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神界編
27 女神との出会い
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「ぐっ……!」
オレは頭を抱えて地面にうずくまっていた。
【索敵】のスキルを使った直後、急激な頭痛が襲ってきたのだ。
「何なんだよ……」
「スキルを使ったんですもの、当然ですわ。」
聴き慣れない女の声にオレは顔を上げる。
「この神界は神のみが存在を許された世界。あなたのようなイレギュラーな存在が、さらにスキルなんてものを使
って、この神界の干渉を受けないはずなんてないじゃない。」
全身に白いワンピースのようなものを纏った青髪の女はオレを見下ろしてそう言った。
「誰だ……あんたは…」
「私はアイオーン。第二世代の女神です。」
普通の名前だな。
まったく、名前紹介イベントのたびにヒヤヒヤさせられる……
「けど、神ってことはオレの敵って事っすよね?」
オレは頭を抱えながら立ち上がる。
オ○ホを握る手に力がこもる。
「いえ、私たち第二世代の神はあなたの味方です。」
女神が微笑む。
「それは一体……?」
オレは眉をひそめる。
「私たち第二世代の神は世界の理によって創り出された、本来の「神」という存在。第一世代と呼ばれるイレギュラー集団とは全く別次元の存在なのです。」
そして女神はオレを見据えて徐に口を開く。
「私たち第二世代の神の役割は、第一世代の神を殲滅し、神界を正規の神のみ存在する世界にする事。そして正規の神達を統率できる強力なリーダーとしての神を見つける事。あなたにはそのリーダーになってもらいたいのです。」
「あんた達はなんでわざわざ第一世代の神を殺そうとするんすか?」
「私たちにはそういう役割が最初から決められているからです。“運命”とでもいいましょうか。誰もそれに刃向かう事はできないのです。」
よく分からない。言っている事がふわふわしているというか……果たして信用してもいいものなのだろうか……
「…ん?そういえばあんた、どこから現れたんだ?」
この女神はいきなりオレの目の前に立っていたが、【索敵】で見た限りでは近くに神はいなかったはずだ。
「実は声をかけるタイミングが掴めずに、ずっと後ろをついていました……」
女神はばつが悪そうに頬を人差し指でなぞる。
ずっと後ろにいたのに索敵に反応しなかった……
少なくともコイツはこの女神のことを敵としては認識していないって事なのか……?
「分かった。あんたを信用してみますよ。」
「良かった、ありがとうございます。」
アイオーンは安堵の表情を浮かべる。
「あ、それと一つ気になったのですが」
アイオーンはオレにパッと視線を合わせ唐突に話し始める。
「なんすか?」
「神が現れたときに、とりあえず神殺しを使おうとするのはやめたほうがいいですよ。」
「なんでっすか?」
「あなたは神殺しについてあまり詳しくは把握できていないようですね。」
そしてアイオーンはオレのオ○ホに視線を落とす。
「神殺しには回数制限があります。」
「え、そうなんすか?」
「はい、それが使えるのは下界であなた自身が乗り越えた試練の数のみです……どうやら使えるのはあと一回のようですね。」
「うえぇ!? マジで!?」
「はい、マジです。」
つい大声をあげてしまった……ていうかあのうんこジジイ、なんでいつも肝心なとこを教えねぇんだよ!!
「えぇ……それじゃあオレ、全然戦え無いんじゃないんすか? 協力するとは言いましたけど、たぶんもうオレ役に立たないっすよ?」
「いえ、重要なのはあなたの存在自体です。それに、他の神々との戦闘に関しては大部分は私に任せていただいて大丈夫ですよ。」
「そ、そうなんすか。じゃあ、よろしくお願いします……。」
「はい、お任せください!」
アイオーンが自信たっぷりに自分の胸を叩く。
なんか立場が逆転しちまったなぁ……
オレは頭を抱えて地面にうずくまっていた。
【索敵】のスキルを使った直後、急激な頭痛が襲ってきたのだ。
「何なんだよ……」
「スキルを使ったんですもの、当然ですわ。」
聴き慣れない女の声にオレは顔を上げる。
「この神界は神のみが存在を許された世界。あなたのようなイレギュラーな存在が、さらにスキルなんてものを使
って、この神界の干渉を受けないはずなんてないじゃない。」
全身に白いワンピースのようなものを纏った青髪の女はオレを見下ろしてそう言った。
「誰だ……あんたは…」
「私はアイオーン。第二世代の女神です。」
普通の名前だな。
まったく、名前紹介イベントのたびにヒヤヒヤさせられる……
「けど、神ってことはオレの敵って事っすよね?」
オレは頭を抱えながら立ち上がる。
オ○ホを握る手に力がこもる。
「いえ、私たち第二世代の神はあなたの味方です。」
女神が微笑む。
「それは一体……?」
オレは眉をひそめる。
「私たち第二世代の神は世界の理によって創り出された、本来の「神」という存在。第一世代と呼ばれるイレギュラー集団とは全く別次元の存在なのです。」
そして女神はオレを見据えて徐に口を開く。
「私たち第二世代の神の役割は、第一世代の神を殲滅し、神界を正規の神のみ存在する世界にする事。そして正規の神達を統率できる強力なリーダーとしての神を見つける事。あなたにはそのリーダーになってもらいたいのです。」
「あんた達はなんでわざわざ第一世代の神を殺そうとするんすか?」
「私たちにはそういう役割が最初から決められているからです。“運命”とでもいいましょうか。誰もそれに刃向かう事はできないのです。」
よく分からない。言っている事がふわふわしているというか……果たして信用してもいいものなのだろうか……
「…ん?そういえばあんた、どこから現れたんだ?」
この女神はいきなりオレの目の前に立っていたが、【索敵】で見た限りでは近くに神はいなかったはずだ。
「実は声をかけるタイミングが掴めずに、ずっと後ろをついていました……」
女神はばつが悪そうに頬を人差し指でなぞる。
ずっと後ろにいたのに索敵に反応しなかった……
少なくともコイツはこの女神のことを敵としては認識していないって事なのか……?
「分かった。あんたを信用してみますよ。」
「良かった、ありがとうございます。」
アイオーンは安堵の表情を浮かべる。
「あ、それと一つ気になったのですが」
アイオーンはオレにパッと視線を合わせ唐突に話し始める。
「なんすか?」
「神が現れたときに、とりあえず神殺しを使おうとするのはやめたほうがいいですよ。」
「なんでっすか?」
「あなたは神殺しについてあまり詳しくは把握できていないようですね。」
そしてアイオーンはオレのオ○ホに視線を落とす。
「神殺しには回数制限があります。」
「え、そうなんすか?」
「はい、それが使えるのは下界であなた自身が乗り越えた試練の数のみです……どうやら使えるのはあと一回のようですね。」
「うえぇ!? マジで!?」
「はい、マジです。」
つい大声をあげてしまった……ていうかあのうんこジジイ、なんでいつも肝心なとこを教えねぇんだよ!!
「えぇ……それじゃあオレ、全然戦え無いんじゃないんすか? 協力するとは言いましたけど、たぶんもうオレ役に立たないっすよ?」
「いえ、重要なのはあなたの存在自体です。それに、他の神々との戦闘に関しては大部分は私に任せていただいて大丈夫ですよ。」
「そ、そうなんすか。じゃあ、よろしくお願いします……。」
「はい、お任せください!」
アイオーンが自信たっぷりに自分の胸を叩く。
なんか立場が逆転しちまったなぁ……
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