
「ところで、これからどこに向かうんすか?」
「はい、私たちが目指すべき場所は【大神殿】です。」
「なんか凄そうな名前っすね。」
「そうですね、その中でも特に豪華絢爛に飾り立てられた『界長室』という場所があります。」
「そしてその場所にこそ、私たちが倒さなければならない相手……」
アイオーンは視線を上げ、続ける。
「第一世代の神を統べる神界の王、ヒャク・ニンギリが待ち受けているのです!」
それを聞いた江口は眩しそうに白銀の空を見上げて呟く。
「……名前についてはもう突っ込まねぇぞ。」
佐川は巨大な亀裂の入った地面を見つめる。
「とにかくここから離れましょう!」
店主が佐川の手を握る。
「いや、ここから動かないほうがいいらしい。見てみろ。」
ランが洞穴の外を指差す。
「あれは……」
佐川が呆気に取られる。
地面に入った亀裂は一気に広がり、洞穴の入り口付近に巨大な底無しの穴が空く。
「もうほとんど外の道は残ってないな、なぜだかわからんが、この洞穴だけはまだ崩壊が始まっていないらしい。」
「でもなんで急にこんな……」
店主が眉をひそめる。
「わからん。だが江口さんが消えたことや魔王が倒されたことと何か関係があるのかもしれん。」
「ど、どうしましょう……」
佐川が不安そうな顔をする。
「まぁ、どうしようもないわな。儂らは江口さんを信じてここで待機することしかできん。」
「江口様……」
三人は洞穴から灰色の空を見上げる。
白銀の空の下、不機嫌そうな男と女神が歩いていく。
「あら、江口様、どうかされましたか?」
アイオーンが江口に尋ねる。
「いや、さっきの奴の精液が服にこびりついちまって……なかなかとれないんすよ。」
江口は自分の服をバシバシと払う。
「少し勢いよくやりすぎましたね……こちらを向いてくださいますか?」
アイオーンに諭され、江口は女神の方を向く。
するとアイオーンが何か呟き、その瞬間、白濁液で汚れていた江口の服が新品同然に風体を変える。
「うわ、すげぇ! これも神の力ってやつですか?」
「いえ、洗濯スキルです。こういうの使えた方が男受けいいでしょう?」
アイオーンはにっこりと微笑む。
「洗濯スキルて……いきなり世界観壊してきますね……」
「そういうのもあるものなんですよ~、気にしたら負けです。」
そう言ってアイオーンは江口の手を取り、歩みを速める。
「さあ、この調子で神々を倒していきますよ!」
「お、おう……。」
江口はアイオーンの迫力に押されるように返事をする。
「ところで、これからどこに向かうんすか?」
「はい、私たちが目指すべき場所は【大神殿】です。」
「なんか凄そうな名前っすね。」
「そうですね、その中でも特に豪華絢爛に飾り立てられた『界長室』という場所があります。」
「そしてその場所にこそ、私たちが倒さなければならない相手……」
アイオーンは視線を上げ、続ける。
「第一世代の神を統べる神界の王、ヒャク・ニンギリが待ち受けているのです!」
それを聞いた江口は眩しそうに白銀の空を見上げて呟く。
「……名前についてはもう突っ込まねぇぞ。」
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